質の高い療養病床の選び方

 今日のテーマは、自分には関係なさそうだと思われるかもしれない。
 でも、親の介護や各自の将来にもかかわってくる問題だと思うので、まとめてみることにする。
 昨日(29日)の朝日新聞に載っていた「質高い療養病床 選ぶには」という記事からである。

 その前に、わが家での経験を少し書いてみる。
 親父が亡くなって約2年経つ。
 その2年ほど前、親父は昔やった脳挫傷が悪化して意識を失い、救急車で病院の脳外科に運ばれた。
 そのまま意識を失っていたが、併発した水頭症の手術をしてから意識を取り戻した。といっても、足は萎えて歩くことはできなくなって、寝たままの状態になった。
 その病院では長期間の入院はできないので、ケースワーカーに相談して、3つほど療養病床を紹介してもらった。
 どこが良いかわからなかったので、カミさんと一緒にそれぞれの病院に行って、そこのケースワーカーの話を聞き見学もした。
 見舞いに行くことも考えて、できるだけ近いところで明るい感じのところを選んで、親父を入れた。
 そこで親父は上半身を起こせるようになり、車椅子で食堂に行って自分で食事をできるまでになった。
 1年ほどそこで過ごしてから、今度は新規に開設された特養(特別養護老人ホーム)に入り、6か月ほどしてから亡くなったのである。

 この療養病床というのは、脳卒中の後遺症などを抱える高齢者が長く入院するところである。
 そこでは寝たきりの方も多いから、転落防止などの名目で患者がベッドに縛り付けられたり(身体抑制)、適切な予防法がとられずに褥瘡(じょくそう・床ずれのことである)ができたりすることも少なくない。
 そういう問題が少ない病院ほど「医療の質」が高いし、できるだけそういう病院を選ぶようにしたいのである。

 床ずれを例にとると、質の高いところでは、床ずれのできやすい場所が圧迫されないようにしている。
 具体的には寝たきりの患者には、枕が背中と腰の下、両膝の間などにも置かれ、体の向きを変える体位変換は日中は2時間おき、夜間は3時間おきに行われるという。
 また、患者が入院すると、まず床ずれになりやすい要因があるかどうか確かめるという。
 次のような項目である。

 ① 自分で寝返りができるか
 ② 筋肉が衰えて、腰の骨が突出していないか
 ③ 関節が固まっていないか
 ④ むくみがないか

 などであるが、心配な患者には圧力分散のためのマットレスを使う場合もあるという。
 また、栄養不足も床ずれの発生や治りにくさの原因になるので、血液中のアルブミンやヘモグロビンの値を定期的に調べ、亜鉛などを補うために栄養補助食品を使うこともあるという。

 ところが実際には、このような医療の質の向上に努めている病院ばかりではないらしい。
 患者の8割近くに床ずれがある病院もあるということだ。
 そこで重要になるのが、各病院の「医療の質」の評価である。
 それを判断できる次のような4つの指標があるという。

① 身体抑制 11.4%(厚労省が2010年に調査した「全入院患者に占める割合の全国平均」である。以下同様)
 筋力など身体機能の低下を招き、精神的苦痛も与える。
② 尿道カテーテル(管)留置 13.0%
 尿路感染症の原因となるため、必要性が低いのに長期間使用することは好ましくない。
③ 膀胱(ぼうこう)炎などの尿路感染症 2.6%
 排泄(はいせつ)時に陰部を清潔にしたり、尿道に管を入れる時に消毒しないと腸内細菌などに感染して起こる。
④ 床ずれ 7.1%
 体にかかる圧迫を分散させないと、皮膚が壊死(えし)する。

 チェック方法としては、

① 上記の4指標にあたる患者数を病院に尋ねる。
② 患者数が開示されたら、厚労省の結果と比較して、全国の平均より高いか比較する。
③ 床ずれの予防など、医療の質を向上させるため、どんな工夫をしているか尋ねる。

