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zoom RSS 『さよなら、シリアルキラー』

<<   作成日時 : 2018/04/13 23:30   >>

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                〔屋根の上のカラス。縁起が悪い?(^^ゞ〕


 米国の作家バリー・ライガの緊迫感溢れる異色の青春ミステリー『さよなら、シリアルキラー』を紹介する。

 プロローグは、次のように始まる。


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 ジャズが町はずれの空き地に着いたときには、警察の黄色いテープがそこらじゅうに張りめぐらされて、杭と杭のあいだにたれさがり、いびつな六角形をつくっていた。
 空き地は警官でごったがえしていた。カーキ色の制服の州警察官、青い制服の保安官助手、さらにはジーンズにウィンドブレーカー姿の鑑識官までいる。ジャズがとくに注意をひかれたのは、その鑑識官たちだ。ロボズ・ノッドの町に専門の鑑識チームはない。だから、現場での証拠集めはふつう、保安官助手がする。わざわざ町ふたつ向こうから鑑識官を呼びよせた(それも日曜日の朝に)ということだけで、捜査の真剣度がわかるというものだ。保安官助手が何人か、四つん這いになって、地面に顔を近づけている。金属探知機を持った男が、現場保全用のテープのすぐ外をゆっくり行ったり来たりしている。州警察官のひとりが、安物のデジタルビデオカメラをかまえて、そろそろと現場の周囲を歩いている。
 それらの作業に目を光らせているのが、保安官のG・ウィリアム・タナーだ。現場の隅に立ち、せりだした腹に両の拳(こぶし)をあてて、自分の命令下で動く部下たちを見守っている。
 ジャスパージャズ=Eデントは、警官にみつからないよう、最後の十五ヤードは背の高い草とやぶのなかを腹ばいで進み、見通しのきく場所まで慎重に近づいた。かつてハリソンの農場だった空き地のこのあたりは、そのころは一面の大豆畑だったが、いまでは折れたりたわんだりした草の茎や雑草、蒲(がま)と低木の茂みに覆われている。身を隠すには持ってこいだ。ここからなら、黄色いテープで区切られた事件現場全体が見わたせる。
「何があったんだ?」ジャズが口のなかでつぶやいたとき、死体から十フィートほどのところにいたビデオカメラの警官が突然何か叫んだ。離れているのでなんと言ったかはわからなかったが、大変なことらしいのはわかった。というのも、全員いっせいにそっちを振りかえり、保安官助手のひとりが駆け寄っていったからだ。
 ジャズは双眼鏡を目にあてた。双眼鏡は三つ持っていて、それぞれ用途が異なる。どれも父からのプレゼントだ。ジャズの父が息子にそれを与えたのには、明確な理由があった。
(後略)> 


 死体発見現場で警察の捜査が行われているようだ。
 それを双眼鏡を片手に隠れて見ているジャズという男はいったい何者なのか?
 なぜそんなことをしているのだろうか?

 ジャズ(ジャスパー・デント)は、田舎町ロボズ・ノッドに住む17歳の高校三年生である。
 日ごとに認知症がひどくなる祖母とふたりで生活しているのだが、その日の朝、自分の部屋にこもっていたジャズは、警察無線の傍受機から、遺棄死体が見つかったというコード2213が告げられるのを聞いた。
 彼はあらかじめ張り込みに必要なものを詰め込んだバックパックをつかむと、祖母と鉢合わせしないように雨どいを伝い下りて、町のはずれにある空き地に向かったのである。
 ジャズが双眼鏡で見たものは、裸の女性の死体と、証拠品袋に入った切断された指だった。
 それを見たジャズは動揺を覚えるが、これは連続殺人事件になると、町の保安官G・ウィリアムに訴える。

 なぜジャズは、この事件を連続殺人だと確信したのだろうか?
 実は、彼の父ビリー・デントは21年間に123人を殺したシリアルキラーで、21世紀最悪の連続殺人犯と呼ばれる人物だった。
 ジャズは幼いころから、そんな父親により殺人の技術や知識を“家業を継ぐ者”として英才教育されていたのである。
 殺人鬼としての教育を受けたジャズから見れば、指の切断というのは記念品を収集するというシリアルキラーの習性であることは明らかだったのだ。

 ビリー・デントは故郷であるロボズ・ノッドでの最後の殺人で、G・ウィリアムに逮捕され、現在は刑務所に収監されていた。
 子どものころに母親が行方不明になっていたジャズは、認知症の祖母と暮らすことになったのだが、保安官のG・ウィリアムは彼の行く末を心配して、後見人のような気持ちでジャズを見守っていたのである。
 G・ウィリアムはジャズの説に賛同しないだけでなく、事件に関わろうとすることも咎める。
 それは、この小さな町で殺人が続けば、疑いの目はまちがいなくシリアルキラーの息子のジャズに向けられてしまうからである。

