「うらすじ」とは何か?(^^ゞ
〔小雨の中、公園の原っぱをウロウロしていくSORA〕
「うらすじ」という言葉をご存じだろうか。漢字で書けば「裏筋」である。
なんだかちょっとアヤシイ言葉みたいである(^^ゞ。
「筋」というと「その筋のお達し」などと、「つながりのある方面・関係のある者」をぼかして指示するときに使われる。
だから、「裏筋」というと「裏社会に関係する者」という感じになって、アヤシイのである(^^ゞ。
それに、バカ親父は知らないのだが、麻雀用語に「裏筋」というのがあるらしい(^^ゞ。
ではいったい、どういう意味でどういう時に使うのだろうか?
実は月刊書評誌の『本の雑誌』2月号の特集が “「うらすじ」の謎と真実!” というものだった。
「うらすじ」とは、文庫本の表四(裏表紙)に載っているあらすじ紹介のことだという。
少し紹介してみる。
まずは三省堂書店営業本部の内田 剛さんの「文庫本うらすじベスト10」から。
テレビ朝日の金曜日深夜に「タモリ倶楽部」というタモリが司会する番組があるが、2018年5月4日放映は「文庫本の裏にあらすじあり‼ ウラスジ大読書会」というものだった。
内容紹介部分からキャッチコピーが生まれて売り上げが拡大した事例が話題となったのである。
どうも、その番組のタイトルから、この「うらすじ」という言葉が生まれた(?)ようである。
バカ親父はこの番組が大好きで昔から見ており、この回も観ていたことを思い出した(^^ゞ。
一般的には、この「うらすじ」は「表4のあらすじ」とでも呼んでいるのではないだろうか。
文庫本を買うときの手がかりといえば、タイトル、著者、値段、表紙デザイン、発行元、帯、POP、各種レビューなどがあるが、表4の「内容紹介」(うらすじ)が購入を判断する大きな要素となっている。
出版元によって、縦書きもあれば横書きもあり、中央や右、左と場所もいろいろ、文字数もバラバラで、その個性のぶつかり合いに眺めているだけでも興味深いものがある。
ではいったい誰が「うらすじ」を書いているのかといえば、作品の各担当編集者だという。
売り上げを直接に左右するから責任重大である。それに著者もチェックするそうだから、気が抜けないのである。
まさに「うらすじ」も作品の一部分となっており、知恵を絞ったあらすじを編集長の最終チェックを経て原稿は完成する。
限られた枠の中で的確に読みどころを抽出するのは編集者の腕次第ということである。
かつては、あまり作品の内容に踏み込みすぎず、導入50頁くらいのハイライトで呼び込んだというが、今では読者傾向も変化して、多少ネタバレしてもいいので「泣ける・笑える」といった読後の効能や「どんでん返し」などの明確なフレーズを多用するようになったという。
このあと、出版社ごとの特徴と内田さんが独断と偏見で選んだベスト10が載っているのだが、それは割愛させていただく(^^ゞ。
次に、新潮文庫編集部の青木大輔さんが、「表④内容紹介は愛の告白だ!」というタイトルで実際の「うらすじ」の書き方を書いている。
青木さんは1999年から2019年まで20年の長きにわたって、この仕事をしてきたということである。
まずは、編集作業と並行して、ゲラ(校正刷り)の印象的な台詞に付箋をつけたり、内容のメモを取ったりしながら材料を集め、メモをめくりつつ「うらすじ」を書いていく。
理想としては締め切りの2、3か月前くらいに考え始めたいが、現実には厳しいという。
内容は、作品全体を語ってしまうと読了したような感覚を与えてしまうので、序盤から半ば手前くらいまでの情報に留める。
複雑多岐にわたる物語の場合は、誰かの視点に集約してまとめたりもする。
その作品が真面目なものか、ユーモアに溢れたものかで、文章のトーンを決める。
内容を順番に示すのがオーソドックスな手法だが、印象的な台詞から始めるのも好きだ、ということである。
<内容紹介は、第一義に読者の方々へ概要をお伝えするための機能を有する。同時に、執筆した作家、作品、主人公への愛の告白めいた面もあります。>
ということであった。
「うらすじ」を書く上でのテクニックやコツを挙げると、
