ベアドッグ(クマ対策犬)
毎日曜日の夜は、テレビ三昧である。7時からは「さんまのスーパーからくりTV」、8時からは「どうぶつ奇想天外!」、9時からはドラマなのだが、「恋の時間」は俳優としての宮迫博之は好きだが、ドラマとしてはイマイチ。でも、昨日は観てしまったが……。
10時からは「情熱大陸」か「素敵な宇宙船地球号」で、10時30分からは「世界遺産」となる。「世界遺産」のナレーターが、3回前くらいからオダギリジョーになった。俳優としての彼はなかなか面白いが、ナレーションは以前の緒方直人や寺尾聡と比べると、今ひとつ訴えてくるものに、見劣りじゃなく聴き劣りがする。でも、これからどうなるかが楽しみ。
さて、昨日の「素敵な宇宙船地球号」は「クマ追い犬 軽井沢最終兵器の2頭マル秘騒音作戦」とある。犬が出てくるとなれば、見逃すわけには行かない。観たのである。
軽井沢は有名な避暑地で浅間山麓にあり、まだ豊かな自然が残る地域で、年間800万人もの人が訪れるという。ところが、開発が進み草原環境が失われて、そこの動植物が激減したり、人工林の荒廃や広葉樹林の減少により、森の野生動植物にとっても生息環境の減少や悪化が起こっているという。
ツキノワグマも、人間の認識や配慮が足りないこともあり、人家周辺にたびたび現れるようになって、ゴミや人の食べ物に執着するようになってしまったという。
NPO法人ピッキオ(picchio)というところが、浅間山麓全体の地域生態系保全と生物多様性維持のために活動しているのだが、その一環としてベアドッグを導入し、人家周辺に現れたクマを森に追い払うという活動を始めたのである。
このベアドッグを使ってクマを追い払うという考え方は、米国のクマ対策専門家であるキャリー・ハントという人がカレリア犬の性質に注目して始めたということである。
カレリア犬というのは、フィンランドとロシアの国境地帯にあるカレリア地方原産の犬である。ヒグマ猟に向くように改良された犬で、勇敢で独立心に富むという。
北米ではクマをできるだけ殺さずに人と共存しようと、クマを捕まえて、クマ撃退スプレーやゴム弾、花火弾などの殺傷能力のない道具を使って、人間の優位さを学習させ、山や森に追い払うという方法をとっている。これにベアドッグも使うことにより、人間の安全が確保され、より効果的に学習させることができるようになったということだ。
ピッキオは、この対策法を導入しようと、昨年6月に米国から「ルナ」と「ブレット」という子犬をつれてきて、ベアドッグの育成活動を始めた。
カレリア犬を使う理由は次の3点だという。
① クマを傷つけないで追い払う。
② 繊細で人が好きで、優しい。
③ クマを深追いせず、人と離れても戻ってくる。
猟犬でも獲物に襲いかかる習性を持つものもいるが、カレリア犬は主人が来るまで、クマを一か所に留めておくというスタイルを持っているので、人・犬・クマの安全を求める対策の方針に合致したということである。
このルナとブレットがかわいい。なかなか精悍なのだが、それぞれのハンドラーと一緒に暮らしながら、訓練を重ねてベアドッグとして成長しているようだ。
こういう方法がうまくいけば、クマを殺さずに人との共存も可能になると思う、というより可能にしなければいけないと思う。日本の各地で採用できるようになればいいな、と思ったのである。
<後記>このカレリア犬は人には優しいが、他の犬に対しては攻撃的な面もあるということで、一般家庭で、ペットとして飼うのは無理だということです。
クマを人里に呼び寄せないためには、ゴミの処理などもきちんとしなければならないでしょうし、熊の餌となるドングリのなるカシやクヌギ、ナラなどを森や山に植林するなども必要でしょう。
昨年1年で、全国で2,234頭のクマが駆除された(殺された)ということです。殺すのは最後の手段にして、なんとか殺さずに共存していきたいものです。ほかの野生動物も同じですけどね。
詳しくは、picchioのホームページをご覧ください。
* ベアドッグに関する、次のような本もあります。
がんばれ!ベアドッグ―クマとともに生きる
10時からは「情熱大陸」か「素敵な宇宙船地球号」で、10時30分からは「世界遺産」となる。「世界遺産」のナレーターが、3回前くらいからオダギリジョーになった。俳優としての彼はなかなか面白いが、ナレーションは以前の緒方直人や寺尾聡と比べると、今ひとつ訴えてくるものに、見劣りじゃなく聴き劣りがする。でも、これからどうなるかが楽しみ。