 ということが必要なのである。

 厚労省では昨年から、床ずれ治療の有無などの記録を、医療費請求のため患者ごとにつくる診療報酬明細書(レセプト)に添付させることにしたという。
 現在、こうしたデータを病院ごとに集計、公開する仕組みはないが、病院が家族に開示すれば、病院選びの参考になるだろう。
 厚労省の調査では、全患者に身体抑制やカテーテル留置を行っている病院もあるという。
 だから、データ開示に前向きかどうか病院の姿勢を確かめたり、全国的な平均値(上掲)と比べれば、良し悪しを判断する一つの目安になるのである。
 逆に言えば、データ開示に消極的だったり、見学などを渋る病院は止めた方がいいということになるだろう。

 いずれは、レセプトの添付情報から各病院の身体抑制などの実態が把握できるようになり、全国的な平均値から著しく逸脱した病院を指導するようになるといいのだろう。
 また同時に、患者や家族、第三者へのデータの開示がされれば、療養病床を選びやすくなると思う。


<後記>現在、親の介護をしている方もいるでしょうし、将来する可能性のある方もいるでしょう。夫婦の相方を介護しなければならなくなる可能性もあります。
 介護保険を使って自宅で介護できればいいのですが、できない場合もあるし、老老介護になって自宅では無理になる場合もあるでしょう。
 そういう時に、医療も行う療養病床に入院しなければならなくなり、質の高いところを選択する必要に迫られると思います。
 こんな判断指標を知っておくのも無駄にはならないだろうと思うのです。

 親父の場合は、判断指標などは知りませんでしたが、病院のケースワーカーの意見を参考にしたり、紹介された病院を実際に見学したり、そこの療養の考え方や方針などを聞いたことがよかったと思ってます。
 床ずれもほとんど起こさずに済みました。
 いろいろな難しい問題も出てくるでしょうが、いざという場合はこれらの判断指標を参考に、より良いところを選んでいくことが大事だと思います。

 昨日の夕空と夕景です。

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 今日の昼空です。晴れてはいましたが、全体に靄がかかったように見通しは悪かったです。

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 夕方4時半ころに部屋にいたのですが、殺気(?)を感じて戸口を見るとSORAが来ていました(^^ゞ。散歩の催促です。

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 しばらく無視をして、また振り返るとSORAはいつものごとく、お座りをしてジーッとこちらを見ています。負けました(~_~)。

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 今日の夕空です。三日月が流れる雲に隠れたり現れたりしていました。

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 明日は朝に向かって気温が下がり、最低気温は6℃、日中でも7℃の予報です。
 最高気温が10℃を下回ると寒さが身に沁みます。北国の方には、なんだそれくらい、と思われるでしょうが(^^ゞ。

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この記事へのコメント

2011年11月30日 23:57
今夜も未だ起きてる。ブログ書いてたけど疲れたから”もう、いっか!”ってとこで止めちゃった。
母は亡くなるまでの焼く年の入院で床ずれと言うのは全然出来なかったよ。朝から夜まで私が付いてたし、癌が見つかってあと3カ月と言われたあとも殆ど寝たっきりだったけどその間は止まり込みで看てたしねえ~。質の高い病院だったのかなあ~。
いつも身体を拭いてあげてたし・・・
ここに書かれてあるようなことについては調べたりする知識もなかったしねえ~。

