『ザ・プロフェッサー』




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               〔夕方見つけた藤の花〕


 米国の作家ロバート・ベイリーの傑作リーガル(法廷)スリラーの、シリーズ第1弾『ザ・プロフェッサー』を紹介してみる。

 法廷ものというのはどうも苦手なのだが、この本のある書評を読んでどうしても読みたくなってしまったのである。
 それは『週刊文春』(3月28日号)の池上冬樹さんの「ミステリーレビュー」である。
 次のようなものだった。

<昂奮どころか幕切れの余韻もたっぷりなのが、ロバート・ベイリーの『ザ・プロフェッサー』で、出色のリーガル・スリラーだ。
 アラバマ大学ロースクール教授のトムは六十八歳、証拠論の専門家として著名だが、妻を癌で亡くし、教え子リックとの暴力沙汰で職を追われ、膀胱癌に冒されていた。そんなトムの所に昔の恋人が訪ねてきて、トレーラー事故で娘一家を奪われた事件の訴訟を起こしたいと依頼される。トムはリックを紹介するが……。
 横山秀夫やディック・フランシスの小説がそうであるように、主人公に強い負荷のかかった小説は、読者の気持ちを熱くさせる。トムは友人の弁護士に裏切られるが、その弁護士が裁判の敵側となる。敵側は圧倒的に強く、老いぼれ教授たちが勝てる見込みは薄い。しかし絶体絶命の危機的状況から少しずつ勝利をつかもうとする過程がたまらない。失職して病に冒された教授を激励する友人の判事や、教え子たちの存在もよく(とくに黒人の弁護士がいい!)、節々で目頭が熱くなる。中盤以降の法廷劇も緊迫感みなぎり、意外性もあり、人間ドラマもしかと書き込まれて白熱していき、大満足の結末となる。>
 ちなみに、採点は★★★★だった。


 ということで紹介は終わろうとも思ったのだが、もう少しだけ詳しくあらすじを書いておく(^^ゞ。

 舞台はアラバマ州の地方都市タスカルーサである。
 トム・マクマートリーは、かつて大学フットボールの全米王者となり、卒業後は弁護士の道へ進むも、恩師であるポール・〝ベア〟・ブライアント・コーチの導きで、母校ロースクールの教授となっていた。
 68歳となった現在、法学者として確固たる地位を築いていたのである。
 だが、模擬裁判の全国大会での教え子リック・ドレイクとの諍いがユーチューブで流され、また学生アシスタントとして雇ったシングルマザーのドーン・マーフィーとのいわれなき不倫を理由に、大学を追われる。
 そこには大学の顧問弁護士となっていた、友人であり元教え子でもあったジャイムソン・タイラーの裏切りがあった。
 さらに追い打ちをかけるように膀胱癌に侵されているいることがわかり、癌で愛妻を失っていたこともあって、病気の治療をしながら隠遁生活をすることにしていた。

 そんな折、トムの前に若かりしころの恋人ルース・アンが現れた。
 娘夫婦と孫娘をトレーラートラックとの衝突事故で失った彼女は、「真相を知りたい」とトラック運送会社を相手取って訴訟を起こしたいとトムに相談したのだった。
 40年も法廷を離れ、病魔にも侵されていたトムは、諍いのあと絶縁状態にあった教え子リックを彼女に紹介し、自らは故郷に身を隠してしまった。

 リックはトムとの一件のせいで、大手法律事務所への就職を取り消され、個人で事務所を立ち上げ、細々と仕事をしていた。
 過去の確執からいったんはトムの紹介を断ったが、大型訴訟案件を前に心が揺らぎ、トムが一切関わらないことを条件に、ルース・アンの訴訟を引き受けることにした。
 相棒としてドーン・マーフィーを雇うことになったのだが、これはトムがリックには内緒で取り計らったことだった。

 リックらは、トラック運送会社の不適切な労務管理によるスピード違反が常態化していたことを突き止め、その証拠を集めようとするが、運送会社社長ジャック・ウィリストーンの執拗な妨害にあり苦戦する。
 そのうえ、被告側の弁護士になったのは、トムの退職を画策し、リックの大手法律事務所の採用を取り消した張本人の、あのジェイムソン・タイラーだった。

