熱帯列島
昨日は土曜日だが、番組10周年記念の1時間スペシャルで「異常気象を徹底究明 熱帯列島!? ニッポン」というタイトルがつけられていた。
語りは、いつもの緒形 拳と室井 滋で、ナビゲーターは石原 良純、照英、安田 美沙子である。
この番組は、今まで世界各地の環境問題や自然保護に取り組んできている。今回は、地球全体の自然生態系にも異変を起こしている異常気象について、その原因である地球温暖化の現状から、見つめ直してみようというものである。
地球の温暖化の影響は、日本も例外ではない。最近の異常気象の頻発は今後の異変を予告しているようである。
このまま行くと日本はいったいどうなるのか。熱帯化しつつある日本の異変を検証している。
とても興味深かったので、簡単に紹介してみる。
○ ヒートアイランド現象
気象庁は、最高気温35度以上の日を「猛暑日」と定義したが、この夏、74年ぶりに40.9度という国内の最高気温を埼玉県熊谷市で更新した。かつて日本人が経験したことのない事態が発生しているのである。
この熊谷市を最新データで検証し、上空からの映像とCGで解説していたが、そこには都市部のヒートアイランド化が大きな影響を及ぼしていたのである。
東京都心と熊谷市は70kmほど離れているが、都心から北の地域の一日の温度変化を見ていくと、朝方に都心部から気温が上がり始め、時間を追うごとに北に進み、午後3~4時ころに熊谷市が一番暑くなる。
これは、都心の高層ビル群の屋上にある冷却塔から放出された熱と蒸気が、東京湾から吹く風に乗って北上するからである。
また、この熱と蒸気は、都心の大規模なヒートアイランドとともに、都心の北部にある都市の小さなヒートアイランドにより起きたものも加わっているのである。
熊谷市の場合は、北部からの風によるフェーン現象による熱気も加わっているらしい。
また、ヒートアイランドは都市型ゲリラ豪雨ももたらすのである。それは都心の高層ビル群の風下で多発することが、最新の研究で明らかになったという。
高層ビル群の風下側で上場気流が起き、積乱雲が発生して豪雨をもたらすのである。
東京のゲリラ豪雨は、中野区と板橋区で多く発生しているという。中野は新宿副都心高層ビル群の西側にあり東風が吹くときに、板橋は池袋の高層ビル群の北側にあり南風が吹くときに、豪雨が発生しやすくなるのである。
番組では、ヒートアイランドが進行する2030年の東京を、シミュレーションドラマで紹介していた。
これによると、東京都心部の夏は、最高気温が40℃を超えるのはあたりまえになり、最低気温も30℃を超える「超熱帯夜」になるという。
こんな時に電力が不足し停電にでもなったら、熱中症による死亡者が多数出るだろうという。
また、光化学スモッグも多く発生し、最悪のシナリオでは、都会の子どもたちは「ヒートアイランド疎開」をしなければならなくなるかもしれないのである。
○ 巨大化する台風
海水面温度の上昇により日本近海でも台風が発生して巨大化し、進路の周囲に集中豪雨や竜巻を発生させる。
台風11号による東北地方の集中豪雨も、台風の進路からは外れていたが、台風から伸びた湿舌が梅雨前線を刺激して、大きな災害をもたらした。
昨年9月宮崎県・延岡市を襲撃し、120もの家屋を全壊させた竜巻も台風の進路からは外れていたのである。安心していた住民を襲った竜巻は突然起こり、大きな被害を及ぼした。
この台風による竜巻は、数百キロ離れたところでも起こる。それに、いつどこで起きるかわからないから、怖いのである。
この竜巻を起こす現象は、スーパーセルという現象だということである。
番組では、6年ぶりに首都圏を直撃した台風9号について、気象予報士も予測が難しくなってきている巨大台風を、全国に150万人いるというサポーターとともに分析・追跡し、伝えるウエザーニューズに密着したドキュメントも伝えていた。
○ 温暖化による自然環境への影響
温暖化は、自然環境にも大きな影響を及ぼし始めている。日本の温暖化(亜熱帯化)により、今まで生息できなかった生物が生き延びるようになってきたのである。
毒のあるセアカゴケグモの侵入は大きな問題となったが、その他にも巨大コロニーをつくるアルゼンチンアリの広がりが問題になっている。
日本の南に位置する台湾では、南米に生息しアルカロイド系の毒をもつ獰猛なヒアリ(fire ant)が大発生し、甚大な被害をもたらしているという。日本にも侵入する可能性は大なのである。
また蚊がもたらすマラリアやデング熱などの熱帯感染症もある。これらはいつ日本に上陸しても不思議ではなく、国立感染症研究所では調査研究が進められているという。
<後記>地球の温暖化が進み、日本列島が亜熱帯化、あるいは熱帯化した時には、この他にもどんな影響があるかわかりません。
東京の0メートル地帯など、集中豪雨や巨大台風の影響で水浸しなんていうことにもなりかねません。マラリアやデング熱が猖獗(しょうけつ)を極めるかもしれません。
そうなってからでは遅いから、今からそれらの侵入を防がなければなりませんが、これがなかなか難しいらしい。
根本的には、地球温暖化を少しでも遅らせ、あるいは食い止めなきゃいけないでしょうね。これも難しいでしょうが、個人個人の努力だけでなく、企業や国、そして世界的な努力・協力が必要になるでしょう。
大変なことです。
“素敵な宇宙船地球号”では、今日9月30日(日)も夜11時から、いつもどおりの次のような放送をするそうです。興味があって夜更かしの方は、ご覧ください。
“「CO2スリム大作戦」~地球のために私たちができること~”
この記事へのコメント
このままこの状態が続けばとんでもないことになるのは素人にだって分かるところですが、正直、自分が死んでから後なんて知ったこっちゃないと思ってたんですが、2030年…生きてる可能性大だ。しかも70歳近くなって。最悪じゃん、て思いました。そうなったら六甲山の上の方に掘立小屋建てて暮らそうかな、あそこなら真夏でもちっとは涼しかろ…って、自分のことしか考えてないんかい!って言われそうですね(^_^;)
まず自分のことから考えればいいと思いますが、子どもや孫のことを考えると、恐ろしい気がします。
2030年の六甲山の上はどうなっているんでしょうかねえ。マラリアやデング熱を媒介する蚊がワンワンと飛び交っているかもしれませんよ(^^ゞ。
このまま温暖化が進めば100年後の日本でも、植物なんかも熱帯性の植物になってるだろうと言うことですし・・
色々な事で・・問題山積み・・
いずれは人類滅亡の時が来るのかもですが・・
まだ先のことなんて思って・・やはり人事気分が抜けない私でもあります・・("v")
こないだ、見学に行った新しい施設の周りは、熱を帯びないコンクリートで舗装されてました。赤っぽいコンクリートでした。すべてのコンクリート道路をこれで舗装すると良いのかなぁ?
