『緋(あか)い空の下で』




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               〔庭の片隅で未だ咲いているミヤコワスレ(^^ゞ〕


 実在した青年レジスタンスの冒険を描く、衝撃のイタリア戦争秘史『緋(あか)い空の下で』を紹介する。
 著者は米国の作家マーク・サリヴァンである。


 プロローグは、次のように始まった。


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一九四三年六月九日
イタリア ミラノ

 歴代の皇帝や専制君主の例にもれず、ムッソリーニ統帥もまた自分の築きあげた帝国が結局はもろくも瓦解(がかい)するのを見るはめになっていた。実際その晩春の午後に、権力はベニート・ムッソリーニの手からこぼれ落ちつつあった――若くして未亡人になった女の心から喜びがこぼれ落ちていくように。
 ファシストの独裁者が率いる軍隊は、ぼろぼろになって北アフリカから撤退していた。シチリア沖では連合国軍が機をうかがっていた。そしてアドルフ・ヒトラーはイタリア半島を要塞(ようさい)化するため毎日兵や補給品を南に送り込んできた。
 ピノ・レッラは毎晩聞いている短波ラジオのBBC放送でこうしたことをすべて知っていた。行く先々でナチが数を増やしているのを自分の目で見てもいた。だが、いまのピノは迫りくる戦火の脅威にものんびり構え、ミラノの古い通りをぶらぶら歩いていた。ピノにとって第二次世界大戦は単なるニュースにすぎず、ラジオで聞いた次の瞬間にはお気に入りの三つのテーマに興味が移っていた――すなわち女の子と、音楽と、食べることに。
 なんといってもまだ十七歳のひょろっとした少年にすぎないのだ。身長一メートル八十五、体重七十五キロ、大きな手足に、なかなか思いどおりにならない髪。それに顔のにきびといまひとつスマートさに欠ける言動のせいで、女の子を映画に誘っても応じてもらえたためしがない。それでもめげないのがピノらしいところだが。
(後略)>


 主人公は、このピノ・レッラというミラノに住む、女の子とジャズと食べ物に夢中のまだ少年ぽさを残す17歳の青年である。
 あらすじは、表紙裏を基に簡単にまとめておく。

 1943年のイタリアのミラノで、ピノ・レッラの運命は、第二次世界大戦の戦火が市街へと拡大するにつれ激変した。
 鞄店を営む父母の意向で、2歳下の弟ミモ(ドメニコ)とふたりでアルプス山中の自然学校〈カーサ・アルピナ〉に疎開することになった。
 ピノはそこで、運営者で聖職者のレ神父から指示を受け、日夜アルプス登山に勤しんだが、それはある特殊な任務のための訓練だった。
 ナチスに追われるイタリア在住のユダヤ人を、山越えでスイスへと逃す手伝いをさせようというのだ。
 ピノは危険を覚悟で、道案内役を引き受けることにした。しばらくして、弟のミモも参加するようになった。

 アルプス山岳ルートを用いたユダヤ人逃亡支援を続けていたピノは、やがて軍役に就くためにミラノに呼び戻された。
 1944年夏、ひょんなきっかけから、イタリアにおけるナチスのナンバー2の権力者であるドイツ国防軍少将ハンス・ライヤースの運転手に指名されてしまった。
 ナチスの下で働くのは気の進まないピノだったが、レジスタンスと繋がる叔父アルバート・アルバネーゼの頼みで、スパイとして反ナチス運動に協力することを決意した。
 ハンス・ライヤースの言動をピノがアルバートに逐一報告し、それをアルバートが連絡員を使って連合国軍に伝える。それが連合国軍の爆撃などの作戦を的確なものにしていったのである。

 ピノは運命の女性アンナとの再会、垣間見るナチスドイツの内幕、次々と訪れる親しい人たちの死……。
 数奇で苛酷な運命に翻弄されるピノに、未来はあるのだろうか?
 実在したレジスタンスの半生を基に描かれた、驚愕の傑作戦時冒険小説である(^^)/。


<今日のお薦め本>
『緋(あか)い空の下で Beneath A Scarlet Sky』 (上・下)、マーク・サイヴァン 著、霜月 桂 訳、扶桑社文庫、各1058円、19.05.10. 初版第1刷発行
 著者について、カバー裏から紹介しておきます。
<1994年に作家でデビュー。ジェイムズ・パタースンとの共著“Private Games”シリーズで知られるほか、邦訳に『地底迷宮』(新潮文庫)、『ロビン・モナーク』シリーズ(竹書房)などがある。10年に及ぶ取材を経て書かれた著者初の歴史小説となる本書の大ヒットで、ベストセラー作家の仲間入りを果たす。モンタナ州ボーズマン在住。>

緋い空の下で(上) (海外文庫)
扶桑社
2019-04-27
マーク・サリヴァン

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緋い空の下で(下) (海外文庫)
扶桑社
2019-04-27
マーク・サリヴァン

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<後記>長い物語ですが、面白くて3日ほどで一気に読み終わりました(^^)/。
 物語は怒涛の勢いで展開し、ピノの波乱に満ちたわずか2年間の行動や経験を、読者は息つく暇もなく駆け抜けることになります。

 ピノの運命の女性アンナというのは、紹介したプロローグのちょっとあとに出てきます。
 ミラノの街かどで見かけて声をかけ、映画デートの約束をとりつけた美しい女性がアンナです。
 結局アンナは約束の時間に現れず、ピノは弟のミモと映画を観るのですが、その時連合国軍のミラノへのはじめての空爆で映画館は破壊されます。
 軽い怪我で済んだピノですが、戦争の過酷さと空虚さを身に沁みて感じることになったのでした。
 そして、アンナとは思いもかけないところで再会することになるのです。

 アクション、冒険、恋愛、そして戦闘などが叙事詩的に描かれていきます。
 本作は、「スパイダーマン・ホームカミング」のトム・ホランドを主演に映画化されることが決まっているそうです。
 とても面白い映画になると思います(^^ゞ。


 今日(7日)は日中は雲が多かったですが、わりと陽射しも届きました。
 北寄りの風で気温があまり上がらず涼しかったです。
 テレビを観たり本を読んで過ごしました。
 夕方の散歩の前に獣医のところに行き、SORAの狂犬病の予防注射を打ってもらいました。
 散歩は5時ちょっと過ぎに出ました。

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 黒雲が舞っていて、夕日はまったく見えません。

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 公園を斜めに上っていきました。

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 原っぱに出てウロウロしていきます。

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 どの方向を見ても、黒雲がうごめいていました。

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 東の空に、黒雲から突き出た小さなシッポのような雲がありました(^^ゞ。

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 SORAはテニスコート脇を上っていきました。

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 SORAがこの先で大トイレをしたので、すぐに引き返しました(^^)/。

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 原っぱに戻って、テニスコート下をウロウロしていきました。

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 北西の黒雲の下に線のように細く明るいところがあります。

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 面白い形の雲がたくさんありました(^^ゞ。

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 草つき斜面を下りて帰ることにしました。

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 帰り道で……

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 面白い形の小さな黒雲が浮かんでいました(^^ゞ。

 明日(8日)の横浜の南の端っこの天気は、穏やかな晴れになりそうです。朝は冷えますが、昼間は暖かそうです。

 明日から3泊くらいで、いつもの貧乏旅行に行ってきます(^^ゞ。11日(土曜日)くらいから、記事を再開できると思います。

この記事へのコメント

2019年05月12日 06:47
ありゃ ご旅行中!
遊哉
2019年05月12日 08:33
☆ seizi05さん、昨日、無事に帰ってきました(^^ゞ。

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