文字数の関係で、どうしても増えるのが体言止めで、使いたくないと言ってはいられないので「リズム良く」を心がける。名詞を二つ三つ重ねるとリズムが生じるし、歴史・時代小説では特に節回しが肝要だという。
短い文章なので、同じ単語はなるべく使わないようにする。接続詞も、何度も出てくるとせわしないので、ここぞというところで使う。
「珠玉の短編集」「傑作長篇」「~を超えた」などの定型表現は無駄と言いたいところだが、使っている。常套句をすべて排除するのはたぶん無理だろうとのことである。
読者がイメージしやすいように具体的な名詞を示すようにする。たとえば「白系ロシア人」とか「麻薬取締官」、「ティラノサウルス」とかである。
最後に、青木さんは次のようなことを書いている。
<ミステリーはネタバレになってはいけない。真相がわかるように書かないということと出来るだけフェアに書きたいという狭間で右往左往します。(ごく厳密に書いてゆくと、それはそれで犯行の様態を示唆したりもする。)
あくまでも私においては、ですが、こんなところでしょうか。編集者それぞれにルールがあるはずです。
書店にて文庫をひっくり返し、担当者が知恵を絞った内容紹介を楽しみ、レジへと運んで頂いて、その言葉を引き出した作品世界に没入してくだされば、編集者として、これに及ぶ幸せはありません。
頁を開け――物語の奔流にその身を任せよ。(東山彰良『罪の終わり』表④>)>
このほかに、編集者や書評家など3人による「文庫うらすじ書き比べ!」という記事も載せられているが、割愛させていただく(^^ゞ。
「うらすじ」というのは担当編集者の苦心の賜物だという気がする。
もちろん、なかなかすばらしいと思うものもあれば、なんだかわかりにくくて詰まらないというようなものもあるのだが……(^^ゞ。
とはいえ、「うらすじ」はその作品の一部と言ってもいいもので、その中身には味わい深いものがあり、ゆめおろそかにはできないのである、と思う(^^)/。
<後記>「うらすじ」という言葉を、うちにあるいくつかの国語辞典で調べてみましたが、載っていませんでした。一般的でないし、業界用語でもないのかもしれません(^^ゞ。
バカ親父は、文庫本を買うときに、あらかじめ書評などを読んでいる場合は別ですが、はじめて本屋で見かけた文庫は必ずこの「うらすじ」を読みます。
特にミステリー物の場合は、読まずにはいられません(^^ゞ。
その内容から好みに合うかどうか、面白そうかどうかを判断しています。
当たるも八卦当たらぬも八卦(?)で、時には裏切られることもありますけどね。それは、「うらすじ」の書き方が上手すぎる場合があるということになるでしょうか(^^)/。
これからは、文庫本の「うらすじ」をもっと興味をもって読んでいきたいと思いました。みなさんもいかがでしょう(^^ゞ。
今日(28日)は小雨が降り続きました。気温が上がらず寒かったです。
昼前に眼科の定期検診に行った以外は、ダラダラとテレビを観ていました。
夕方の散歩は4時ちょっと過ぎに出ました。雨は小雨でしたが、北風が強かったです。
公園の斜面を上っていきました。
原っぱに出てすぐに、公園を回っていきました。
原っぱに出てウロウロしていきました。
北風が強くて細かい雨が吹きつけてきました。傘を差しているのが大変です(^^)/。
SORAは原っぱを半周すると桜並木を下り始めたので、帰ることにしました。
明日(29日)の横浜の南の端っこの天気は、未明をピークに強風雨になりそうです。昼間はしだいに天気が回復し、陽射しが届くこともあるようです。
気温が上がり4月並みの暖かさになるようです。
この記事へのコメント
これを「うらすじ」と呼ぶことは初めて知りました。
編集者さんが書いていたのですね。
これからは、もっと注意深くこの「うらすじ」を読むことになりそうです!
その作品の担当編集者が頭を捻って、苦心惨憺した結果の作品と言っていいものなんだと思います。
そう思うと、ないがしろにはできませんね。これからは楽しみながら「うらすじ」を読みたいと思ってます(^^ゞ。