 それでもジャズは、自らがいつかシリアルキラーになってしまうのではないかという内なる怖れに苦悩しながら、それだからこそ何とか犯人の凶行を止めようと、ビリーに仕込まれた殺人者の心理を駆使して独自の捜査を始めた。
 そこには、血友病というハンディを背負ってはいるがユーモアのある親友ハウイー・ガーステンの助けがあったし、黒人の恋人コニーは精神的にジャズを支えていくのだった。

 はたして、ジャズたちは犯人を見つけ出し、凶行を食い止めることができるのだろうか?
 ラストでは、ワア〜、どうなっちゃうんだ! と思わせる危機がジャズに襲いかかる。
 そして、思いもかけないことも起こってしまう。

 猟奇的な殺人事件が起きていく物語ではあるが、どこか優しさとナイーヴさを感じさせる不思議な読み心地のある青春ミステリーである(^^ゞ。


<今日のお薦め本>
『さよなら、シリアルキラー I HUNT KILLERS』 バリー・ライガ 著、満園真木 訳、創元推理文庫、1296円、15.05.15. 初版
 著者について、カバー裏から紹介しておきます。
<1971年アメリカ生まれ。イェール大学卒業後、漫画業界で働く。2006年に The Astonishing Adventures of Fanboy and goth Girl でデビュー。以来YA小説を中心に作品を発表。本書は2作目 Game、3作目 Blood of My Blood と続く三部作1作目。>

さよなら、シリアルキラー (創元推理文庫)
東京創元社
バリー・ライガ

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<後記>以前に紹介した『解錠師』とか『ジョイランド』と同系統の青春ミステリーで、こういう物語にとても心惹かれます(^^ゞ。
 シリアルキラーの息子という、特殊な生い立ちの主人公ジャズが探偵役だというところが面白いです。
 それも父親から殺人技術や思考法を教え込まれ、彼は異常心理のプロフェッショナルになっています。
 それが犯人の行動を分析し、追い詰めていくことに利するわけですが、一方で他人の心理を繰る能力があり、周りの人間の心を操作してしまうこともあります。
 そんな自分に嫌悪感をもったり、シリアルキラーになってしまうのではないかという怖れと葛藤に苛まれてもいきます。
 そんなジャズの不安定な心に寄り添い支えていく親友のハウイーや恋人のコニーが、とてもいい味を出しています。
 繊細な筆致で描かれた心温まる青春ミステリーです(^^ゞ。

 本書は3年前に刊行されて評判を呼びましたが、読み逃していました。
 遅まきながら読んでみましたが、読み応えのあるハラハラドキドキの面白い青春小説だといえます。3部作の一作目で、あとの2作も邦訳されているということなので、是非読んでみたいです(^^)/。

 今日(13日)は朝からいい天気になりました。気温もほどほどで過ごしやすかったです。
 カミさんが着付けの仕事に行ったので朝の散歩にも出ました。

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 こんな爽やかな朝空でした。

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 SORAは原っぱでスリスリしたり、

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 気になる黒ラブが見えなくなるまで、ずーっと見たりしてました(^^ゞ。

 カミさんは午後3時ころに帰ってきました。
 夕方の散歩は5時ちょっと過ぎに出ました。快晴でした。
 公園を回って、原っぱをウロウロしましたが、出会った花や木を載せておきます。

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 八重のヤマブキです。

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 藤の花が咲き始めました。

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 公園内のツツジも次々と咲いてきています。

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 ユズリハの新しい葉が上部に出てきました。下部の古い葉はそのうちに落ちてしまいます。
 夕空と落日の様子を並べておきます。

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 SORAは、やっぱりスリスリをしました(^^)/。

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 帰りの草つきの斜面で一休みしました。

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 そのうちに、なぜか寄り添ってきました(^^ゞ。

 明日(14日)は朝方までは晴れますが、しだいに雲が多くなり、にわか雨の可能性があるようです。夕方くらいからは強風にも注意が必要そうです。
 明後日(15日)は春の嵐になりそうです。

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『運のいい日』
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2018/05/05 22:44

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。
こういう主人公は大好きなんですが、全く孤独だと読んでいてつらくなります。親友や恋人がいてくれるなら、読めそう、というので、早速、注文しましたよ。
毎日ばらいろ
2018/04/14 15:11
☆ 毎日ばらいろ さん、こんにちは♪
 青春ミステリーがお好きですか(^^ゞ。
 そうですね、主人公が孤独すぎると、辛くなりますね。
 この物語では、親友や恋人が主人公を支えてくれて、読んでいて嬉しくなります。
 楽しめると思います(^^♪。
遊哉
2018/04/14 18:58

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