2030年には都心では40度が当たり前・・・76歳になっている私は干からびる・・・ヒートアイランド疎開に随行したいです(-_-;)
自然環境による伝染病も恐いですね。温暖化防止の為に出来ること地球上で皆で考えないとね。
100年後に日本が熱帯になって、ジャングルの中で生活したっていいんですが、日本人の多くはバッタバッタと死んでいくでしょうね。生き残った少数の日本人が狩猟生活をしている、なんていうのも面白いかもしれません(^^ゞ。
熱を帯びないコンクリートというのは、透水性のものなのかなあ。夏の太陽の照り返しが少なくなるだけでも、相当違うでしょうね。今、ビルの壁面や屋上を緑化するという計画があるようですが、これも効果があるようです。いろんな工夫をすると同時に、日本が率先して技術を開発して、世界に広めるといいんですけどね。
テレビの映像を見ているとわかりやすいんですけどね、文章で解説するのは難しいです。
2030年には、バカ親父はもういないでしょうが、もし東京が熱帯化してたら、76歳ではただでさえ体内の水分が少なくなっているでしょうから、きついものがあるでしょうね。子どもだけでなく、老人も疎開する必要が出てくると思います(-_-;)。
伝染病はこわいでしょうね。その侵入を食い止めることが難しいということもあるでしょうし、一度流行すると沈静化するのも大変だと思います。
それと、地球全体で食糧が不足して、自給率の低い日本は大変なことになると思います。
宇宙から見たら地球なんてほんの小さな星だから、なんとか全体で協力して、乗り切らなきゃいけないでしょうね。地球は、美しい星だものね。大切にしたいです。
しっかり見届けて、先にあの世に行っているバカ親父に教えてね(^^ゞ。
暑いのが苦手な私(と息子^^;)にとって、この問題は大問題です(汗)。どうにか私達に出来ることをしたいのですが、電気の無駄遣いなど以外には何からやっていったら良いものやら、見当もつきません。息子がいつか話していた、光合成をする車なんかが開発されないかなぁ・・・。
今11時59分何秒なんでしょうか…。
光合成をする車なんかがあったら、いいですよね。この前書かれていた森をつくることに、何らかの形でかかわれるといいですね。
身近なところでは、水を節約したり、夏の間は風呂の残り水で打ち水をするのもいいようです。
フードマイレージという考え方がありますが、お取り寄せなどは輸送で石油が使われるのであまりしないで、地産地消(地元の産品を使う)をできるだけ励行するといいらしいです。国単位でいえば、食糧輸入を減らすといいでしょうね。
車もできるだけ使わずに、自転車や歩きにするのもいいかもしれません。
個人のできることは限られますが、みんなが工夫してやれば大きいものになるでしょうね(^^♪。
今は、11時59分59.9999999999……秒ということで、限りなく0時に近いということでしょうね(^^♪。
国立感染症研究所部長 倉根 一郎氏の見解によれば、マラリアの日本大流行の可能性はないようです。
『国立感染症研究所部長 倉根 一郎
・・・中略・・・
マラリアの流行には、とくに住宅構造が関係し、現在の住宅構造を考えると、毎晩、多数の蚊に刺される可能性はほとんど考えられません』
『国立感染症研究所部長 倉根 一郎
私も、今の日本のインフラを考えれば、仮に温暖化が進んだとしてもマラリアが流行するとは思えません。自然災害などが重なってインフラが崩れるなどの変化が起きれば別ですが』
http://www.healthist.jp/news/185_01/01_04.html
あとたとえば、ウエストナイル熱・脳炎などは“1999年に、ニューヨークを起点として流行が報告されて以来、全米に拡大しており、毎年、数千人の患者と約100人の死亡者が発生している”ということで、インフラが整備されていても、流行する可能性がないわけではないようだし、温暖化すれば可能性はより高くなるような気がします。
デング熱に関しても同じではないでしょうか。“蚊が媒介する感染症のリスクは高まりますが、感染症が必ず発生するというわけではないのです”ということは、必ず発生するわけではないが、可能性があるということにもなると思います。
はたして、どうなるんでしょうかねえ。そんなことになってはほしくないですねえ。