団塊バカ親父の散歩話

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zoom RSS 『解錠師(かいじょうし)』

<<   作成日時 : 2012/12/26 23:40   >>

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 ミステリーと青春物語が最高の形でミックスされた『解錠師(かいじょうし)』という本を紹介してみる。

 本書は2011年のアメリカ探偵作家クラブ(MWA)のエドガー賞最優秀長篇賞と、英国推理作家協会(CWA)のイアン・フレミング・スティール・ダガー賞、さらにはバリー賞の最優秀長篇賞も合わせてトリプル受賞に輝くクライム・サスペンスの快作である。 
 日本では、「このミステリーがすごい! 2013年版海外編」で第1位、「2012年週刊文春ミステリーベスト10 海外部門」でも第1位を獲得している。

 プロローグは次のように始まる。


<      固く閉ざされたなかで、その日を待って

 たぶん、きみはぼくを覚えているだろう。思いだしてもらいたい。一九九〇年の夏のことだ。ずいぶん前だけど、各通信社が事件を取りあげたから、国じゅうのどの新聞にもぼくのことが載った。記事を読まなかったとしても、噂は聞いたはずだ。近所の人か、職場の同僚か、もっと若ければ学校のだれかから、ぼくは“奇跡の少年”と呼ばれた。ほかにもいくつかの呼び名を、編集者やニュースキャスターが競いあって考えだした。古い切り抜きで、“驚異の少年”というのを見たことがある。そのころ八歳だったのに、“恐怖の童子”とも呼ばれた。でも、根づいたのは“奇跡の少年”だった。
 ニュースに出たのは二、三日だけど、カメラや記者がよそへ移ったあとも、この手の話はみんなの記憶にこびりついた。だれもがぼくを憐れんだ。当然だろう? 幼い子を持つ親なら、ふだんより少し強くその子を抱きしめた。自分が子供なら、よく眠れない日が一週間はつづいたはずだ。
 つまるところ、人々にできるのはぼくの幸せを願うことだけだった。どこかで新たな人生を見つけているといい。まだ幼いから、それが幸いして、ひどい目に遭っていないといい。苦しみを乗り越え、いっそ何もかも忘れ去っているといい。子供は大人とちがって、順応性が高く柔軟でたくましいんだから。そんなところだ。仮にぼくの現実の姿によく考えをめぐらせて、ニュースで見たあの子供とはもうちがうと理解したとしても、そんなふうに願ったことに変わりはないだろう。
(後略)>


 いったいどんな話が始まるのだろうかと思わされる。
 そのあらすじは、「2012年週刊文春ミステリーベスト10」(『週刊文春』12月13日号)の解説のなかから紹介してみる。


< 口の利けない天才鍵師、
  マイクの悲しい過去とは?
  哀切なる青春ミステリー

 さあ、ぼくの物語をはじめよう。その昔、ぼくは“奇跡の少年”だった。やがて“ミルフォードの声なし”となった。金の卵。若きゴースト。小僧。金庫破り。解錠師(ロック・アーティスト)。どれもぼくのことさ。でも、マイクとよんでくれればいい。――二十代後半のマイクは刑務所での生活も十年目を迎え、過去を回想する。
 マイクは八歳のときに悲惨な出来事を体験する。奇跡の少年と呼ばれたがトラウマのために言葉を発することができなくなる。それでも絵を描くこととどんな錠も開くことができる才能に恵まれた。マイクは解錠師になるまでの少年時代と解錠師になってからの犯罪の日々を交互に語りだす。その二つに横たわるのは恋人のアメリアの存在だ。
 徐々に過去の悲惨な事件と刑務所に入ることになった事件に焦点があい、隠された人生の全貌が明らかになる。>

 解説の後に、「ここが魅力!」としてアンケートが載せられている。答えたのは、日本推理作家協会会員およびミステリー作家、文芸評論家、翻訳家、書店員、各大学ミステリー研究会の方々である。
 いわく……

 「胸が締め付けられる物語だがページをめくる手を止めることができない。読書の喜びを堪能させてくれる傑作といっていい」
 「過去と現在を行きつ戻りつしつつ、ラストで物語の鍵ががちゃりと開く。小説自体が金庫のダイヤル鍵のようなつくりをしていることにニヤリとさせられる」
 「少年の成長物語としても読める。エンタメとしては最高」
 「哀切な青春ラブストーリーでもあり、ラストに希望の灯が見えるのが素敵」
 「地味だったハミルトンが化けた。沈黙の中に生きる主人公と金庫破りのテクニックの合体が独特の緊迫感を生む。更に忘れがたいのが青春時代の甘酸っぱい恋愛の行方だ」