SORAの散歩の催促姿、何だか涙ぐましいねえ~。でもかわいい。催促してるのが写真でもありあり見えるよ。(〃^∇^)o_彡☆あははははっ!
SORA!SORA!って呼びかけたくなっちゃう。連とRIKUも既にハウスの中。
あったかいホットカーペットの上で朝まで寝ちゃうんだよ。私もそろそろ寝ようっかな?
その前にブログの更新しようかしらん。折角書いたんだし・・・短歌と短歌時評(歌人論かも)入りブログ。遊哉さん、読みに来てね!コメントはどうでもいいから。。。
2011年11月30日 23:58
(/≧◇≦\)アチャー!!約三年の入院って書いたつもりが・・・焼く年になってる。<( ̄∇ ̄)ゞゴメリンコ~♪
2011年12月01日 06:15
質の高い病院というより、入院させてくれる病院を探すのが大変で。
うちのオヤジは待機1年で入れたけど、いつつもの病院に予約していたので、死んで7年も経ってから、「順番が来ました」と連絡してくる病院があって「7回忌です」と言ったら絶句していたな。
我々のときはどうなることやら・・・(>_<)

そちらにも大きな地デジ用のアンテナを上げているところがあるようですね。
都内だと、壁に貼り付けるアンテナで映るそうで、ちと不愉快でありますね。

火龍果
2011年12月01日 08:46
おはようございます。
寒い雨ぬ降る朝から師走のスタートと
なりましたね。

どこの家にでも抱える
親の介護の問題と自分の老いへの
対処法参考になりました。

要は、自分が真剣にこの問題に取り組める
時間と金銭的・心理的余裕があるのかと言う
事なのでは?と私は思っています
マンマ
2011年12月01日 09:40
祖母が痴呆で徘徊するようになってからは
大変になって特養に入れました。
母は毎日泣いていました。
その特養は強いモルヒネを打つためか 
1カ月もしない間に寝たっきり状態になり
とてもやつれました。
「もう徘徊しないんだから家に連れて帰る」
と母がほっと・・胸をなでおろしていたのをよく覚えています。
娘が2歳の時でした。
私も実家に娘を連れて行っていました。
3ヶ月後に祖母は幸せそうな笑顔で亡くなりました。
しかし母はそれから大きな手術を2度も受けました。
やはり質の高い特養は知っておくべきだと
思いますし これからのために凄い勉強にも
なりとても感謝です!
ありがとうございます(@_@)
遊哉さん・・実家泊りが多くなりました。。。
遊哉
2011年12月01日 11:29
☆ さよちん、昨日は0時前に布団に入ってました(^^ゞ。ブログは書き終わったんでしょうか。あとで伺いますね。
 お母さんは3年も入院してたんですね。床ずれになるかどうかは、いろんな要因があるし各自によって違うんでしょうね。寝たきりで布団に同じ箇所がずーっと当たってすれていると、なりやすいんだと思います。
 だから、そういうところに枕を当てたり、体の位置を変える必要があるんですが、それを病院がちゃんとやってくれるかどうかなんでしょうね。
 身体を拭いたりして、清潔に保つことも必要でしょうね。お母さんはさよちんに世話をされていて、幸せだったと思います。
 SORAは散歩に行きたいときは、クウクウと鳴くこともあるけど、こんな風に黙って見つめることもあります。こんな目で見られたら、行かないわけにはいかなくなります(^^ゞ。
 連とRIKUはハウスの中といっても、ホットカーペットの上にあるハウスなんですね。温かそうで、羨ましい(~_~)。
 は~い、さよちんの新しい記事は読みにいきますからね(~_~)。
遊哉
2011年12月01日 11:41
☆ ねこのひげ さん、そうなんですよね。療養病床や特養は空きがないと入れませんね。地域によって差がありますが、横浜でも療養病床はまだしも、特養などは100人、200人待ちは普通です。親父の時は3か所に申し込んで、たまたま運よく新規開設のところに入れました。障害の程度によっても、順番が変わるから大変なんですよね。われわれの時はどうなるのか、気が遠くなりそうです。
 亡くなってから7年も経ってから連絡がくるなんて、ちょっとおかしいですよね。いろんな組織の連絡というか連携をもっとシステム化する必要もありそうですね。
 うちの方は山が多いから、電波の入りが悪いです。雨や風の強い時は、電波が途切れます(~_~;)。ランニングコストが安いからアンテナを上げてますが、なんとかしてほしいです。
遊哉
2011年12月01日 11:51
☆ 火龍果さん、今日は雨が降ったり止んだりのようで、寒いですね。最高気温が7℃くらいのようです。師走に入って、やっと冬らしくなりましたが、明日はまた気温が上がるようです(^^ゞ。
 うちはもう、親父もお袋も亡くなりましたが、50代、60代は親の介護が大きな課題だし、自分たち自身にとっても大きな問題ですね。何かの参考になったのなら、幸いです。
 金銭的あるいは心理的余裕があるかないかは、大きな問題でしょうね。親父の場合は年金でなんとか賄うことができましたが、これからは年金も少なくなりそうで心配です。
 親の介護の場合は、老老介護になる可能性もあるから、体力的あるいは時間的な問題もあるでしょうね。仕事をしていては親の介護もできない場合があります。介護保険もいいけれど、施設での介護との組み合わせの体制をきちんと作り上げることが必要だと思います。難しい問題ですね。
遊哉
2011年12月01日 12:01
☆ マンマさん、認知症でもいろいろな症状が出てきますが、徘徊があると大変なようですね。特養での対処法も、年々改善されているようですが、モルヒネを打っていたなんてちょっと信じられません。今では、そういうところはないんじゃないでしょうか。
 介護保険を利用して家庭で介護できればいいですが、いろんな問題があってそれができない時に課題がありますね。
 介護するほうもダメになって共倒れになっては何にもなりません。療養病床とか特養に入れれば、そのほうがいいような気がしますが、その質が問題になりますね。
 それを判断するには、こんな知識も必要だと思います。
 お父さんやお母さん、いろいろ大変だと思いますが、マンマさんも体に気をつけて頑張ってください。
 
