|
タイトルは「大人も子供も虫採りで“知性”を磨こう!」である。 出席者は、なんと養老孟司、池田清彦、奥本大三郎の虫(採り)好きの3人である。 人にとって虫採りはとても意味がある、という内容で面白い。ちょっと、紹介してみようと思う。 はじめに、最近は虫が減っている、虫採りする子どもも減っている、という3人の嘆きから始まる。 町の夜の明かるすぎて、それに集まった虫たちが死んでしまう。車のライトに集まって“交通事故”で死ぬ虫も多いという。 奥本 「昆虫採集で虫を殺すのはけしからん」という人がいるけれども、車は桁違いですよ。 池田 網で採る1年分が、たったの1週間くらいで殺されちゃうんじゃないかな? ということである。 また、虫が減ったのは、農薬の影響や、土壌汚染や道路の舗装の影響も大きいという。そのほか、スギ、ヒノキ、カラマツを代表とする山林の画一化も問題だという。 池田 「虫が減ったのは、外来種が来たからだ」という学者もいます。でも、環境が日本の虫に適していれば、どうってことないわけ。人工的に環境を変えたから、日本の虫が住めなくなって外来種が生き延びている。 ということで、いろんな意味で、虫は環境のバロメーターだし、虫の分布を見れば、本当の環境問題が見えてくる、らしい。 次は、虫採りと脳の関係とか、虫採りの効果について、次のように話が盛り上がる。 池田 虫採りすると、細かいところに気がつくようになるでしょう。感覚が鋭くなる。 養老 今の子の頭の中は、概念ばっかりが詰まっているからね。その頭でっかちを中和させるという意味で、虫採りはいいと思うよ。 奥本 でも13歳くらいまでが限界でしょう。それ以降になると、回路が閉じちゃいます。うちの昆虫館に来る子供は、小さい子ほどいい絵を描く。高学年になると、どっかで見たような常識的な絵を描いて、虫そのものを見ていない。 養老 言語能力がついてくると、だめなんですよね。 池田 虫じゃなくて、「虫」という概念を描いている。 奥本 (前略)概念でとらえると、細かいところは四捨五入しちゃうんですね。 養老 社会全体がそうなっているよね。「こうあるべきだ」って、とにかく概念でまとめちゃう。 忘れないで欲しいのは、脳みそは総合なんだってことなんですよね。感覚を受けて、脳が計算して、その結果が体の動きとして出て、その結果がもう一度感覚として入力されて……というふうに、脳は回っているんですよ。探して、見つけて、動いて、捕まえて、標本を作って、調べて、考えて、また探しにいく。脳もくるくる回る。それが根本的な意味での「学習」なんです。 奥本 学習とは脳を回すことですか。なるほど。 養老 だから、教室で一方的に先生の話を聞くのは、実はなんの学習にもなっていないと僕は思う。自分からの出力がなくて、じっと座っているわけでしょ。 奥本 つまり、わざわざ出力を止めているんですね。 養老 頭でこねくり回せって教えているだけなんだよね。その段階で、脳みそは止まっちゃう。出ようがないから、どんどん溜まっていっちゃう。だから何をするかっていうと、誰でもいいからホームから突き落とそうとか、ああいう歪んだ形で吐き出すことになる。 (中略) 奥本 とにかく、子供は虫を見たら採りたくなるのが当たり前だってことを、まず知ってもらいたい。近ごろのお母さんや学校の先生にありがちな「虫は見ているだけにしなさい」というのはとても変ですよ。 養老 テレビで『アニマルプラネット』でも見ていればいい。 奥本 で、「殺すな」でしょ。「見たら放しましょう」とくる。 養老 近ごろは、虫を殺さないから人を殺しているんだよ(笑)。 奥本 本当にそうだと思う。やっぱり、ピクピクしている虫を持ったときのあの感覚ですよね。生き物の感覚。それがまるっきりない人は、大人になってから加減ができなくなっちゃう。 池田 虫採りは加減次第なところがあるんです。うんとちっちゃい虫なんかを捕まえるとわかると思うんだけど、あまりにもぎゅっとつかんだら潰れちゃうし、やさしくつまもうとしたら逃げちゃう。その加減って、すごく大事なことでしょ。 奥本 殺生って一体なんだろうということですよね。無益の殺生はだめだっていいますが、昆虫採集は、無益の殺生じゃないんです。ブタを殺したり、ウシを殺したりするのは、食べて身体を養うための殺生。昆虫採集は精神を養うための殺生であると僕はいっています。虫を1匹殺したって、自然の繁殖力がカバーします。1匹が卵を何百も産みますから、いくらでも回復しますよ。自然破壊さえしなければね。 