 切なくも愛おしい青春時代を思い起こさせてくれる物語である。
 そこに、犯罪とサスペンスが加味され、語り口と構成は絶妙で、いったいマイク(マイクル)はどうなっていくのだろうか? マイクの人生に起きたという悲惨な事件とは何か? アメリアのマイクに対する思いは本物なのだろうか? などなど、ハラハラドキドキしながら一気に読んでいける物語である。
 愛する人を守るために犯罪に手を染めていく少年(青年)の、哀切だが情熱的でまっすぐな恋情を描いた物語ともいえる。
 ミステリーなんか嫌いだという方にもお薦めできる(^^ゞ。
 今年の最後になって、本年最高のお薦め本を読むことができたのである(^^♪。


<今日のお薦め本>
『解錠師(かいじょうし) The Lock Artist』 スティーヴ・ハミルトン 著、越前敏弥 訳、ハヤカワ文庫、987円、12.12.15. 発行
 本書は、2011年12月にハヤカワ・ポケット・ミステリで刊行されたものが、文庫化されたものです。
 また本書は2010年に、YA(ヤングアダルト)世代に読ませたい一般書に与えられる、全米図書館協会のアレックス賞も受賞しているということです。 
 十代の少年の心情や、誰でもがもつであろう青春時代の疎外感や挫折感を生き生きと描いている傑作といえます。

 作者について、カバー裏から紹介しておきます。

<1961年、ミシガン州デトロイト生まれ。ミシガン大学卒。IBMに勤務するかたわら書いたという1998年のデビュー作『氷の闇を越えて』では、ハードボイルド小説の新たな担い手として高く評価され、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞、アメリカ私立探偵作家クラブ(PWA)賞の最優秀新人賞などを受賞。
 以後、『ウルフ・ムーンの夜』(2000年)、『狩りの風よ吹け』(2001年)と続く探偵アレックス・マクナイトを主人公としたシリーズを書き継いでいる。> 

<後記>この本は、騙されたと思って読んでみてください。
 後悔はしないと思います(^^ゞ。

 今日は、カミさんとインフルエンザの予防接種に行きました。だいぶ流行り始めたようなので、予防接種は受けた方がいいと思います。
 一度帰ってきてから、チビりんが正月に来た時にみんなで遊べるゲームを買いにトイザラスに行きました。
 2つ手に入れましたが、やってみて面白かったら紹介します(^^ゞ。

 その帰りにアウトレットに寄ってみました。
 雲が舞っているようでした。

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 次女が1月のはじめに誕生日なので、何かプレゼントを探したのですが、いいのが見つかりませんでした(^^ゞ。また、どこかで探すつもりです。
 食事をしようかと思ったのですが、家で食べた方が安く済むということで帰ってきました。

 夕方の散歩に出ると、風が冷たかったです。
 今日も月がきれいでした。金星は月の右上に見えました。

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 空に浮かぶわずかの雲が飛ぶように流れていきました。

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 明日は晴れ一時曇りという予報で、寒さは一段と厳しくなるようです。
 明日からは下り坂で、土・日は雨が降りそうです。大掃除は早めに済ませた方がよさそうです。
 うちでは、大掃除なんて毎年やらないのでいいんですけどね(~_~)。

 今日から、ブログが9年目に入ります。まったくねえ、面倒臭がり屋のバカ親父がよく続いているものです(^^ゞ。


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『氷の闇を越えて』
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
またまた面白そうなのを見つけられましたね。
買って積んでおくかな?

昨日の夕方は金星が月の右上に輝いてましたね。

今朝は一段と寒いです。この冬一番とか・・・外は零下のようですが、サブは遊びに出てます。
犬のような猫です。
子猫の時も雪の中を走り回ってましたからね。寒さに強いのでしょう。

いよいよ、正月が近づいてドタバタしてきましたね。
ねこのひげも大掃除らしい大掃除はしません。
掃除機をかけて終わりです。
年賀状も正月に書きます。年々、不精になります。
ねこのひげ
2012/12/27 07:49
☆ ねこのひげ さん、この本、だいぶ話題になっています。内容も構成も、今まであまりなかったような物語です。面白いです。
 一昨日は、金星が月の左下にあったんですが、昨日は月の右上にありました。月が毎日少しずつ遅く上がってくるようです。
 今朝は寒いですね。珍しく庭に大きな霜柱が立ってました。サブちゃんは冬の子のようですね(~_~)。元気がなによりです。
 正月が迫ってきましたが、日々の生活は別に変わりません(^^ゞ。
 バカ親父も、年賀状は年が改まった正月に書きます。年内に書いても、年末までにあの世に行っちゃうかもしれませんからねえ(~_~)。
遊哉
2012/12/27 10:41

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