2011年12月01日 15:12
「とっても良い施設が見つかって」と喜ぶ友人に金額を聞いたらかなり高額な施設でした。お金がいくらでもあれば良いホームを探すことは簡単ですが、庶民はそうはいきませんから大変ですよね。
痴呆が進んだ義父の時は色々探して運よく1年待ちくらいで特養に入れましたが、自宅からは30キロほど離れた遠い所でした。義母には不満も多くあったようですが、1対1で面倒をみてもらうことなど望めるものではないので、出来る限りの事はしてもらったと思っています。
まだ母と義母がいるのでどうなる事やら。。。慌てないように参考にさせていただきます。
遊哉
2011年12月01日 17:55
☆ うずら さん、そうなんでしょうね、高額なところもあるんだと思います。親父の場合は自身の年金で払えるところというのが一つの条件でした。そうでなければ、うちでは無理ですから。
 特養に入るときには、障害者手帳もとりました。医療費が無料になるから、多少は助かりました。
 特用も自宅の近くにあればいいですが、なかなか入れないから、空いたところが優先されちゃいますよね。遠いと見舞いに行く家族も大変です。お義母さんは不満だったかもしれませんが、まあ、仕方なかったですよね。
 最近はみんなの意識も高まったから、あんまりひどいところはないとは思いますが、施設の質を見極めることは大事でしょうね。
 お母さんとお義母さんがいるのなら、元気なうちから介護保険を使ってデイケアに行っておくのがいいと思います。いざという時にケア・マネージャーなどと相談できていいような気がします。
2011年12月01日 20:32
遊哉様 とても参考に成りました。
義父や義母の時の種々経験を
思い出しました。
今度は わが身に迫る 問題です
参考にさせて 頂きます。

アリガトウゴザイマシタ。
遊哉
2011年12月01日 21:12
☆ みみ さん、参考になったようで、よかったです(~_~)。
 お義父やお義母さんを見送られたんでしょうね。いろいろ経験しますよね。
 いずれやって来るわが身のこととして、こういうことを知っておくのもいいことだと思います(^^ゞ。

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