侵入生物(外来生物)

 横浜市にはあちらこちらに「市民の森」というのがある。うちの周りにもいくつかあって、この前の日曜日にカミさんとひめを連れて、一番近い森に行ってきた。

 いくつかコースがあるのだが、途中掲示してあった地図を見てみると梅ノ木を植えてあるところがある。それならということで、今まで行ったことのないコースを回ってみることにした。残念ながら、山の中だからか梅はほんの少し咲き始めたところで、まだ早かった。
 歩いたところは下の写真のようなところである。

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 木道が設置してあり、のんびりと歩いていったのだが、遠くに見える木の中に白い木がある。サルスベリのようにも見えるが、ちょっと違う。近くに行って見ると、なんと表皮が剥かれてしまっている。最初はイタズラかと思ったが、人じゃあ登れない上ほうの細い枝にも剥がれているところがあるし、木の下には細かい表皮の屑がいっぱい落ちている。

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 疑問が残ったまましばらく歩いていると、いた。リスである。それもだいぶ大きめのリスである。動きは速くて写真は撮れなかったが、褐色の色から見てタイワンリスじゃないかと思う。
 江ノ島の植物園に飼われていたタイワンリスが、台風で檻が壊れて逃げ出し、周辺で繁殖しているという話を聞いたことがある。鶴岡八幡宮の裏で見かけたこともある。山続きだから、うちの近くに繁殖範囲を広げていたとしてもおかしくない。木の皮を剥いだのは、こいつに違いない。

 帰ってきて、ネットでタイワンリスを検索してみたら、藤沢市のホームページで同じように木の皮を剥かれるという被害があることがわかった。はてさて、困ったものである。
 タイワンリスによる被害には、このほかにも戸袋に巣をつくられたり、電線・電話線をかじられたり、洗濯物を汚したり、爪で切ったり、果樹を収穫前に食べられたりすることなどがあるようである。
 「侵入生物データベース」というサイトを見ると、タイワンリスの問題点は「農作物被害、電線噛害等生活被害、餌付けによる増加」で、特定外来生物に指定され、駆除法は「捕獲」だそうである。「影響を受ける従来の野生生物」のところに書き込みはなかったが、在来の動植物や生態系に影響がないわけがないだろう。

 琵琶湖ではオオクチバス(ブラックバス)やブルーギルなどの外来生物により、在来生物に非常に大きな影響が出ていると聞いたことがある。そのほかにも日本各地で、アライグマが繁殖して被害があるというし、トマトの受粉用に導入されたセイヨウオオマルハナバチが生態系を乱していたり、沖縄ではハブ退治に導入したマングースが在来種の哺乳類を捕食していたりと、いろんな外来生物による被害や生態系への影響があるようである。

 話は変わるが、1月29日に、東洋のガラパゴスといわれる小笠原諸島(東京都小笠原村。父島、母島など三十四島)が、世界自然遺産の候補地に正式に決まったという(「朝日新聞」1/30)。といっても、暫定リスト入りしたということで、本推薦に至るまでには問題がある。それは、生態系を脅かしている外来種の存在である。
 世界遺産の審査をする担当者の現地視察では、「自然遺産としての価値は十分にあるが、外来種対策が遅れている」との見解があったということだ。
 たとえば、米国原産のトカゲ、グリーンアノールは父島、母島に600万匹もいるといわれ、小笠原固有の昆虫類を猛烈な勢いて食べているという。また、野生化したヤギやネコ、クマネズミなども固有の生物を脅かしているし、薪などに利用しようと植えられた外来樹アカギは急速に拡大し、母島の14%まで占めるようになったという試算もあるという。
 環境省は世界遺産登録に向け、外来種を11の動植物に分類して、今後3年という異例の長さの準備期間を設けて駆除を進め、生態系の保全に挑むということである。でも、研究者の中には、「登録が先か絶滅が先か、時間との闘いだ」と言う人もいるらしい。
 外来生物によって、一度壊された生態系はそう簡単には元に戻らないだろうが、なんとか小笠原諸島にしかいない固有種を守ってもらいたいものである。
 同時に、日本各地に侵入している外来生物についても、一刻も早く対策をとる必要があると思うのである。

<後記>先日、カエルの「ツボカビ症」について書きましたが、外国からの生物を安易に受け入れることには、十分な注意が必要なようです。
 外来のカブトムシやクワガタもペットとして飼っている分にはいいのですが、逃げ出して日本の在来種との交配が行われると、日本産のものがいなくなる恐れもあります。外来生物を安易に自然に放すのは、決してしてはいけないことだと思います。
 上に紹介した「侵入生物データベース」の内容は、今後さらにボリュームアップさせるつもりだそうです。一般の人たちの撮影した外来種の写真をメールで募集しています。
 そのほかに、「琵琶湖博物館電子図鑑」というサイトも面白いです。

