団塊バカ親父の散歩話

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zoom RSS 『北氷洋』

<<   作成日時 : 2018/09/05 22:44   >>

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                〔今日の落日直前の夕空〕


 19世紀の中葉、北氷洋に向かった捕鯨船を舞台にしたサバイバル・サスペンス『北氷洋』を紹介する。
 作者は英国人作家イアン・マグワイアである。

 実は20日ほど前だが、『本の雑誌』9月号の「ミステリー春夏秋冬(あきないちゅう)」に、宇田川拓也さん(千葉県船橋市ときわ書房本店勤務のミステリ偏愛書店員)がこの本について紹介していた。
 タイトルは「荒ぶる海洋冒険サスペンス『北氷洋』を前のめりでオススメだ!」というものだった(^^)/。
 こんなことが書かれていた。


<もう何年もページに喰らいついて貪り読むような「海洋冒険サスペンス」に出会っていない――とお嘆きの読者諸兄よ。ついにその渇きを存分に癒すときが、やってきた。さあ、迷うことはなにもない。指折り数えて発売日を迎えたら、この荒ぶる傑作に飛びつくのだ!
 そう前のめりでオススメしたくなるのが、八月二十九日発売予定、イアン・マグワイア『北氷洋』(新潮文庫/訳・高見浩)だ。
 十九世紀、北極海を目指して、イギリスの港町から出港した捕鯨船ヴォランティア号。乗組員は、戦争で心に深い傷を負った船医のサムナー、以前の航海で大勢の船員を犠牲にしている船長のブラウンリー、自身の欲望の赴くままに生きる残忍な銛師のドラックスといったひと筋縄ではいかない者たちばかり。不穏な空気を漂わせたまま冬の海を進む船だったが、やがて船内で猟奇的な殺人事件が――⁉ という紹介の仕方だと、なにやら古典的な船上ミステリーのようだが、ここから物語は凶暴な真の貌を見せ始め、登場人物たちに過酷な運命を背負わせて突き進んでいく。襲い掛かる自然の猛威、凍てつく船上で繰り広げられる死闘、航海に秘められた陰謀、そして血と暴力の果てに生き残るのは?
 版元から書店に向けて送信されたFAXには「今年の海外エンタメは、コレさえ読めば間違いなし‼」という強気にもほどがある文言がバシーン! と記されていたが、読めば胸を張ってそういいたくなるのも至極納得の必読作である。>


 さあ、こんな紹介文を読んだら読まずにはいられない(^^ゞ。
 発売日に本屋に行って手に入れて、読んでみた。面白かった(^^)/。

 プロローグは次のように始まる。


<    1

この男を見よ。
 クラピソン広場からサイクス通りにふらりと現れた男は、そこで一息つく。吸い込んだ空気には雑多な臭(にお)いがまじっている――テレピン油、魚粉、辛子、黒鉛。そして、夜明けに尿瓶(しびん)から路面にあけられたばかりの、常と変わらぬ濃い尿の臭い。男はふんと鼻を鳴らし、剛(こわ)い頭髪を撫(な)でまわしてからズボンの股(また)ぐらの突っ張りを直す。その指先をくんくんと嗅(か)ぎ、五指を順ぐりにゆっくりと口中に入れて残っていた味わいを舐(な)めとって、払った金相応の愉悦をしゃぶり尽くす。チャーターハウス小路の端まできたところで北に向かい、ウィンカムリー通りに入る。〈ド・ラ・ポール酒場〉の前を通り、鯨油ろうそく工場と油種子の採油工場の前を通りすぎる。倉庫の屋根越しに、ゆったりと揺れる帆船のメインマストやミズンマストの頭頂部が見える。港湾労務者の叫び声や近くの桶屋(おけや)の鈍い槌音(つちおと)が聞こえる。なめらかにすり減った赤煉瓦(あかれんが)を肩先が撫で、かたわらを野良犬(のらいぬ)が走り抜ける。雑に断裁された木材を満載した荷車が通りすぎる。男はまた大きく息を吸い込んで、不揃(ふぞろ)いな堡塁(ほうるい)のような歯を舌の先で嘗めまわす。新たな欲望のうごめきを感じる。体の底から頭をもたげる。ささやかだが執拗(しつよう)な願望。満たしてくれとせがむ新たな衝動。乗り組む船は明日の夜明けと共に出港する。その前に、どうにかこいつを処理しなければ。あたりを見まわして、一瞬、この衝動は何だと自問する。豚肉屋から漂うピンク色の血の匂(にお)いと、すれちがう女の薄汚れたスカートが揺れるさまに注意が向く。一瞬、獣と人間の肉を意識してから、いや、ちがう、と思う――あの欲求ではない。まだ、あれではない、と思い直す。これはもっと穏当な欲求、さほど切迫していない欲求だ。
(後略)>


 なんだか、19世紀中ごろの英国の港町の臭いにむせそうな感じである。
 石油が使われるようになり、鯨油の需要が少なくなってきた時代である。
 「この男」とは宇田川さんの解説にあった“自身の欲望の赴くままに生きる残忍な銛師のドラックス”である。
 過酷な運命に彩られたこの物語の重要な登場人物のひとりである。

