『探検家とペネロペちゃん』



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      〔夕方の東の空。桜はほとんど葉を落としています〕

 探検家でノンフィクション作家の角幡唯介(かくはた ゆうすけ)さんが、自分の娘について父親としての想いなどを綴ったエッセイ集『探検家とペネロペちゃん』を紹介する。
 この本は、
『小説幻冬』2016年11月号~2018年11月号に連載された「ペネロペちゃん」に加筆訂正してまとめられたということである。

 まずは、「まえがき」として書かれている最初の章「私には異様にかわいい娘がいる」から、この本の性格が書かれているところを抜き書きしてみる。

<探検家などという肩書で生きていると、人からは沢田研二の『サムライ』のような、世間的な幸せや安逸な暮らしには背中をむける、ストイックで男のロマンに殉じる人間だと思われることが多い。>
 そして、
<探検家と名乗っただけで世間は探検家的固定観念で私のことを捉(とら)えようとする。服装などは気にせず、ベラルーシとの国境では腹を空かせてサンドイッチを頬張り、ちょっと油断すればそのへんでチンポコなどを出しかねない危険で豪快な男、カクハタ。日常生活においても奇人変人、カネと女という俗欲には関心がなく、日頃の言動も意味不明。一年中ほとんど海外を飛びまわっており、連絡をとろうとしてもまずつかまらない。そんな人間である。だが私はこのような固定観念や偏見に凝り固まった見方があまり好きではない。実際の私は全然違う。(中略)たしかに時折、北極圏や世界のわけのわからないところに旅立つことがあるとはいえ、そのような日常の外に飛び出す時間は私の生活の三分の一ほどを占めるにすぎない。のこりの三分の二は全然探検とは関係なくて、基本的には二歳の娘のオシメを替えたり、お風呂に入れたりと妻の育児の七分の一くらいを手伝いながら原稿書きをする普通の父親にすぎないのである。
 そう、私には娘がいる。探検家のイメージ論からすると、(中略)危険な肩書の男に娘がいて、しかも陰でこっそり慈(いつく)しんでいるというのは何かしっくりこないものがあるかもしれない。家庭があって娘がいて夕方に「おかあさんといっしょ」を見ながらブンバ・ボーン! を踊っているんじゃあ全然サムライじゃないじゃないか、この人は探検家としては偽物、エセ探検家ではないかといわれても仕方がない事態なのだが、しかし現実には私は探検家であり、かつ娘もいて、これを慈しんでしまっているのである。
 しかも、こまったことに私の娘は異様にかわいい、異様にかわいいのだ。問題の核心がここである。
 おいおい、自分の娘を異様にかわいいとか公言するなんて、こいつ親バカにもほどがあるなぁと思われるかもしれないが、私はべつに親バカがどうかという次元の低い議論をしているのではなくて、純粋に客観的かつ公平的基準からして私の娘は異様にかわいいということをいっているのである。(中略)私の娘を見るとほぼあらゆる人が、かわいいですねぇと声をかけてくるわけで、そのかわいいは言葉の真の意味でのかわいいなのだ。>
 そんな話のあと、このエッセイで娘の愛称をどうしようかと考える。
 最初はジェニーという愛称を考えるのだが、それはタカラから発売されている13頭身くらいの優等生的雰囲気をたたえた、金髪美人を思い浮かべてしまう。でも、
<うちの娘はどちらかというと顔がまん丸、なで肩で四頭身、かわいいけれど、かわいいのだけれど、言動や挙動が手のつけられないほど剽軽(ひょうきん)者で、優等生というより奇妙な生き物感のある子供に育ちつつあり、とてもジェニーという愛称に耐えられそうにない>
 ということで、
<彼女はやはりジェニーというより、むしろペネロペ。いうまでもないことだが、ペネロペというのは絵本の「ペネロペ」シリーズのキャラクターでもないし、ホメロスの叙事詩の主人公オデュセウスの妻ペネロペイアのことでもない。ずばり、ストレートにペネロペ・クロスである。もちろんペネロペ・クロスだとジェニー同様、娘のほうが堪えられないが、それをペネロペと省略すると一気にコミカルな小動物感が出て不思議と娘の実像とマッチする。>
 そんな娘のことをブログで書いていて、読者からは陰でペネロペちゃんと呼ばれていた可能性が高いという。
<ということでペネロペ誕生。これからしばらく娘のこと、というか娘を育児し、観察し、一緒に遊んで、少なくない時間を共有することで私自身が発見したこと、子供ができたことで私の世界が崩壊して新たな世界が立ちあがってきたこと、すなわち私自身のスクラップアンドビルドについて語りたい>
 ということでできた本である(^^ゞ。

