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これと同じように、たとえば「KD(=携帯電話)とか「GOT(=牛めし・大盛り・つゆだく)」等々、たくさんあるらしい。 そんな言葉を「KY」に代表させて、「KY式日本語」、略して「KY語」と呼んで集め、なぜそんなローマ字略語が流行るのかなどを分析した本が出た。 『KY式日本語 ―― ローマ字略語がなぜ流行るのか』という本である。今日は、これを紹介してみる。編著者は北原保雄さんである。 まず、次のような“KY語”をご存知だろうか。KY語の主要単語だそうだが、バカ親父はほとんどわからなかった。 ・ AM=後でまたね ・ ATM=アホな父ちゃんもういらへん ・ CB=超微妙 ・ DD=誰でも大好き ・ DK=大事なところでかむ ・ FK=ファンデ濃い ・ GMM=偶然街で会った元カレ ・ HD=ヒマだから電話する ・ HT=話ついて行けない ・ IT=アイス食べたい ・ IW=意味わかんない ・ JK=女子高生 ・ KZ=絡みづらい ・ 3M=マジでもう無理 ・ MHZ= まさかの匍匐前進 ・ MK5=マジキレる5秒前 ・ MM=マジムカつく ・ ND=人間としてどうよ ・ NW=ノリ悪い ・ PK=パンツ食い込む ・ PSI=パンツにシャツイン(野暮ったい着方の代表) ・ TD=テンションダウン ・ TK=とんだ勘違い ・ WH=話題変更 この中で、JKとPKはテレビで聞いたことがあるが、残りはまるでわからなかった。他にもいっぱいあって、その使い方などの解説や関連した言葉などを紹介している。 北原保雄さんは、第1章「KY日本語を理解するために」で、次のようにその機能や流行した理由、その功罪などを分析している。 T) 「KY式日本語」(KY語)とは 「KY語」とは、日本語をローマ字表記にしたときに、@文節(句)、A語、B語を構成する部分、などの最初に来るローマ字で表した略語のことである。それぞれの例としては、次のようなものがある。 @ 「ATM(=あんた・タバコ・持っとん)」「BIU(=僕の・言うことに・ウソはない)」 A 「DTN(=だるい・つらい・ねむい)」「KME(=かっこいい・モテる・エロい)」 B 「FM(=ふたまた)」「AKB(=アキバ)」「DSI(=ださい)」 KY語は若い人たちの間で大流行しているが、決して新しいものではない。「NHK(=日本放送協会)」とか「SKD(=松竹歌劇団)」など、昔から使われているものもある。 KY語の便利なところは、アルファベットだけの配列で記号的になり、新鮮、スマートに感じられるものもある。言葉遊びとしても面白く、巧みに韻を踏んだ傑作や、日常のなにげない断片を鮮やかに切り取った逸品がある。 だが、使いすぎ、遊びすぎは問題である。度を越して日常的に使われると、日本語自体を壊してしまうことになる。 U) KY語の発揮する表現効果 1.遠回しに表現できる 別語としてアルファベットの2、3文字を使うことにより、元の言葉では直接、露骨になるところをぼかし、ごまかし、隠すことができる。 2.周囲から際立たせる 隠語としてKY語を使うことで、自分たちの集団の持つ特殊性を周囲から際立たせることができる。これは業界用語に通じるものである。 3.仲間意識を高める KY語は仲間の間でしか通用しない隠語であるから、仲間意識を高める効果がある。 4.言葉遊びが楽しめる 「PK(=パンツ食い込む)」のように、その意味と音声との落差を楽しめる。また、「ODD(=お前、大学どうする)」のように、日常のありふれた会話を切り取ってキャッチコピー化している状況もある。KY語は表現効果そのものというより、その効果によって楽しむことができるのである。 V) KY語が氾濫する背景 1.ローマ字で日本語を打つ時代 パソコンのワープロソフトでローマ字入力をする人が増えた。そこで、日本語をローマ字で「書く」ことに慣らされ、語句の最初の文字をローマ字で「書く」ことが普通のことになっている。KY語の登場は、なかば必然だったとさえ思われる。 2.略語氾濫の時代 昨今の略語の氾濫はいささか度を越しているところがあるが、日本語は本来省略しやすく、日本人は言葉を省略することが好きである。「メールアドレス」が「メルアド」になり、若い人は「メアド」と言う。「ケンタ(ケンタッキー・フライドチキン)」「ミスド(ミスター・ドーナツ)」「ラブホ(ラブホテル)」「デニ(デニーズ)」等々、ますます短くなり、その行き着いた先がKY語ではないか。 3.