『ラスト・タウン ―神の怒り―』
〔昨日の夕方、車の上でマッタリしていたニャンコ〕
ブレイク・クラウチの『ラスト・タウン ―神の怒り―』を紹介する。
『パインズ ―美しい地獄―』 『ウェイワード ―背反者たち―』と続いてきた三部作の完結篇である。
環境変化による人類滅亡の危機に際して、ピルチャーという富豪がつくり上げたエデンの園のような美しい町ウェイワード・パインズの話である。
ピルチャーは800人余の人間を仮死状態で保存し、1800年後に数百人を蘇生させてウェイワード・パインズの住人にしたのだ。
この町は周囲を高圧電流の流れるフェンスで囲まれていたが、その外では人類から変異したアビーという異形の生物が跋扈(ばっこ)している。
その町で、保安官となったイーサン・バークが主人公として活躍する物語である。
ということで、第三部を紹介しようと思うのだが……困った(^^ゞ。
こういう連作ものの紹介ではいつも困るのだが、前作のネタバレをしないと新作のあらすじなどの紹介ができないというか、しにくいからである。
このシリーズでは、それぞれが驚愕するようなラストなので、それを明かしては白けてしまうから、特に難しいのである。
ところで、本書の巻末の「解説」を北上次郎さんが書いているのだが、やはり困っていた(^^;)。
最初に、こんなことを書いている。
<本書『ラスト・タウン』は、ブレイク・クラウチの三部作の最終篇である。その解説を書く段になって、この三部作をどうやって紹介したらいいものか、まだ迷っている。
書きながら考えていくが、まずは第一部『パインズ』だ。(後略)>
そして、第一部のあらすじをネタバレにならないように書いてから、第二部にとりかかるところで……
<とりあえず、第一部のラストを割らずに第二部の紹介をしてみるが、山間にたたずむこの美しい町で死体が発見されるのが第二部『ウェイワード』。保安官となったイーサンはこの事件を捜査していく――と書いただけではこの物語の面白さが伝わらないことに気づく。それでは普通のミステリのような印象を与えてしまうが、実は全然普通ではないのだ。やっぱり第一部のラストを割らなければだめだ。そこで第一部のラストで明らかになるこの「美しい町=エデン」の成り立ちを紹介するが、そんなの知りたくないという方はここで本書を伏せ、第一部『パインズ』をお読みください。出来ればそのあとで第二部『ウェイワード』も読み、最後に第三部の本書をお読みになるのがいちばんいい。やはり第一部から順番に読むことをおすすめしたい。そのほうが衝撃度も高まるだろう。しかし、本書の前に二冊も読むのかよ、と言いたい方もいるかもしれないので、そういう方のために三部作の設定とこれまでの経緯を書いておく。
(後略)>
最終的には、さすがの北上さんも、前作のネタバレなしで紹介するのを諦めてしまった(^^ゞ。と言いながら、すでに少しはネタバレを書いてしまっている……
ということで実は、バカ親父も半分以上諦めているのだが、一昨日発売の『週刊文春』(9月10日号)の「ミステリーレビュー」で、池上冬樹さんがギリギリのところで踏ん張って本作を紹介していた。素直な気持ちも書かれていて面白い。
次のようなものだ。
<ブレイク・クラウチの『ラスト・タウン―神の怒り―』(ハヤカワ文庫 980円+税)は、『パインズ』『ウェイワード』に続く三部作の完結篇。物語は町のからくりを知った住民たちと町の創設者が対立し、創設者が外界を隔てるゲートをあけたものだから、異形の生き物が押しかけて地獄絵図になるというもの。
保安官イーサン・バークたちがいかにして窮地を脱するのかが、町のさらなる秘密と隠された人間ドラマの顕在化を通して描かれるわけだが、前半は異形の生物との戦いが主。細かい脇役達を忘れているので感情移入するのが難しいものの、シリーズの伏線の回収や事件の着地点への模索など強く牽引するものがある。テレビ・ドラマにありがちな(実際マット・ディロン主演でドラマ化された)クリフハンガー的な結末は、小説を映像メディアに売り渡したような狡猾さで肩すかしだが。>
採点は★★★★となっていた。
今回のラストも、想像していたのとはまったく違う驚くべきものではあったが、確かに、映画にしたときの映像としてはこんなふうになるんだろうな、と思えるものだった(^^ゞ。
それはさておき、前記の北上さんの「解説」の続きは、
<(第一部、並びに第二部の背景を書いてしまうので、未読の方は注意されたい)>という注意書きの後で書かれていき、第三部の内容紹介となるのだが、それは省略して、最後のところだけ引用しておくことにする。