また、子どものときに何かに熱中することが何よりも大事だが、虫採りは集中力がつく。虫の魅力はディテールで、それを細かく見ることで観察力と感性が磨かれもする。という話に発展していく。 養老さんが、こんなことも話している。 養老 子供をまともに育てようと思ったら、とにかく自然の中で作業させるのが一番いい。もともと、人間はそうやってきたんだから。素直に考えて欲しいんだけど、外に出たらお日さまは時間や季節とともにどんどん移っていく。風の量も、気温も変わる。でも冷暖房完備の部屋は、何にも変わらないんです。雨が降っているのか、晴れているのかもわからない。そういう子供が「つまんねえ」っていうんです。つまんないに決まってる。まさに子供に対しての「虐待」ですよ。 さて、このくらいで終わりにしておくが、何か考えさせられることがないだろうか。 <後記>先日の秋葉原で起きた無差別殺傷事件ですが、なぜあんな事件が起きるんだろうといろいろ考えています。その一つの答えがこの鼎談の中にあるような気がします。 あの事件のような殺人を「器物破壊化殺人」というんだそうです。ためらいや罪悪感がなくて、動機もなくて、人を器物を破壊するように殺してしまうことだそうです。 あの事件を起こした若者は、子どものころに虫採りに熱中したことがはたしてあったんでしょうか。あったとは思えません。もしあったとしたら、あんなことはしなかったんじゃないか、という気がしてなりません。 あの若者は、自分も他人も“生きている”生き物なんだという実感がなかったか、とても希薄だったんじゃないでしょうか。 それと、学校の勉強ができることできないことが、子どもの唯一というか単一の評価基準になっていることのおかしさみたいなものも感じています。 ちょっと暗い話になっちゃいましたねえ(^^ゞ。 昨夜の飛行機で、長女一家がハワイに行きました。旦那のお姉さんがハワイで結婚式を挙げるので招待されたんだそうです。ところが、長女も旦那もはじめての海外旅行で、なんだか珍道中になりそうです(~_~)。 今朝、長女から無事に着いたとの電話がケータイにありました。時間差もほとんどなくはっきり聞こえました。チビりんは2つの座席を占領してぐっすり寝ていったということでよかったのですが、親の方が疲れた〜と話していました(^^ゞ。 <今日のSORA> 今夜はカミさんが着付けの仕事でいなかったのです。夕食を済ませてから、SORAと遊んでやろうと思いました。 「SORA!」と言ってから、ちょっと逃げてみたら、SORAがこんな格好をしました。 これは、犬が遊びたい時とか遊びを誘う時の格好ですね。このあと、すごい勢いで追いかけてきました(~_~)。 * 『BE-PAL』にはネット版もあります。 BE-PAL (ビーパル) 2008年 07月号 [雑誌]
|
| << 前記事(2008/06/13) | トップへ | 後記事(2008/06/16)>> |
| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|---|
〔これは何? <7>〕の答えと道草話
昨日の“これは何? <7>”には、いろいろコメントいただき、ありがとうございます。 「全然わかんねえ〜」という方や、わかった方、暇にまかせて調べていただいた方などがいて、こちらも楽しませていただきました(~_~)。 ...続きを見る |
団塊バカ親父の散歩話 2008/06/19 23:16 |
『楽しい昆虫料理』
前々回の記事で、SORAがセミを食べ損ねた話を書いた。今日は人間が昆虫を食べることについての話である。 ...続きを見る |
団塊バカ親父の散歩話 2008/08/09 11:14 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
こんにちは! |
aopu URL 2008/06/15 08:50 |
チビりん はやくも 海外旅行!さすが 今時! グッド トラベル! |
seizi05 2008/06/15 09:27 |
小さい時から、元気に外で遊ばないで親のために勉強していたっと思う人が多いような気がします。勉強は自分のためなのにね。親の見栄やエゴで勉強しても身につかないし意味もないのにね。私は、なぜかその事に意外と早くに気づけて、長男の子育ての時に、「お母さんたちのために勉強なんかしなくても良いからね。自分のためにしてね。自分に合わないと思ったらしなくても良いよ。でも、勉強をしないのならその代わりの物を見つけてそれを身につけるよう努力してね。」と言えました。それに小さい時は、外で4時間は一緒に遊んでいました。小さい時の虫遊びは、絶対良いですよね。昔は、家の玄関にもクワガタが来ましたよ〜。 |
