団塊バカ親父の散歩話

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zoom RSS 『カラス屋の双眼鏡』

<<   作成日時 : 2017/06/06 22:47   >>

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               〔だいぶ色づいてきた公園のアジサイ〕


 以前にカラスの行動や生態をわかりやすく解説した『カラスの教科書』という本を紹介したが、同じ著者・松原 始さんの『カラス屋の双眼鏡』という本を紹介してみる。

 カバー裏の解説がこの本をうまく説明している。次のようなものである。

<『カラスの教科書』で一躍人気者になった松原先生は、動物行動学者。研究対象のカラスをはじめ、鳥、ムシ、けもの、微生物。頭上も足元もあらゆる生き物で賑わうこの世界は、先生にとって楽しみに溢れた宝庫です。ときにカラスと会話しながら研究に勤しむかたわら、カラスのヒナを世話し、炎天下の河原でチドリの巣を探し、ときに大蛇を捕まえ、猫王様の機嫌を伺い、夕食を釣りに行く――すべての生き物への親しみをこめてユーモアいっぱいに語る、自然科学の身近なおはなし。>

 目次から内容を見てみる(本文から小見出しも拾っている)。

序章〜はじめまして、カラス屋です
第一章 やっぱりカラスが好き
 上を向いて歩こう:ニンゲン立ち入り禁止/丸の内にもカラス
 子ガラスが来た:悪意なき誘拐/体も声もデカいんです/バナナ大好き/救護センター
 近所のカラス:縄張り紛争地帯/ゴミとカラスの事情/カラスのガキども
 実践カラス語会話
 カラスが獲物を襲うとき
 抜け毛と濡れ羽色
第二章 鳥屋のお仕事
 五感を駆使せよ、使えるなら第六感も
 藪の中で一仕事
 絶対入りたくない場所も仕事場
 足下にも注意!:チドリことはじめ/その巣はどこだ/チドリの敵は誰か
 見えなきゃ仕事にならない:見えているのに、見えない/指さしているのに、見えない
 生死の分かれ目:一瞬のできごと/声を出すのも命がけ/あのシルエットを見ただけで……
 仕事のお供:松原・ザ・ウェストパック/マイ・ベスト・行動食
 鳥を見分ける:目のつけどころ/珍客との出会い
第三章 カラス屋の日常
 ピーちゃんの観察日記:ジュウシマツという鳥/繁殖スイッチ
 日だまりの膝枕
 落ち葉の下の世界
 緑の迷宮を脱出せよ
 鵺の鳴く夜は
 非科学的な経験
第四章 じつはこんなものも好き
 鳥屋とヘビは鳥の巣を目指す
 ときにはおっかなびっくりで相手をする
 ハエトリグモと戯れる:白ひげの紳士/午後のにらめっこ
第五章 カラス屋の週末
 老人とサギ
 猫王様との邂逅
 糸の先の食物連鎖:なぜこいつが/何が魚をそうさせるか
終章〜今日もカラスがそこにいる

 鳥や特にカラスの行動や生態を研究している動物行動学者というのは、いったいどんなふうに研究を進めているのか? そんなことを今までの経験も含めてわかりやすく解説している。
 それはカラスだけにはとどまらず、生き物ならどんなものにも興味をもつという研究者のあり方も楽しく面白く描いているのである。


