少子化と兄弟数

画像 厚生労働省がまとめた人口動態統計(速報)で、今年6月の出生数が前年同月と比べて約2,600人増え、出生数が6年ぶりに5か月連続で前年同月を上回ったことが、21日にわかったという。
 この結果、今年1~6月の出生数は、前年同期と比べて約1万1,600人増えたことになるらしい。

 厚労省は、昨年まで5年連続で過去最低となった合計特殊出生率について、「今のペースを保てば、今年の合計特殊出生率は確実に上向く」としているようだ。今年後半の出生数がどうなるかが注目されるところである。

 05年の出生数は、年末の推計では前年(04年)比で4万4千人減の106万7千人で過去最低ということだった。今年の6月までに前年より増えたとしても、また同じように今年後半も増えたとしても、2万人ちょっと増えるだけである。一昨年よりも少ないことには変わりはないだろう、と思われる。
 はたしてこの傾向が、今後も続いていくかどうかが課題である。

 ところで話はちょっと変わるが、19日の朝日新聞にちょっと面白い記事が載っていた。「保育園に通う子どもには、兄弟が多い」という内容である。
 全国私立保育園連盟が全国の加盟約6,200園を対象に調査したもので、1,704園から回答を得た。
 園児の兄弟の数は平均で1.98人。「2人」が最も多く48.5%、「一人っ子」が29.3%、「3人」が18.2%、「4人以上」が4.1%となった。
 一方、04年の国民生活基礎調査では児童(18歳未満で未婚の者)のいる世帯の平均児童数は1.73人。「一人っ子」は42.7%、「2人」は43.8%、「3人」は11.9%、「4人以上」は1.6%となっている。
 たしかに、保育園児のほうが兄弟数は多いようである。実はこのことは、現場では以前から指摘されていたらしいが、実際の調査でわかったのははじめてだということである。

 その理由は、まだはっきりしないが、次のような意見があるようである。
 同連盟によれば、「毎日の送迎時に悩みを相談したり、親同士交流したり、保育園が育児の不安感を和らげるなど、子育て支援の役割を果たしている」としている。
 地域や保育施設での子育てに詳しい東洋大学の森田明美教授(児童福祉学)は、「他の親が2人、3人産んで育てている姿が、働き方や家庭生活のモデルとなり、『もう一人』という気持ちになることもあるのでは」と話しているということである。

 視点を変えて、出生動向調査(国立社会保障・人口問題研究所)によると、平均理想子ども数と平均予定子ども数(現在子ども数+追加予定子ども数)の差は、常に0.3~0.4の開きがある。05年でいえば、平均理想子ども数が2.48人であるのに、平均予定子ども数は2.11人となっている。
 理想とする(いればいいと思っている)子どもの数より、実際に産む予定の子ども数が少ないということである。結果としては、実際に産む子どもの数はたぶんもっと少ないのだろう。

 子どもを産みたくても産めない理由はいろいろあるだろうが、保育園での調査でわかるように、子育てに安心感があることが出生数の増加には必要なようである。

<後記>日本は国土の広さに比べて人口が多すぎるから、もっと人口が減ってもいいと思っています。ただ、日本の少子化のペースはあまりにも急激過ぎます。世代ごとの人口のアンバランスが良いわけはないので、出生数が増えるのは歓迎です。
 テレビで子どもの多い大家族のドキュメンタリーなどを観ていると、兄弟が多いのは大変だけれど、賑やかで楽しそうでいいなあ、と思います。少ない子どもにあまりにも手をかけすぎるよりも、多くの兄弟の中で切磋琢磨していくほうが、人としては豊かな人間性を培えるのではないかと思うのですが、どうなんでしょうかねえ。

*関連ブログ:「少子化対策?」(05.12.26)、「貧乏人の子沢山?」(05.12.28)