携帯電話のメールやインターネット 携帯電話などでKY語を使えば、安い料金で済み、打ち込みが楽で、その上、仲間意識を高めることができ、当事者にとっては一石何鳥もの利点がある。 また、若い人たちの携帯メールやチャットでは、「話し言葉」そのままを書いて送る習慣がついている。その結果、不完全な「書き言葉」にも慣れてしまっている。「アイス食べたい」も「アイス食べに行く」も、「アイス食べたい?」もすべて「IT]と書いてしまうKY語は「話し言葉」化した「書き言葉」なのである。 4.さまざまな分野の人と話す機会の減少 核家族化、兄弟数の少なさ、両親の共稼ぎなどで、家族内での会話の機会が少なくなり、子どものつき合いは学校の同級生や部活の仲間、しかもその中の気の合った少数に限られている。そういう仲間内では、そこだけでしか通用しない言葉で事足りる。異なった分野の人には通じないKY語がつくられる由縁である。 W) KY語との付き合い方 ・ まともな日本語が使えなくなるおそれがあるので、注意が必要 上のV)の3.で出てきた「IT(=アイス食べたい)」でもそうだが、肯定か否定か、あるいは疑問か、などは文末で決まる。KY語は文節頭のローマ字だけだから表現し分けることができずに、すべて文脈で読み取るしかない。 狭い仲間内だけならまだしも、大体のところしか伝わらないのがKY語の特徴であり、限界である。助詞・助動詞をはじめ表現の細やかさをないがしろにするKY語に無自覚に慣れてしまうと、まともな日本語が使えなくなるおそれがある。 ・ 言葉の暴力になるおそれがあるので、注意が必要 KY語は意味がぼかされている分、言葉の暴力に対して鈍感になっていきがちになる点が心配である。 たとえば「KY内閣」でも、意味がぼかされ遠回しな言い方になり、表現上は柔らかくなり言いやすくなる。だが、批判は批判である。遠回しな言い方だとしても、言いにくいこと、言ってはいけないことを無遠慮に軽く言ってのけると、言葉による暴力になる。遠回しな言い方は、ある場合には思い遣り、気遣いの表現にもなるが、言葉の暴力にもなるので、くれぐれも注意しなければならないのである。 ちょっと長くなってしまったが、本書ではもっと例を挙げたりして、詳しく分析されている。なるほどと納得できるところが多かった。 興味のある方は、是非お読みいただきたい。 <今日のお薦め本> 『KY式日本語 ―― ローマ字略語がなぜ流行るのか』 北原保雄 編著、大修館書店 刊(新書版)、714円(税込)、08.02.10初版第1刷 目次は、次のようになっています。 第1章 KY式日本語を理解するために 第2章 KY式日本語 主要単語集 第3章 実検! KY語 現場編 ―― 込み入ったオトナの話はKY式で乗り切る 第4章 KY式日本語 基本単語帳 <後記>はっきり言って、KY語などは知らなくていいし、わからなくてもいいと思います。業界用語なんていうのが、他の業種の人にはわからないのと同じだと思います。 ただ、うまく使えば活き活きとした表現になったり、強い表現を和らげたりなどの使い方ができる場合があるかもしれません。でも、ある程度一般化していないと、通じないでしょうね。 本書のコラムに「KY語 声に出して読む名句・名言」というのがいくつかあって、面白かったです。 たとえば、 「夏草や TMD(=つわものども)が 夢の跡」 <松尾芭蕉『奥の細道』> 「地球はAKT(=青かった)」 <ユーリ・A・ガガーリン> 「疾(はや)きことKG(=風の如く)、 徐(しずか)なることHG(=林の如く)、 侵掠(しんりゃく)することHG(=火の如く)、 動かざることYG(=山の如し)。」 <「孫子」軍争篇> 言葉というのは面白いものですが、流行を鵜呑みにして安易に使いすぎると安っぽくなるし、おかしなことになりそうです。 * 関連記事 ・ 『みんなで国語辞典!』 ・ 「我慢」 KY式日本語―ローマ字略語がなぜ流行るのか
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| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|---|
『楽しい万年筆画入門』
万年筆が昔から好きである。仕事や公の文書では、今はほとんどボールペンを使うようになってしまったが、これからはまた万年筆をもっと使いたいと思うようになっている。 ...続きを見る |
団塊バカ親父の散歩話 2008/10/05 19:54 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