 2か所だけだが引用・紹介してみる。


 隠蔽色(保護色)の解説から、鳥ではタシギ(シギの一種)が見事な隠蔽色を発揮する、という話になる。

<ある日、私は高野(たかの)川だったか賀茂(かも)川だったかでカラスを観察していた。たしか御蔭通(みかげどおり)の橋のあたりだったと思う。護岸の下の水際はヨシが生えていて、春先のことなので枯れて茎と葉が折り重なっていた。その前の浅い水中を、一羽のハシボソガラスがエサを探しながら歩いていた。私は対岸に座り、望遠鏡でこのカラスをじっと見ていた。
 ハシボソガラスが水面を見ながら、一歩、一歩と足を進めている。どうやらめぼしいエサはないらしい。そうやって枯れ草の前を通り過ぎるカラスを追って望遠鏡を動かそうとしたとき、私の頭のどこかが、妙な違和感を覚えた。
 何かが見えたような気がしたのに、何かわからない。視野のなかで注意をあちこちに向けてみたが、やはり、何もいない。おかしい。何かが動いたのだろうか? だが、動いたなら瞬間的に目がそっちを向いていたはずだ。そういう見え方ではなくて、もうちょっと静的な認識。「何かがそこにいるのに気づいた」のだ。
 そう思っていたら、またフッと何かが見えた。何かが私の認識のなかで形になったのである。何だこれは。まるで『プレデター』に登場する透明宇宙人だ。
 さっきのでわかったが、問題は視野の真ん中へんである。そのあたりをじっと見る。何かの本で読んだ方法を踏襲(とうしゅう)して、視野を4分割し、4つの象限(しょうげん)を時計まわりに確認していく。一巡したら最初からやり直し、何もないのでまた同じことをやる。カラスの観察中なのだが、この違和感の正体を確かめないと気になって仕方ない。第1象限、何もなし。第2象限、何もなし。第3象限、何も……待った、これは葉っぱじゃない。ヨシの枯れ葉に見えるが、これは鳥の羽だ!
 だが、まだ見えない。さっき見えたのが取りの羽だとはわかったが、どの部分なのかわからない。鳥であることはわかるのに、全体の形状が把握できていないのだ。これは違う、これは本物の葉っぱ、これは茎、あ、動いた。あれは鳥の一部だ。
 こうしてじっと見ていたら、突然、その姿が見えた。あれは頭だ。これがくちばしだ。ここが背中だ。今、動いたのは脚だ。胴体はこうなって……あれが尻尾だ。分解されていたパーツが次々に把握され、瞬間的に組み合わさって、視野の中に全体像ができあがる。だまし絵に隠された像に気づいて「ああ!」と思うあの瞬間。
 私が見ていたのは、枯れたヨシの中に潜んだタシギだったのである。
 タシギの英名は「スナイプ」だ。臆病でかくれんぼの上手なタシギを発見し、的確に狙撃(そげき)して仕留められる猟師が「スナイパー」の語源である。そうそう見つかるような相手ではなかったのだ。>

 何でもないような話だが、研究者というのは、尽きることのない好奇心と、それを突き詰めていく忍耐心が必要だということがよくわかる。
 面白かったのは、スナイパーの語源である。
 スナイパー(狙撃兵、狙撃手)の出てくるミステリーやサスペンスが好きなのだが、その語源がタシギの英名「スナイプ(snipe)」だとは知らなかった。
 見事な隠蔽色を発揮するタシギを撃ち取ることが、いかに難しいかがわかる言葉だと思う。


 鳥やカラスの研究者は、日々どんな生活をしているのだろうか? 特にどんな道具を使っているのだろうか?
 松原さんはいつもウェストパックをつけていることで、仲間内ではよく知られている、という話から……

