団塊バカ親父の散歩話

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zoom RSS 『サキ短編集』

<<   作成日時 : 2018/01/09 21:18   >>

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                〔今日の夕空と夕景〕


 作年末に本屋に行った時に、『サキ短編集』という文庫本が目に入った。
 帯に「ピース又吉が愛してやまない20冊」とあり、次のような惹句が書かれていた。

 ユーモアと風刺。
 これは、たいへん
 癖になる毒です。

 又吉さんが愛する20冊のうちの1冊だということらしい。

 この本はもう50年くらい前、バカ親父が若かりしころに読んで面白かった記憶があるので、とても懐かしい。
 とはいえ、ほとんど忘れているので、もう一度読んでみようと思って読んでみたのである。

 次のような21の短篇が収録されている。

 二十日鼠 The Mouse
 平和的玩具 The Toys of peace
 肥った牡牛 The Stalled Ox
 狼少年 Gabriel-Ernest
 話上手 The Story-Teller
 七番目の若鶏 The Seventh Pullet
 運命 The Hounds of Fate
 開いた窓 The Open Window
 宵闇 Dusk
 ビザンチン風オムレツ The Byzantine Omelette
 休養 The Lull
 マルメロの木 The Quince Tree
 親米家 On Approval
 十三人目 The Baker's Dozen
 家庭 Tea
 セルノグラツの狼 The Wolves of Cernogratz
 おせっかい The Interlopers
 ある殺人犯の告白 The Lost Sanjak
 ラプロシュカの霊魂 The Soul of Laploshka
 七つのクリーム壺 The Seven Cream Jugs
 盲点 The Blind Spot

 それぞれとても短い物語である。

 ところで、サキという作家は名前は聞いたことがあるかもしれないが、知らない方が多い(?)かもしれない。
 簡単に紹介しておく。

 サキ(Saki 1870ー1916)
 英国作家。本名はヘクター・ヒュー・マンローで、「サキ」という筆名はオマル・カイヤム(イランの天文学者、数学者、哲学者、詩人)の作とされる四行詩『ルバイヤート』からとったものだという。
 1870年に、警察の長官だった父親の赴任地ビルマで生まれた。2歳のときに母親と死別し、故国英国の厳格な伯母の手で育てられた。
 「モーニング・ポスト」の海外特派員を務め、1904年に短編集『レジナルド』を刊行。他に『獣と超獣』等の短編集がある。それらは、豊かな海外旅行の経験をもとに、ユーモアとウィットの糖衣の下に、人の心を凍らせるような諷刺を隠した作品である。
 第一次世界大戦に一兵卒として志願し、戦死を遂げた。

 そんなサキの短編集だが、端的にいえば“一癖も二癖もある皮肉(諷刺)に満ちたユーモアのある、とても意地悪な物語”ばかりである(^^ゞ。
 意地悪というのは、登場人物たちに対するというか物語自体が意地悪ということもあるが、読者にとっても、最後の一行か二行でアッと驚く結末を迎えるので、「してやられたー!」と思わされるという意地悪さもある(^^)/。