さて、昨日の「素敵な宇宙船地球号」は「クマ追い犬 軽井沢最終兵器の2頭マル秘騒音作戦」とある。犬が出てくるとなれば、見逃すわけには行かない。観たのである。
軽井沢は有名な避暑地で浅間山麓にあり、まだ豊かな自然が残る地域で、年間800万人もの人が訪れるという。ところが、開発が進み草原環境が失われて、そこの動植物が激減したり、人工林の荒廃や広葉樹林の減少により、森の野生動植物にとっても生息環境の減少や悪化が起こっているという。
ツキノワグマも、人間の認識や配慮が足りないこともあり、人家周辺にたびたび現れるようになって、ゴミや人の食べ物に執着するようになってしまったという。
NPO法人ピッキオ(picchio)というところが、浅間山麓全体の地域生態系保全と生物多様性維持のために活動しているのだが、その一環としてベアドッグを導入し、人家周辺に現れたクマを森に追い払うという活動を始めたのである。
このベアドッグを使ってクマを追い払うという考え方は、米国のクマ対策専門家であるキャリー・ハントという人がカレリア犬の性質に注目して始めたということである。
カレリア犬というのは、フィンランドとロシアの国境地帯にあるカレリア地方原産の犬である。ヒグマ猟に向くように改良された犬で、勇敢で独立心に富むという。
北米ではクマをできるだけ殺さずに人と共存しようと、クマを捕まえて、クマ撃退スプレーやゴム弾、花火弾などの殺傷能力のない道具を使って、人間の優位さを学習させ、山や森に追い払うという方法をとっている。これにベアドッグも使うことにより、人間の安全が確保され、より効果的に学習させることができるようになったということだ。
ピッキオは、この対策法を導入しようと、昨年6月に米国から「ルナ」と「ブレット」という子犬をつれてきて、ベアドッグの育成活動を始めた。
カレリア犬を使う理由は次の3点だという。
① クマを傷つけないで追い払う。
② 繊細で人が好きで、優しい。
③ クマを深追いせず、人と離れても戻ってくる。
猟犬でも獲物に襲いかかる習性を持つものもいるが、カレリア犬は主人が来るまで、クマを一か所に留めておくというスタイルを持っているので、人・犬・クマの安全を求める対策の方針に合致したということである。
このルナとブレットがかわいい。なかなか精悍なのだが、それぞれのハンドラーと一緒に暮らしながら、訓練を重ねてベアドッグとして成長しているようだ。
こういう方法がうまくいけば、クマを殺さずに人との共存も可能になると思う、というより可能にしなければいけないと思う。日本の各地で採用できるようになればいいな、と思ったのである。
<後記>このカレリア犬は人には優しいが、他の犬に対しては攻撃的な面もあるということで、一般家庭で、ペットとして飼うのは無理だということです。
クマを人里に呼び寄せないためには、ゴミの処理などもきちんとしなければならないでしょうし、熊の餌となるドングリのなるカシやクヌギ、ナラなどを森や山に植林するなども必要でしょう。
昨年1年で、全国で2,234頭のクマが駆除された(殺された)ということです。殺すのは最後の手段にして、なんとか殺さずに共存していきたいものです。ほかの野生動物も同じですけどね。
詳しくは、picchioのホームページをご覧ください。
* ベアドッグに関する、次のような本もあります。
この記事へのコメント
もっとも、熊よりも人間のオスのほうが怖いという向きもあるようですが・・。
里に降りて生ゴミなどを漁るようになって、人間を恐がらなくなった熊が恐いですね。
バカ親父は、人間のメスが恐い。
軽井沢では、ゴミ箱も熊が破れないようなものを考案しているそうです。日光の猿とか、外来のアライグマや台湾リスとの問題もあります。なんとか、野生動物との共存を図りたいですね。
通り魔は共存じゃなくて、撲滅したいですね。
いろんな犬がいて、人のために働いている。アクセルは友達犬で癒し犬かな。
人のエゴで動物たちを殺さなきゃならないというのは寂しいです。一緒に生きていきたいと思いますね。
クマと人・・・うまく共存したいですね。
日本の山や森は、もともと熊などの野生動物の棲みかですから、後から入ってきた人は彼らを滅ぼすのでなく、共存できるようにする義務があると思いますね。