 あらすじは、あまり書けない(^^ゞ。
 “北氷洋に向かったヴォランティア号という捕鯨船がたどる想像を超えた過酷な運命と、そこでの人間の本性と自然の脅威を描く物語”である、というくらいで止めておく(^^)/。

 そのかわりと言っては何だが、40名の荒くれた乗組員のうち、上記ドラックス以外の主な登場人物を少し紹介しておく。
 主人公は、アイルランド出身の若い船医パトリック・サムナーである。インドのデリーでの凄惨な戦いに参戦していたが、上官の愚かな指令の尻拭いをさせられて退役し、英国に戻ってきた。
 まともな医者の仕事は見つからず、仕方なく船医としてヴォランティア号に乗り組むことととなった。阿片抜きには安眠を貪れない男になっている。
 キリスト教には距離を置くが、この世には善悪の基準があっていいはずだと思っている。対局の存在であるドラックスとは、緊張をはらんだ対立関係になっていく。

 船主のバクスターは船には乗らないものの、金に目がない男で密謀を企て、船を北氷洋に送り出した。
 船長のブラウンリーは熟練の船乗りだが、この航海の真の目的に関わるバクスターの密謀に加担していた。
 一等航海士のキャヴェンディッシュは、お調子者で騙されやすい単純な男である。
 このほかに、二等航海士のブラック、給仕係の少年ハンナ、思索好きのドイツ人で銛師のオットー、船付き大工のマッケンドリックなどが登場する。

 自然対人間、そして人間同士の関係からぎりぎりの極限状況に追い込まれた登場人物たちが、必死に生き抜こうとするさまを圧倒的な筆力で描いていく。
 人間とは何か? 人間の条件とは? そんな普遍的なテーマを追求した人間臭い物語である。


<今日のお薦め本>
『北氷洋 The North Water』 イアン・マグワイア 著、高見 浩 訳、新潮文庫、853円、18.09.01. 発行
 著者について、カバー裏から紹介しておきます。
<1964年英国生まれ。マンチェスター大学で学び、サセックス大学で文学修士、その後ヴァージニア大学で博士号を取得。マンチェスター大学で名誉上級講師として創作と批評を教える。2006年『Incredible Bodies』で作家デビュー。2作目の小説『北氷洋 The North Water』は、2016年のブッカー賞の候補作となり、ニューヨーク・タイムズの2016年度ベスト・フィクション5冊のうちの1冊に選ばれる。>

北氷洋: The North Water (新潮文庫)
新潮社
2018-08-29
イアン マグワイア

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<後記>メルヴィルの『白鯨』を彷彿とさせる捕鯨の描写とか、北氷洋の過酷な自然とか、イヌイットの狩りや生活の描写を、とても興味深く読むことができました。
 「訳者あとがき」に、『ニューヨーク・タイムズ』の厳しい批評で有名なミチコ・カクタニの次のような批評が紹介されています。
 “本書は……俊敏にして獰猛(どうもう)、容赦なく抗(あらが)いがたい巨大なホホジロザメのような小説”
 まさにそんなスリラーであり、サバイバル・サスペンスです(^^ゞ。
 残暑の今ごろには最適(?)の物語です(^^)/。

 今朝(5日)は雨が少し降っていて風もわりとありました。
 カミさんが朝から着付けの仕事に行くと言っていたので、6時ころ散歩に出ました。

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 公園の斜面を上って、原っぱに向かいます。

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 今朝はカラスが多くて、こんなシルエットも見られました(^^)/。

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 ちょこっと降っていた雨は止みました。雲が多いものの、西空の低空には青空も少し見えました。

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 原っぱをウロウロしていきます。

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 また、カラスのシルエット(^^ゞ。

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 ムクドリもたくさん来ていました。

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 朝日はまったく見えません。

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 SORAが階段を下り始めたので帰ることにしました。

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 9時ころになると陽射しが出てきて、しだいに雲も取れていい天気になりました。気温も上がっていきました。
 カミさんはメールが来て、12時ころまでに行けばいいことになったということで、11時ちょっと前に出かけていきました。
 早起きして損した!(^^)/。

 夕方の散歩は5時半ころに出ました。

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 薄雲はあるものの、ほとんど快晴です。夕日も見えました。
 公園を回っていきました。

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 落日直前になりました。

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 原っぱをウロウロしながらベンチに向かいます。ときどき南西の風が強く吹いていました。

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 SORAはスリスリしまくりました(^^)/。

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 小焼けの夕空です。

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 かわいい雲たち(^^ゞ。

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 SORAはのんびりマッタリし始めました。

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 少しずつ暗くなっていきます。

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 帰ることにしました。

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 ボケボケのスリスリ(^^)/。

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 明日(6日)の横浜の南の端っこの天気は、晴れの一日で、厳しい残暑になるようです。
 明後日以降はスッキリしない天気が続きそうなので、貴重な晴れになりそうです。

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