団塊バカ親父の散歩話

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zoom RSS 『森と氷河と鯨』

<<   作成日時 : 2017/08/19 22:08   >>

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                〔朝の散歩でクンクンするSORA(^^ゞ〕


 亡くなってから21年経つが、星野道夫さんの写真エッセー集『森と氷河と鯨 ― ワタリガラスの伝説を求めて』を紹介してみる。
 2006年8月に世界文化社から刊行された単行本(世界文化社)に一部修正を加え、文庫化されたものである。

 星野さんは、1995年8月号から雑誌『家庭画報』に「森と氷河と鯨」と題して写真エッセーの連載を始めた。
 これは12回の予定が17回に延長されたが、結局、カムチャッカ半島クリル湖畔でのヒグマ事故による彼の急逝(享年43歳)により14回で終了した。

 本書は、アラスカやカナダに住むモンゴロイド(エスキモーやインディアン)の、かつての生活や神話を取材していった記録である。
 特に、アラスカやカナダのエスキモーなどの神話に多く登場し、かつシベリアのモンゴロイドの神話でも大きな役割を果たすワタリガラスの伝説が、この本では象徴的に用いられている。
 それは、第1回の取材中にボブ・サムという不思議なクリンギット・インディアンに出会ったことがきっかけだった。その出会いが、この本全体の色調を決めることとなった。
 星野さんは、さまざまな話題を追いながら南東アラスカから北上し、ついには最期の地となるアジア(シベリア)に渡ることになったのである。

 目次は次のようになっている。


How Spirit Came To All Things

ワタリガラスの家系(クラン)の男
消えゆくトーテムポールの森で
ラスト・アイスエイジ・リバー
鯨の神話は宇宙を漂う
最初の人々
魂の帰還(リペイトリエイション)
森に降る枝
氷河期の忘れ物
リツヤ湾(ベイ)の悲劇
熊の道(ベアトレイル)をたどって
ジュノー大氷原の夜
エスター・シェイの言葉
レイヴン、北へ
海の底の住居跡
シベリアの日誌 1997年6月30日〜7月27日

星野道夫の意図 池澤夏樹
星野道夫◎略年譜


 紹介したいところはたくさんあるのだが、二か所だけ引用してみる。


 「森に降る枝」より

<霧(きり)のような雨に包まれた、南東アラスカの森を歩く。
 苔むした森のじゅうたんには、朽ち果てた大木があちこちに散らばり、その上から時折新生の大木が天空に向かって伸びている。遠い昔、倒木の上に落ちた幸運な種子のひとつが、その栄養を吸いながら、一本の樹木に生長したのだ。長い一生を終え、養木と化した幹に目を近づければ、数センチほどの若木の芽が万にひとつのチャンスに懸けるかのようにびっしりとはびこっている。森の主人公とは、天空に向かって伸びる生者たちでなく、養木となって次の世代を支える死者たちのような気さえしてくる。生と死の境がぼんやりとして、森全体がひとつの意志をもって旅をしているのだ。
 深い森の中にいると川の流れをじっと見つめているような、不思議な心の安定感が得られるのはなぜだろう。ひと粒の雨が、川の流れとなりやがて大海に注(そそ)いでゆくように、私たちもまた、無窮の時の流れの中では、ひと粒の雨のような一生を生きているに過ぎない。川の流れに綿々とつながってゆくその永遠性を人間に取り戻させ、私たちの小さな自我を何かにゆだねさせてくれるのだ。それは物語という言葉に置きかえてもよい。そして一見静止した森、また私たちの知らない時間のスケールの中で、永遠性という物語を語りかけてくるのかもしれない。
 たった一人で森を歩いていると、ふと森に見つめられていると感じることがある。一陣の風が吹いてきて、草や葉がざわめき、ツガやトウヒの大木がキイキイとかすかに揺らぐ、沈黙がより何かを語りかけてくるように。そんな時、静けさの中に植物たちの声を聞くことはないだろうか。
(後略)>