<アビーが住人たちを次々に襲う凄惨(せいさん)な場面を読みながら、本当に彼らの生きる道はもうないのだろうか――と、胸が少しずつ熱くなっていく。唐突ながら、ここで第一部のラストを思い出す。すべての謎を合理的に解く方法はあるのだろうかと思っていたときに、あのラストがどかーんと出現した。だったら、この第三部のラストにも、すべてを吹き飛ばす道が待っているのではないか。町の外には荒廃した地球が広がっていて、逃げる場所はどこにもない。隠れたとしても食料の備蓄は四年分しかない。だからアビーと戦うしかないが、武器も満足になく、アビーは倒れても死んでも次々に町に入り込んでくる――こういう絶望的な状況を一気に解決する方法が本当にあるのだろうか。
このまま終わってしまったらエンターテインメントとして後味が悪いことこのうえもないから、何か策を考えているはずだ。しかしいくら考えても、この絶体絶命の状況を脱出する方法は見つからない。さあ、どうするクラウチ。
三部作の最終篇である本書のラストは、いくらなんでも明かせない。こればかりはお読みいただきたい。ここに書くことが出来るのは、なんだか続きを読みたくなってくるということだけだ。これで終わりとは殺生(せっしょう)だ。この続きを読みたいぞ、と妄想がどんどんひろがっていくのである。>
ということで、このシリーズの完結篇『ラスト・タウン』の紹介は、北上さんと池上さんの尻馬に乗った(?)ようなものでオシマイとさせていただく(^^ゞ。
<今日のお薦め本>
『ラスト・タウン ―神の怒り―』 ブレイク・クラウチ 著、東野さやか 訳、ハヤカワ文庫、1058円、15.08.15. 発行
<後記>この記事を読んだ方は欲求不満でストレスに苛まれるかもしれませんが、ご容赦ください(^^)/。
この三部作は、やっぱり第一作から完結篇まで一気に読み通すのが、一番いいような気がします。
最初はごく普通のサスペンスタッチのミステリーだと思いながら読んでいくと、一気にSFの世界に呑み込まれていきます。
それがちょっと快感になると思います(^^♪。
この完結篇のエピローグは、なんとたったの一行で終わります。(これもネタバレになるのかな?)
北上さんが、
<これで終わりとは殺生(せっしょう)だ。この続きを読みたいぞ、と妄想がどんどんひろがっていくのである。>
と書いていますが、バカ親父は妄想は広がるものの、読みたいような読みたくないような……微妙な感じでした(^^ゞ。
昨日(4日)は陽射しもありましたが曇りがちで、蒸し暑かったです。
夕方の散歩の時は、薄雲が踊っているだけで晴れてきていました。
夕日は見られないかなと思っていたら、公園を回っている間に見えてきました。
でも、すぐに落日になりました。
飛行機雲が見えました。
踊る薄雲が流れていきます。
SORAは原っぱでうろうろクンクンしてから、ベンチに上ってあちこち見ていました。
バカ親父は空と雲とワンコの観察(^^ゞ。
この柴ワンコとフレンチ・ブルの2匹は、じゃれ合ってよく遊んでいました。
SORAは、気になる柴ワンコが公園の端を歩いていくのに気がつき、すっくと立ち上がりました。
そのあと、その匂いをたどってクンクンと歩き回りました。バカ親父はそれにつき合いながら、空の写真を撮っていきます。
薄雲が少しだけピンクに染まっていきました。
右の方にいる雑種犬は、保護されたワンコです。SORAは以前はとても気にしていて、近づくとウーとか唸ってましたが、最近は気にしなくなりました(^^ゞ。
帰ることにします。
今日(5日)は晴れました。午前中は爽やかだったのですが、午後になって蒸し暑くなってます。
明日からはまた、曇りがちの一週間になりそうです。

































この記事へのコメント
今日は午後から蒸し暑くなりましたが、陽射しのあるところだと暑くて大変だったんじゃないでしょうか。
seizi05さんも、ご自愛ください。
ねこのひげは三部作を読み終わってから乾燥を書こうかと思っておりましたが、ネタバレをせざるを得ないな~と悩んでおりました。
オビの所にあるマークを送るとDVDが貰えるかも。
今週も雨が多いようですね。まさに秋の長雨ですな。
そうそう、都内の公園でヒガンバナを見つけました。
秋ですね~
我が家のはまだなようですけどね。
連続ものの三部作だから、ネタバレをしないで内容紹介をするのは難しいですね。なんとか、北上さんと池上さんの力を借りてごまかしましたが、それでもちょっとネタバレになってます(^^)/。
DVDが当たるマークなんていうのがありましたか。気がつきませんでした。見てみます。
今日も午後からは雨になるようですね。雨の降る天気が多いようです。
ヒガンバナが咲き始めたようですね。うちもまだですが(^^ゞ。