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この記事へのコメント

2006年08月22日 13:37
保育園児のほうが兄弟数は多く、保育園が働く世代を支えるだけでなく、子育て・出産支援をしているというのは面白いですね。勉強になります。待機児童っていうんでしたっけ?そんな子がいなくなるようにもっと保育園を増やしたら、少子化対策になるでしょうか。短絡的すぎるかもしれませんが。。。
2006年08月22日 16:37
今更ですが、もっと子供が欲しかったと思います。振り返ってみると教育費がやはり大変だったからかしら、二人にしちゃったのは。今になるとどうにでもなったんじゃないかと思えるのですが
それも結果論なのかも。振り返ってみるに子育ての時期は楽しかった~。それも振り返っての感想なんですよね。すみません、毎度客観的な意見が
いえなくて。
でも、経験者が「子育ては楽しい」と声を大にして言いまくれば少子化対策に繋がる気がするのですが。そうです、「楽しい子育て」がキーワードだと私は考えます。
遊哉
2006年08月22日 19:54
☆ ヒロシさん、なかなか面白い調査結果でしょ。待機児童を減らす努力も必要ですが、過疎化地域では定員割れ、新興住宅地では定員不足と地域的な差があったりします。それに、施設や定員を増やすと、いままで働いていなかった母親が働き始め、新たな需要の掘り起こしになるといういたちごっこを引き起こしている面もあって、難しい問題です。
 別の調査では、共働きの母親より専業主婦のほうが、子育ての負担感がある、という結果も出ています。身近に他の母親の子育てを見たり、相談にのってくれるところが必要で、余裕をもって安心して子育てできると、子どもが増えるきっかけのひとつになるような気がします。
遊哉
2006年08月22日 20:12
☆ uraraさん、そうですね、教育費を考えると子どもを産むのがためらわれますね。うちも娘二人で、男の子がほしかったですが、断念しました(^^ゞ。
 でも今から考えると、3人でもどうにかなっただろうし……どうにかなるもんなんですよね。それに、これからは子どもの素質にもよるでしょうが、大学や大学院を出たから将来が安泰、という時代ではないような気がします。若いころから修行して伝統技能の職人にでもなったほうがいいのかもしれません。
 “経験者が「子育ては楽しい」と声を大にして言いまくる”というのは、大賛成ですね。実際に子育ては、もちろん大変な面もありますが、面白くて楽しいものですよね。保育園に子どもを預けていると、そんな子育ての楽しさ、面白さ、どうにかなるさという安心感をもてるようになるのかもしれません。
2006年08月22日 20:47
私 兄弟二人 うち息子二人 三人四人だったら どうだったろう ふたりでも結構 苦労したからなー 三人は 勘弁 かなー
2006年08月22日 21:15
出生数が増えた原因の一つは、景気の上昇と大きな関係があるのでは?というコメントがあったと思います。
やはり子育てには経済的な不安がつきまとうんですね。
”貧乏人の子だくさん”と言う言葉も死語になりましたね。
遊哉
2006年08月22日 22:09
☆ seiziさん、そんなに苦労したんですか。でも、子育てって面白くなかったですか。女の子がほしくなかった。近しい女の子がいるからいいか~~(^^ゞ。
遊哉
2006年08月22日 22:21
☆ 山いろいろさん、バカ親父が読んだネットの記事にはありませんでしたが、たしかに景気の回復が関係あるような気がします。
 経済的な不安は少子化に大いに関係しているでしょうね。少子化対策も、もっとドーンと経済的な支援をすればいいと思うんですけどねえ。フランスなどはそれで、少子化が改善されたようです。
 日本も豊かになって”貧乏人の子だくさん”という言葉も死語になりましたが、格差拡大でまたよみがえるかもしれません。なんてことには、なるわけないですよねえ(^^ゞ。
2006年08月23日 06:57
遊哉さん、おはよう!
私の周りには結構3人のお子さんを持つお母さんが多いなぁ。
でもね、大きな声では言えませんが「できちゃった」人がほとんどですね。
計画的にという人で3人以上の方はいません。
やっぱり一人から二人目を育ててみて「もうギリギリ…無理!」って思っちゃうんだと思う。でも、夫の会社の先輩が3人のお子さん居ると、「やっていけるんだな」って思うもんね。
同じ会社で似たような給料の人ができるなら、自分のところもできるんだよね~ほんとは。
やっぱ子育てにはお金ですね。そして子供の人数でひとりひとりにかけるお金が違うから、小学校に入ると持ち物(おもちゃや着るものなども)の格差みたいな壁にもぶち当たります。
2006年08月23日 11:34
共働きの母親より専業主婦のほうが、子育ての負担感があるという統計結果もあるんですか、興味深いです。専業主婦は母親という役割ばかりを負わされる結果どこか閉塞感を感じて負担感につながるのかもしれませんね。共働きの母親も専業主婦もそれぞれに大変だと思いますが。
遊哉
2006年08月23日 19:24
☆ かあちゃん、あまり計画的に子どもをつくるより、“できちゃった!”のほうが好きだなあ(^^ゞ。
 そうだね、食べてくだけだったら、子どもが3人でも4にんでもどうにかなるような気がしますね。でも、教育費とかを考えるとやはり躊躇してしまうよね。
 学校で子どもに肩身の狭い思いをさせたくないというのは、どの親も同じだと思います。バカ親父も、小学校で肩身の狭い思いをしたことがあるからよくわかります。でもねえ、それを悔やんではいませんよ。豊かさの中だけで育った子どもは、ある意味不幸だと思います。それより、貧しさも味わっていたほうが、生きていくうえではいいような気がします。まあ、程度問題だけどねえ。
遊哉
2006年08月23日 20:48
☆ ヒロシさん、核家族の専業主婦だと、社会とのつながりも薄くなりがちだし、育児法の伝承も少ないから、育児不安になりやすいということもあるようです。
 共働きの場合は、父親の育児休業も、もっととれるような意識の変革が必要だと思います。
 いろんな要素がからんでいるから、少子化の問題はそう簡単には解決しそうもありませんね。

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  • 出生数上昇の原因

    Excerpt:  8月22日のブログ「少子化と兄弟数」で、今年2月から5か月連続で出生数が前年同月を上回り、6年ぶりの上昇ペースになったということを紹介した。 Weblog: 団塊バカ親父の散歩話 racked: 2006-09-05 00:24