<カラスのことを考えながら日々暮らしていて何が困るかというと、オンとオフの区別がないことだ。いや、正直に言えばまったく困っていないのだが、いつなんどきであれ、観察が始まってしまう場合がある。そのため、「今日は調査じゃないから手ぶらでいい」という日が、基本的に存在しない。それがどういうことかというと……。
 今、私が身につけているものを列挙しよう。シャツのポケットにフィールドノートとボールペン。ウェストパックに財布、油性マジック(赤と黒)、ルーペ、メジャー、LEDライト、予備の乾電池、ビニールテープ、ホイッスル、コンパス、コンパクトミラー、タッチアップストーン(小型の砥石〔といし〕)、バンドエイド、シールパック。ウェストパックに取りつけたポーチにフラッシュメモリー、6倍の単眼鏡。
 コンパクトミラーは身だしなみのためでなく、高いところを覗くためだ。背伸びしても見えないが手は届く、という高さに鳥の巣がある場合、ミラーをかざせば中の様子がわかる。そんな微妙な高さの巣なんてあるのかと言われそうだが、モズやヒヨドリの巣はそういうところによくある。研究室で本棚の隙間に貼ってある備品シールを確認するにも非常に役立った。極限状況の想定になるが、山で遭難したときに信号を送るのにも使える。
 デイパックの中には4ミリの細引きロープ、大判のシールパック、ヘッドライト、デジタルカメラが入っている。以前は双眼鏡も必ず入れていたが、東京で平日から双眼鏡を持ち歩いていると妙な疑いをもたれそうなので、ちょっと遠慮している。
 そして、つねにいつも同じウェストパックとデイパックを身につける。シャツを脱ぐときにポケットから出したノートさえ置き忘れなければ、どんな場合でも、家を出るときには装備は全部そろっているはずだ。唯一の例外は、博物館でレセプションがあってスーツを着ている日くらいである。
 砥石はさすがにふだんは使わないが、山での調査の際にはツールナイフを持っているので、応急の砥ぎ直しが必要なこともある。
 これだけのものを身につけて、博物館に出勤しているのである。書いてみると我ながらあきれるが、この習慣が身についたのは、屋久島でサルを追いまわしていたころだった。
(中略)
 まあ、本当に毎日これだけの装備がいるのかと言われれば疑問ではあるのだが、出勤中に鳥の羽を拾ったとか、カラスが果実を食べていたとかいう場合には何かと役に立つ。写真をとって、メジャーで計って、ルーペで観察して、シールパックに入れてマジックで日付と場所を書きこんで、ノートに何があったかを書いておけば、これで立派な採集記録である。おかげでいるんな場所で拾った鳥の羽のコレクションもだいぶ増えた。>

 いつどんな時でも、鳥やカラスの観察ができる装備というのがスゴイ(^^ゞ。
 松原さんは屋久島でサルを追っている時に、必要な装備をテントに置き忘れるのが、いちばん怖かったという。簡単に取りに戻れないからである。何度か痛い目にあってから、すべての装備をデイパックとウェストパックとベストに集約して身につける習慣ができたということである。


 動物行動学者という研究者の楽しさ、面白さ、そして苦労がよくわかる本である。


<今日のお薦め本>
『カラス屋の双眼鏡』 松原 始 著、ハルキ文庫、713円、17.03.18. 第一刷発行
 改めて、著者についてカバー裏から紹介しておきます。
<1969年、奈良県生まれ。京都大学理学部卒業。同大学院理学研究科博士課程修了。京都大学理学博士。専門は動物行動学。東京大学総合研究博物館勤務。研究テーマはカラスの生態、行動と進化。著書に『カラスの教科書』(講談社文庫)、『カラスの補習授業』(雷鳥社)、『カラスと京都』(旅するミシン社)がある。>

カラス屋の双眼鏡 (ハルキ文庫)
角川春樹事務所
松原 始

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<後記>研究者というのは、ある意味“変な人”なのかもしれません(^^)/。
 わかりやすくテンポのいい文章で、そんな研究者生活や研究方法、研究の苦労などを楽しく読ませてくれます(^^ゞ。
 『カラスの教科書』もそんなところが評判になったんだと思います。カラスといえば嫌われものですが、実はかわいくて面白い鳥だということがよくわかるものでした(^^ゞ。
 興味のある方は、この本も含めて松原さんの本を是非読んでみてください。

 今日(6日)は一時陽射しも出ましたが、曇りがちの一日でした。
 夕方の散歩は、どうせ落日の夕日は見られないだろうと、早めの5時20分ころに出ました。

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 空は黒っぽい雲に覆われていて、夕日はまったく見えませんでした。
 公園を回っていきます。

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 原っぱに出てウロウロしていきました。

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 東の空の遠くに、夏のようなモクモクとした白い雲が見えました。

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 北西の空です。

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 南西の空です。

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 西寄りの涼しい風が吹いていて、雲は東にどんどん流れていました。

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 SORAはベンチに上ってマッタリしました。

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 雲の中に、渦のようなものがいくつも見られました。

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 SORAが下に下りたので、ボール遊びに誘うと乗ってきました。
 でもすぐに飽きたので、今度は落ちていた木の枝を投げると一目散に取りに行ったので、だいぶそれで遊びました(^^ゞ。

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 柴ワンコたちが来ていました。
 帰ることにしました。

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 明日(7日)は雲が多くすっきりしない一日のようです。夜遅くなってにわか雨が降るかもしれません。
 半袖ではちょっと肌寒そうです。

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