(T▽T)アハハ!!面白いけどア!(* ̄○ ̄)( ̄о ̄*)ホ!!みたい。ついこの前、さよぴが「さよちんはKYだから嫌!」っていきなり言ったの。私「は?何やそれ!」って聞いたら「空気が読めない人だから」って言われちゃった。(T▽T)アハハ!!ふざけ過ぎい〜〜〜 |
さよちん 2008/02/14 00:19 |
☆ さよちん、さよちゃんはもう「KY」なんて使うんだね。子どもがこういう言葉を取り入れるのは早いねえ。そのうち、こういうのがバンバン会話に出てくるようになるよ。そうなったら、まったく通じないねえ(~_~)。 |
遊哉 2008/02/14 00:56 |
うちにも女子高生がいるけど、それほどKY語は使ってないし、意味も知らないと思います。それとも私の前で使ってないだけで、学校や仲間内では使ってるのかなぁ。 |
くるみ 2008/02/14 08:32 |
最近言葉の使い方が間違っているような気がします。 |
ボタン 2008/02/14 11:12 |
☆ くるみ さん、女子高生がどの程度こういうKY語を使っているのか、その実態はよく知らないのですが、ケータイのメールでよく使っているんじゃないでしょうか。それも、ごく一部の人たちかもしれませんね。 |
遊哉 2008/02/14 19:31 |
☆ ボタンさん、この本にもあるように、無自覚にこういうKY語ばかり使っていると、まともな日本語を使えなくなるおそれがあるでしょうね。 |
遊哉 2008/02/14 19:42 |
とても無理 KY ひとつ位なら おぼえられるけど この軍団には 完全 おいてけぼり |
seizi05 2008/02/14 21:25 |
「超微妙」は「CB」じゃなくて「TB」じゃないの?とか言うと「KY」なヤツと言われちゃうんでしょうね・・。 |
リサ 2008/02/14 22:32 |
長文ですね。 |
アーシア 2008/02/14 22:45 |
☆ seiziさん、こんなKY語は覚えなくてもいいんですよ。使いたい人が覚えて使えばいいんです。でも、ひょっとして、seiziさん、使いたい?(^^ゞ。 |
遊哉 2008/02/14 23:06 |
なかなか素敵な額ですね。陶器でできてるように見えますが、中の舟が描かれた部分も陶器でしょうか。色合いが見妙で素敵です。バレンタインの贈り物だったのかしら?あらら・・・KYなコメントですみません。 |
urara 2008/02/14 23:07 |
ごめんなさい。見妙は微妙の間違いです。↑ |
urara 2008/02/14 23:11 |
☆ リサさん、それは“CBな問題だ〜”(~_~)。 |
遊哉 2008/02/14 23:18 |
色々とあるんですね〜 |
みいママ 2008/02/14 23:24 |
☆ アーシアさん、長く書けば良いってもんでもないですからねえ(^^ゞ。できるだけ短くしようとは思っているんですが、どうも短くまとめるのが苦手だし、いろいろ伝えようと思うと、つい長くなってしまします。皆さんには、申し訳ないと思ってるんですが……(~_~)。 |
遊哉 2008/02/14 23:26 |
☆ uraraさん、この額はこの前八景島に行ったときに手に入れました。陶器でできています。10p×12.5pの小さな写真立てです。 |
遊哉 2008/02/14 23:36 |
☆ みいママさん、この本には、約400例載っています。そんなにいっぱいあるなんて、信じられませんよね。 |
遊哉 2008/02/14 23:47 |
こんなにKY語(?)が増えていて、本まであるなんて驚きですね。勉強になります。今日日本語のクラスで学生に紹介したら、みんな笑っていました。 |
ヒロシ 2008/02/19 04:25 |
☆ ヒロシさん、驚くと同時に、いろいろ面白いでしょ。学生さんたちの笑いは、日本では変なことが流行っているなあ、という笑いなんでしょうかねえ(^^ゞ。 |
遊哉 2008/02/19 21:08 |
これもおもしろいですね。パンとアイスコーヒーの助詞の「と」を使ってしまうのなんか力が抜けますね。来週また学生に紹介してみます。 |
ヒロシ 2008/02/22 22:14 |
☆ ヒロシさん、こんなのも面白いでしょ。「T」が「と」だけのいうのは、力が抜けますね(~_~)。学生さんたちに受けるといいんですが、また笑われちゃうでしょうかねえ。紹介してみてください(^^♪。 |
遊哉 2008/02/22 23:30 |
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