キョン 2008/06/15 09:58 |
☆ aopuさん、この3人、なかなか面白くていいこと言ってるでしょ。虫とかカエルとかザリガニとか、子どものころにいろんな生き物を殺しましたよね(^^ゞ。手の中でピクピク動いていたのもが死ぬという、あの感覚を知ることが逆に生命を知ることになったんだと思います。“これ以上はやっちゃダメなんだ”ということも学べるんですよね。 |
遊哉 2008/06/15 10:45 |
☆ seiziさん、今時ですよね。というか、ごく普通のことなのかもしれませんねえ(^^ゞ。良い旅をしてきてほしいです(^^♪ |
遊哉 2008/06/15 10:49 |
☆ キョンさん、勉強は自分のためにするものだよね。親も子どものためと言いながら、見栄やエゴで子どもに勉強させてる人が多いのかもしれませんね。勉強さえして入ればいい、勉強さえできればいい、というのもおかしいよね。学校の勉強だけでなく、子どもは遊ぶことが勉強になってるんだと思うんだけどね。 |
遊哉 2008/06/15 11:07 |
こういった虫好きの人の本は、読むととても面白いです。ウチにも何冊かありますが・・・・ |
のんびり猫 2008/06/15 11:36 |
☆ のんびり猫さん、それほど読んでいませんが、虫好きの人の本は面白いですね。女性では珍しいですが、澤口ともみさんの『虫のつぶやき聞こえたよ』という本が面白かったです。最近『昆虫楽園』という澤口さんの本が出ていて、読んでみたいと思っています(^^♪。 |
遊哉 2008/06/15 13:35 |
お久しぶりです。毎日忙しいわけでもないのだけど、なんだかいっぱいいっぱいで、引き継ぎ仕事っていうのは責任とともに寂しさもあって疲れますね。しばらくは文章を書く気力もなくて。 |
キーブー 2008/06/15 17:42 |
☆ キーブーさん、お元気でしたか。引継ぎって何度もやりましたが、大変ですよね。特に、こちらが辞めるときは、いろんなことをしっかりと伝えておきたいから気持ちの上でも疲れますね。大変でしょうが、気長に頑張ってください。 |
遊哉 2008/06/15 19:05 |
私はせいぜい蟻の水攻めと、蚊取り線香で蚊が墜落するまで追っかけるくらいしかしてませんが(-_-;)名古屋のど真ん中で育ったのであとはだんご虫くらいかな。。結婚後名古屋の端っこに住んだので恐がりの長男の為、触ったこともないザリガニやカマキリに「全然平気よぉ!」と言いながら大騒動しました(T_T)この地へ来てから本当に色々な虫を見ます。それに友人は大の虫フェチなのでその影響でかなりじっくり見るようになりました(#^.^#) |
patyoko 2008/06/15 19:32 |
☆ patyokoさん、蟻に蚊にだんご虫ですか〜。小さいの専門でしたねえ(~_~)。 |
遊哉 2008/06/15 21:40 |
(つづき) |
遊哉 2008/06/15 21:41 |
(またの、つづき) |
遊哉 2008/06/15 21:42 |
害虫かな?てんとう虫じゃなかったかな〜 |
みいママ 2008/06/15 21:44 |
☆ みいママさん、これはてんとう虫じゃありません(^^ゞ。たしか去年、この虫のことを書いたことを思い出して、調べてみました(URL参照ください)。ツマグロオオヨコバイという害虫でした。 |
遊哉 URL 2008/06/15 23:08 |
へ!?チビりんたちはハワイ〜〜〜??? |
さよちん 2008/06/16 22:02 |
昨日、ビーバー君が「リーダー見てみてナメクジ…」と私の手を引いていく。 |
Fチェスカ 2008/06/16 22:48 |
☆ さよちん、チビりんたちは今ハワイで、19日に帰ってくるよ。ハワイへ行ったことあるんだ〜。いいなあ(~_~)。米国は行ったことがないのだ。 |
遊哉 2008/06/16 22:58 |
☆ Fチェスカさん、ナメクジに「やだ〜」でもいいと思いますが、「見てみて」って言われたら、「どれどれ」と答えてちゃんと一緒に見てあげてください(~_~)。 |
遊哉 2008/06/16 23:06 |
| << 前記事(2008/06/13) | トップへ | 後記事(2008/06/16)>> |