 その中身を目次からみると、次のようになっている。


 私には異様にかわいい娘がいる
 濁流・黒船・安倍正弘
 ドキュメント出産
  所詮オレたちにはウンコしか出産を想像する武器はない
 別格
 二重螺旋
 二重螺旋余話
 おちんちん
 父の責任
 生誕という探検
 鼻くそあるいは女の情念
 かっこいい父親をめざして
 自我の芽生え
 親たちがわが子を特別だと信じる理由
 俺が極夜?
 娘にかわいくなってもらいたい父親の心理
 ペネロペ、山に登る

 あとがき


 客観的に見て(?)圧倒的にかわいい娘・ペネロペちゃんを観察し深く考察しており、娘を育てることで変化する男の気持ちや考え方とか、探検家と父親の間で揺れる男の深遠かつ滑稽、そして純真な心情を綴った“父親エッセイ”である。
 娘を持った父親のみならず、母親の立場からも“娘を持った父親というものの親バカさ加減”を知るという意味でも、とても参考になる本である(^^ゞ。


<今日のお薦め本>
『探検家とペネロペちゃん』 角幡唯介 著、幻冬舎 刊、1540円、19.10.25. 第1刷発行
 著者について、奥付から紹介しておきます。
<1976年北海道生まれ。ノンフィクション作家、探検家。早稲田大学探検部OB。2010年『空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』で第8回開高健ノンフィクション賞、11年に同作で第42回大宅壮一ノンフィクション賞、第1回梅棹忠夫・山と探検文学賞、12年『雪男は向こうからやって来た』で第31回新田次郎文学賞、13年『アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極』で第35回講談社ノンフィクション賞、15年『探検家の日々本本』で第69回毎日出版文化賞書評賞、18年『極夜行』で第1回本屋大賞ノンフィクション本大賞、第45回大佛次郎賞受賞。その他の著書に『漂流』『新・冒険論』『極夜行前』など。>

探検家とペネロペちゃん
探検家とペネロペちゃん

<後記>ペネロペちゃんは現在6歳だそうです。この本では主にペネロペちゃんが4歳までのことが書かれています。
 最後のほうで角幡さんは、その親バカぶりは8割は冗談だと書いていますが、それにしても彼の親バカぶりが面白くて愉快です(^^ゞ。
 親バカだからこそ、人間として一皮むけて今まで知らなかったことを知り、自身の考えや生き方がスクラップアンドビルドされたことを真面目に考察しています。
 子育て中の両親やジジ・ババに読んでもらいたい本です。
 書きぶりが読みやすく面白いので、どなたが読んでも愉快に読み進められると思います(^^ゞ。

 今日(7日)は朝から雨で、降り続いたがしだいに止んでいった。
 気温が上がらず7℃くらいで寒い一日だった。
 日中はどこへも出かけず、だらだらと過ごした(^^ゞ。
 夕方の散歩に出たのは4時ころで、冬のコートを着て行きました。
 どんよりした雲に覆われた空の下、公園を斜めに上っていきます。

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 原っぱに出ました。

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 公園を回ることにします。

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 原っぱに戻ってウロウロしていきました。

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 ベンチは少し濡れていましたが座りました(^^)/。

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 原っぱはあちこちに水溜まりができていますた。白柴がいました。

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 SORAは白柴を見ています(^^ゞ。

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 北東の雲です。
 しばらくいましたが、風はあまりなかったものの寒い。帰ることにしました。

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 原っぱから下りていきました。

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 明日(8日)の横浜の南の端っこの天気は、晴れて穏やかな空になるようです。朝は厳しい冷え込みでも、昼間は北寄りの風が吹くものの陽射しの温もりを感じられそうです。

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