 「熊の道をたどって」より

<(前略)
 頭上には、北の国の星座、北斗七星がよこたわっている。その杓(しゃく)を五倍に伸ばした場所に北極星。それは子どもの頃、反芻するように覚えた星の世界だった。が、あと一万数千年もたてば、その北極星の場所さえ他の星にとってかわられるという。すべての生命が動き続け、無窮の旅を続けている。一見静止した森も、そして星さえも、同じ場所にはとどまってはいない。
 ぼくは人間が究極的に知りたいこと≠考えた。一万光年の星のきらめきが問いかけてくる宇宙の深さ、人間が遠い昔から祈り続けてきた彼岸(ひがん)という世界、どんな未来へ向かい、何の目的を背負わされているのかという人間の存在の意味……そのひとつひとつがどこかでつながっているような気がした。
 けれども、人間がもし本当に知りたいことを知ってしまったら、私たちは生きてゆく力を得るのだろうか。それとも失ってゆくのだろうか。そのことを知ろうとする想いが人間を支えながら、それが知り得ないことで私たちは生かされているのではないだろうか。
(後略)>


 祖先から受け継いだものや考え方を大切にし、自然のなかで昔と変わらないような生活を送ろうとするモンゴロイドたちの姿には美しいものがある。
 それを理解しようとし本の中に残そうとする星野さんの文章は、静かで深い余韻があり、哲学的な考察もあり、今の時代にもう一度思い出さなければいけないものがある、と考えさせられた。

 この本のワタリガラスのいろいろな伝説を読んでいて、古事記に出てくる“八咫烏(やたがらす)”のことを思いだした。
 八咫烏というのは、神武天皇が東征のとき、熊野から大和に入る険しい道で、その先導をしたという大烏(大きなカラス)のことである。
 日本には北海道にしかワタリガラスは来ないというから、八咫烏はワタリガラスではないのだが、モンゴロイドにおいては“大きなカラス”というのが共通の象徴的な鳥なのかもしれない。
 古代に日本から漂流者が黒潮に乗ってアラスカにたどり着いたという伝説(?)もあるようだから、ひょっとしたら八咫烏がワタリガラスに移り変わったのかもしれない。
 などという妄想もしてしまった本なのである(^^ゞ。


<今日のお薦め本>
『森と氷河と鯨 ― ワタリガラスの伝説を求めて』 星野道夫、文春文庫、1026円、17.07.10. 第1刷

森と氷河と鯨 ワタリガラスの伝説を求めて (文春文庫)
文藝春秋
2017-07-06
星野 道夫

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<後記>星野さんの、動物はもとより氷河や森などの風景の写真が、何度見てもすばらしいです。
 文章も静かで余韻があるだけでなく、とても力強いものを感じさせます。
 
 巻末の「星野道夫の意図」で、池澤夏樹さんが最後に次のようなことを書いています。

<「森と氷河と鯨」には実はもう一つ隠れたテーマがあって、それは時間ということだった。彼が『家庭画報』の担当編集者に送ったメモの中に「最終的なテーマは、森と鯨と氷河をつなくものです。つまり森も氷河も鯨も同じものなのではないかということです。つまり時間というものがテーマのような気がします」という言葉がある。そういう真理を星野道夫はアラスカという土地で、風景と動物に教えられ、そこに住む人々の言葉に助けられ、神話的な直観力に導かれて、会得した。写真と言葉でそれを表現しようと努力しつづけた。その最後の成果がこの一冊である。>

 上に紹介した星野さんの文章の中に、「無窮の時の流れ」とか「永遠性という物語」、「無窮の旅」という言葉が出てきます。
 彼は、自然のなかで生きる動物や植物、その生と死、そして住んでいる人々の暮らしから、そんな流れ続ける時間を感じられる人だったんでしょうね。
 残暑を凌ぐのに最適のお薦め本です(^^ゞ。