 巻末の「解説」を訳者の中村能三さんが書いているが、少し引用・紹介してみる。


<「泊り客の枕(まくら)もとに、O・ヘンリ、あるいはサキ、あるいはその両方をおいていなければ、女主人として完璧(かんぺき)とはいえない」とE・V・ルーカスが批評してからというもの、この作家の作品をそなえておかないことには、気のきいた家庭とは言えないほどになったという。
 イギリスやアメリカで、これほど親しまれているこの作家が、わが国では、まだほとんど紹介されていないというのは不思議である。O・ヘンリのほうは、非常に多くの人たちから愛読されているというのに。
(中略)
 サキの伝記を書いた妹は、彼の性格として、気紛(まぐ)れ、ユーモアのセンス、動物に対する愛情、スコットランド高地人であるという誇り、金銭に対する無関心をあげている。これらは、彼の現実の生活ばかりでなく、作品の中にもあらわれていて、気紛れは噓(うそ)つきに、ユーモアは諷刺に、動物に対する愛情は、しばしば残酷なまでの動物物語に変形されている。
 T・C・スクェアが言うように、サキは「真面目(まじめ)な顔をして噓をつく男」であり、彼がつく噓は、表面ユーモアでやわらげられてはいるいるものの、裏面には人の心を凍らせるような、冷たい諷刺をつねにかくしている。とかく諷刺とは読者にあるモラルをおしつけがちなものだが、サキの場合の諷刺には、そんなモラルさえない。(中略)彼の諷刺は、突きはなした、救いのない、一見、冷厳無残なものとしか思われない。
(中略)サキはほとんどニヒルといっていいほどの悲しみを、うちに湛(たた)えていながら、それをユーモアやウィットの糖衣でつつみ、読者の前に提供する。しかし、口にした瞬間はあまくても、読者は、すぐにこの糖衣の下の苦い味をあじわわざるを得ない。サキは残酷非情だと、よく言われる。たしかにその通りであるし、これは諷刺作家としては、いたしかたないことである。しかも、その残酷非情さまでが、読者には、なにかほのぼのとした人間味と、人間の運命や生活の厳しさを感じさせる。要するに、サキの作品は、非情、ユーモア、ペーソス、諷刺などを軽く調理した冷料理である。とは言っても、けっしてアメリカ流の罐詰(かんづめ)料理ではない。食べてみると、料理人の腕前がいたるところに利いていて、いろいろな味がする。飲みこんで思いかえしてみると、冷料理でありながら、温かみもあり、複雑な味覚も残っている。時には、飲みこむのに抵抗を感ずるほど、消化のわるそうな塊(かたまり)もあるが、できたての生クリームのように、ほのかな香りをただよわせながら、食堂を通って行く快感にうっとりすることもある。(後略)
                (一九五八年一月)>


 思ったより長くなってしまった(^^ゞ。
 読み進めるうちに、「ああこの話読んだ、読んだ」と懐かしく思い出した……ものもあった(^^;。
 短いながら中身の濃い、笑えるのに哀しく切ない“意地悪な”物語を収めた短編集である(^^)/。


<今日のお薦め本>
『サキ短篇集』 サキ 著、中村能三(なかむら よしみ) 訳、新潮文庫、497円、15.07.10. 六十四刷(1958.03.15. 発行、08.09.20. 五十六刷改版)

サキ短編集 (新潮文庫)
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<後記>これぞ短篇という物語を集めた短篇集だと思います。
 ラストの一行か二行でのどんでん返しというかオチに唸らされます。
 とても意地悪な話がほとんどなのですが、その裏に人間の哀しさや切なさが秘められていて、味わいがあっていいのです。
 ビックリして笑って、そのうちにしみじみとした気持ちにさせてくれる短編集です。
 バカ親父が一番好きなのは「開いた窓」でした。
 是非、この短篇集をお読みください(^^ゞ。

 今日(9日)は未明まで雨で、昼前から陽が射してきていい天気になりました。南寄りの風がとても強くて、気温が上がりました。
 昼前後にカミさんと買い物に出た以外は、うちでのんびりと過ごしました。

 夕方の散歩に出たのは4時半ちょっと前でした。

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 快晴で、夕日がまだ見えました。
 公園を回っていきました。

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 原っぱに出てウロウロしていった。

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 東の空の向こうに、雪を被った山の連なりのような白雲があった。

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 気温はそれほど低くないのだが、南西の風が強すぎる。
 ということで、帰ることにした。

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 ウッディの写真を1枚載せておきます。

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 次女の膝の上のウッディに、婿さんがグルーミングをしていたら、この顔になったそうです。
 よっぽど気持ちよかったんでしょうね(^^ゞ。

 明日(10日)はよく晴れて、冬らしい寒さが戻るようです。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
『サキ短編集』とはなつかしい!
最近、昔の小説がかなり復刻されて出版されておりますね。
読み返してみると懐かしさと共に新しい発見もありますね。

『冷酷の丘』読み終わりました。
新しい作品が出るたびに筆力が上がっているようで、グイグイと引き込まれて行きます。
まさか!?のオチでありました。
オッソロしい人であります。
次回作ではネイトが中心になるようで楽しみです。
ねこのひげ
2018/01/10 01:49
☆ ねこのひげ さん、読んだことがありますか。懐かしいですよね(^^ゞ。
 訳者もすでに亡くなっているし、訳文もちょっと古くさいところがありますが、久しぶりに読んで格調高い感じがしました。読み返すと、若いころには気がつかなかったことがわかることがありますね。
 『冷酷の丘』読み終わりましたか。ますます面白くなってますね。
 このシリーズ以外の作品も、とても味わい深いものがあります。なかなかの書き手だと思います。
 ネイトが中心になる話、楽しみですね(^^♪。
遊哉
2018/01/10 08:59

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