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この記事へのコメント

2007年02月07日 08:25
住処に市民の森が沢山あるのは羨ましい限りです。私は散歩の場所を求めてあっちへこっちへ車走らせてます。田舎なのでチョッと歩けば田んぼはありますが何時も同じだと可哀想なので・・・
動物も昆虫もお金儲けの為に何でも日本に運び込む売る買う飽きる捨てるですもんね。
2007年02月07日 13:55
はっきり確認できないのですが、近くの川に、ヌートリアみたいな動物を、チラッと見たことがあります。
遊哉
2007年02月07日 19:34
☆ 小桜小梅さん、横浜は高い山はありませんが、わりと起伏に富んでいます。バカ親父の住んでいるところは三浦半島だから、海からすぐ山になっていていいですよ。とはいっても、この森に行くには30分ほど歩くので、休みの日でないと行けません(^^ゞ。ひめも普段はトボトボ歩いてますが、こういうところに行くと元気になります(^^♪。田んぼもいいですが、姫様も飽きる(?)かもしれませんね。
 外来のペットを飼って、しっかり管理していればまだしも、飼い切れなくなったりして、自然に放すなんていう人がいるから困ります。金儲けのためなら何でもする、とう風潮も嫌ですね。
遊哉
2007年02月07日 19:39
☆ のんびり猫さん、上の「侵入生物データベース」を見ると、三重県にもヌートリアはいるそうです。巨大なネズミみたいな奴ですよね。農産物に被害があったり、土手に穴をあけたりするようですね。タイワンリスもヌートリアも見た目はかわいい(?)ですが、被害が出るようでは困りますね。
2007年02月07日 21:08
悔しいぐらい 森とか林とか 歩いてないなー ひたすら コンクリ 困ったもんだ
遊哉
2007年02月07日 22:12
☆ seiziさん、たまには土の上を歩くのもいいですよ。森や林の中もいいですよ。是非、どこかで歩いてください(^^♪。
2007年02月07日 23:30
こんばんは~m(__)m
写真は奥様が撮られたんですか?小さく写っているのが遊哉さんかしら?キャ~こっち向いて~~(#^.^#)なんちゃって~
リスは伊豆へ行った時にもいました。かわいいから写真~♪なんて思いましたが、あのリスもそうだったのかしら・・・
ブラックバスやブルーギルはすごい勢いで増えるようですね。近所の公園の池にもたくさんいました(-_-;)
先日テレビで増えすぎたヤギが草を食べつくしてしまって地盤が緩む被害が出て処分のため撃っているところをやっていましたが、なんだか嫌な気分でした。グリーンアノールというのはカメレオンみたいに色が変わるやつでしょうか?先日これもテレビで見たような気がしますが。
気楽に外来生物を輸入して慌ててももう遅いような感じですね。お金になるならと節操のない商売をする日本人が多過ぎます(-_-;)
2007年02月07日 23:39
遅くにおばんですぅ。。。
小動物をかわい、いとし、と言ってる場合じゃないってことだね。リスってすっごく可愛いのに。
何にも知らんかったわぁ。素早くて何とも言えない仕草を何度も見てきたのに、あれって幻?
やっぱり犬が一番かわいいんだなぁ~。
ジャケット着て立ってるのは遊哉さんね?
拡大したのに大きくならなかったわ。ずるぅ~
遊哉
2007年02月08日 00:16
☆ patyokoさん、痛みはだいぶ引いたようですね。首は大事にしてくださいね。
 アハハ、写っているのはカミさんです(^^♪。バカ親父は、写真に撮られるのが嫌いなの(~_~)。このときのカミさんは、ハンチングに似たちょっと変わった帽子を被っているから、男に見えたかな。まあ、もう男だか女だかわからないけどね(^^ゞ。
 日本にもタイワンリスに似たのがいるけど、もっと小型です。伊豆あたりにも動物園から逃げ出したのがいるらしいから、タイワンリスだったかもしれませんね。
 バスは、スポーツフィッシングとかいって、池や湖に放流したバカ者がいるんですね。釣って食べるならまだしも、バスフィッシングはまた放すなんてバカなことをしています。ブルーギルは一度釣ったことがあって食べようと思ったけど、小骨が多いしまずくて食えませんでした(^^ゞ。
(つづく)
遊哉
2007年02月08日 00:17
(つづき)
 そのヤギのことはテレビで見ましたよ。灯台が崩れそうになっているらしいです。小笠原でも昔食糧としてもってきたらしいけど、草を食べつくすまで増えてしまうから困るんですね。
 グリーンアノールは20センチくらいの大きさで、黒褐色から黄緑色まで色を変えるそうです。肉食で固有種の昆虫を食べちゃうから、これも困ります。
 まったくねえ、どんなペットも最期まで責任をもって飼ってほしいし、安易に外来生物を輸入してほしくないですね。
遊哉
2007年02月08日 00:26
☆ さよちん さん、リスはかわいいですよねえ。日本のリスはシマリスなど小型で自然にも適応しているからいいですが、タイワンリスは大きくて、悪さをするから困ります。日本の自然を壊しちゃうしね。
 犬はかわいいのに、猟犬を山の中に捨ててきちゃう不届きな奴がいるんですよ。ほんとに腹が立ちます。
 ジャケットを着ているのはカミさんです。バカ親父はもっと胴長短足です(~_~)。
 写真は容量を小さくしてます。そうじゃないと、開けるのに時間がかかるという方がいるんですよ。ずるでやってるんじゃないの(~_~)。

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  • 里山・谷戸散歩

    Excerpt:  昨日(14日)の夜、カミさんが里山散歩をしたいと言い出した。 Weblog: 団塊バカ親父の散歩話 racked: 2009-01-16 01:04