 今朝(19日)の散歩は7時45分ころに出かけました。朝日は雲に隠れてはっきりとは見えません。

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 原っぱに出てから、公園を回っていきました。

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 原っぱに戻って、ウロウロしていきました。

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 雲を通して満月のような朝日が見えました(^^ゞ。

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 桜並木の階段を下りて帰ることにしました。

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 日中は曇りかと思っていたのですが、意外と晴れ間が広がり蒸し暑くなりました。
 昼前に買い物に行くために車を出そうとしたら、バッテリーが上がってかかりませんでした。
 3月の定期点検の時に、替えた方がいいですよとは言われていたのですが、なんとか次の点検(9月)まではもつだろうと思ったのが浅はかでした(^^;。
 JAFを呼んでエンジンをかけてもらいました。1時間ほど充電してくださいということで、エンジンをかけっぱなしにしましたが、充電能力が相当落ちているので、次回かけた時もしばらくそのまま充電してください、と言われました。
 来週、車の整備屋に電話をして、とりあえずバッテリーを替えてもらうか、早めに点検をしてもらおうと思っています(^^)/。

 夕方の散歩は5時40分ころに出ました。

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 東の空にはドでかい積乱雲が出ていました。関東の北や房総で雷雨や突風が起きていたようですが、この雲は房総の上空だと思います。

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 夕日は見えませんでした。
 公園を回っていきます。

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 上空には白い雲、その手前の低空に黒い雲が漂っていました。

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 原っぱに出てウロウロしていきました。

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 さっきの積乱雲が東の空に見えますが、手前の黒雲がだいぶ張り出してきていました。

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 ワンコの飼い主さんたちと、雷が起きそうだねと話しました。

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 SORAはそんなことには関係なくスリスリ(^^ゞ。

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 南の空には青空が広がっています(^^)/。

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 SORAはちょっと歩いて、またスリスリしました。

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 積乱雲が黒雲に隠されていきました。このころから、遠くから雷鳴が聞こえるようになりました。

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 SORAはベンチに行かずに、草の上でマッタリしていました。

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 積乱雲は、黒雲に隠れてしまいました。
 帰ることにしました。

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 草つきの斜面から見た東の空です。房総半島の方では雨が降っているようです。

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 家に帰って、7時過ぎころから雷鳴が頻繁に聞こえるようになり、7時半ころから激しい雷雨になりました。
 あちこちの窓を締めに回りました(^^ゞ。
 その後もときどき雷が鳴り、雨が降っています。
 カミさんは8時半ころに無事に帰ってきました(^^)/。

 明日(20日)は終日雲が優勢の空で、ときどき雨が降りそうです。ムシムシ、ジメジメとした一日になりそうです。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ニュースを観ると東京は酷かったようですね。自宅あたりも一応雨は降りましたがたいしたことはなかったです。
気温のわりには蒸し暑いのがかないませんがね。

星野道夫さんの写真は素晴らしいですね。
何冊か持っております。

『クレイジージャーニー』という深夜番組はご存知ですか?
先日、ゴールデンタイムで特集をやっておりましたが、人間の探求心はすさまじいものがありますね。
同じマネは到底できませんので写真集などで楽しませてもらっております。
ねこのひげ
2017/08/20 10:27
☆ ねこのひげ さん、東京もだいぶ降ったし、突風が起きたり雹も降ったようですね。
 そちらは大したことはなかったですか。うちの方は夜中まで断続的に激しい雨が降りました。
 今日は今のところわりと涼しいですが、ムシムシしてます。
 星野さんの写真はいいですね。映像としても面白いですが、精神的な奥深さも感じます。
 「クレイジージャーニー」は毎週見てます(^^ゞ。どうも、ねこのひげ さんと趣味が似ているようですね(^^)/。
 まさにクレイジーで真似はできませんが、若かったらやってみたいです(^^♪。
遊哉
2017/08/20 10:42

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