 リックは、事故を起こしたトラック運転手の妻ウィルマ・ニュートンの証言を最後の頼みの綱として裁判に臨んだが、窮地に立たされ法廷で立ち尽くした。
 そのとき、静まり返った法廷のドアを開けて現れたのはトムだった。
 トムとリックふたりの正義と矜持をかけた反撃が始まった。

 はたして、トムとリック、そしてその仲間たちは勝訴することができるのだろうか?
 ハラハラ、ドキドキとラストまで一気に読ませるリーガル・スリラー・サスペンスである(^^)/。


<今日のお薦め本>
『ザ・プロフェッサー THE PROFESSOR』 ロバート・ベイリー 著、吉野弘人 訳、小学館文庫、1048円、19.03.11. 初版第一刷発行
 著者について、カバー裏から紹介しておきます。
<米国アラバマ州出身。アラバマ大学ロースクールを卒業後、地元ハンツビルで弁護士として活躍し、一四年に本作で作家デビュー。ビバリーヒルズ・ブック・アワードのリーガル・スリラー部門を受賞、以後、シリーズ二・三作目『Between Black and White』 『The Last Trial』を発表、四作目『The Final Reckoning』の刊行も決まり、注目を集めている。>

ザ・プロフェッサー (小学館文庫)
小学館
2019-03-06
ロバート ベイリー

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<後記>年齢も性格もまったく違うトムとリックというふたりの主人公が、苦難を乗り越えて裁判に勝利するというシンプルな話ですが、これがなかなか面白いのです。
 トムは老いと病から人生に絶望し、リックは若さゆえの失敗に苦悩するのですが、ふたりとも決して諦めず、勝利を追い求めながら再生と成長を果たしていきます。
 異なる個性をもったふたりがぶつかり合いながら正義を求める相棒(バディ)小説であることが、魅力となってもいます。
 その他にもトムとリックの片腕として働く味のある登場人物たちが、複雑な人間関係を形づくりながら描かれていきます。
 そんな人間たちを巧みに描いているリーガル・スリラー・サスペンスで、心躍らせる魅力があります(^^)/。
 年寄りに“生きる力を蘇らせなきゃいけない”と思わせるような物語でもあります(^^ゞ。

 このシリーズは今まで第3弾まで刊行され、この4月には第4弾が刊行予定だそうです。
 2弾目以降の邦訳が待たれるところです(^^ゞ。

 今日(23日)は朝方はちょっと曇っていましたが、すぐに陽射しが届くようになりました。
 昨日ほどではないですが気温が上がって、過ごしやすかったです。
 日中はダラダラと過ごしました(^^ゞ。

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 昼過ぎのSORAです。炬燵の脇で寝ていました(^^ゞ。
 夕方の散歩は5時ころに出ました。
 公園を斜めに上っていきます。

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 公園のツツジもたくさん咲いています。

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 上空には薄雲が浮かんでいました。

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 薄雲を通して夕日が見えました。

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 原っぱに出てウロウロしていきました。

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 SORAはさっそくスリスリ(^^ゞ。
 そのあと、ロングリードに替えてボール遊びをしたのですが、

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 遠くに見えた黒柴にロック・オンして、動かなくなってしまいました(^^)/。

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 上空の薄雲です。
 ベンチに行きました。

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 夕日の背後の刷毛で刷いたような薄雲が、少しずつ形を変えていきました。

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 さっきの黒柴が戻ってきて、SORAはまたロック・オンしていました(^^)/。

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 黒柴が帰ると、あとはマッタリ(^^ゞ。

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 SORAはベンチを下りて、あちこち眺めていました(^^ゞ。

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 北の薄雲も少しずつ形を変えていきました。

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 帰ることにしました。

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 ハナミズキが咲き始めました。例年よりちょっと早いような気がします。

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 明日(24日)の横浜の南の端っこの天気は、雲が多く、朝晩を中心ににわか雨が降りそうです。
 昼間の暑さは控えめになるようです。


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