『蕎麦湯が来ない』


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             〔ピンクのサツキ〕

 文筆家のせきしろ さんと芸人で作家の又吉直樹さんの、404句の自由律俳句と50篇のエッセイをまとめた本『蕎麦湯が来ない』を紹介する。
 ふたりの本は、『カキフライがないなら来なかった』『まさかジープで来るとは』についで第3弾である。

 自由律俳句というのは、五七五という語数にとらわれない俳句である(^^ゞ。
 まずは自由律俳句から、それぞれいくつか拾ってみる。

○ せきしろ

・ 後部座席からずっとこっちを見てる子供
・ 少額切手がたくさん貼られている封筒が届く
・ 住人は死んだのにチラシは入れられる
・ 子供が追いかけるから鳩がこっちに来る
・ 小人の置物のひとつが怒っている
・ これはあなたのダウンジャケットの羽だ
・ 鎌を持ったまま道を教えてくれる
・ 古い看板の局番が少ない
・ 翻訳したような謝罪文だ
・ 水たまりを避けて二塁へ
・ 煎餅を湿気させた油断
・ かけ過ぎた塩をはらう指
・ おざなりなテラス席に作業服の男四人
・ シャボン玉が全部こっちに来るが気づかないふり
・ 毎年蚊を殺している


○ 又吉直樹

・ 石の形状に逆らって座っているから痛い
・ 美術館を出た後の空が一番青かった
・ 一人足りないが出発することに決まった
・ 祈りではなく吐いていた
・ 綿菓子全部はいらない
・ 消えた切手が肘に付いていた
・ 文庫本で席を取られていた
・ この話し方の店員からは買わない
・ 晴天だが雲も描いた
・ 盆踊りを睨むヤンキー
・ 電池を入れたら多分動く体重計
・ 胃薬も吐いてまた飲むべきか悩む
・ 自分が落としたことになった商品を拾う


 エッセイは、せきしろさんの一篇を紹介しておく。 


< 場違いな石がある

 知り合いの女性が男性と一緒に向こうから歩いてくる。私に気づいた女性が傍にやってきて「つきあってるの」と男性を紹介してくれる。私は「そうなんだ」とありきたりの相槌(あいづち)をうちながら「なぜ、この相手を選んだんだろう?」と考える。
 どう見ても二人はお似合いではないからだ。もちろんそんなことを口に出せるわけなどなく、顔にも出てしまわぬよう気をつけながら二人を観察する。ホストのような髪型とヴィジュアルバンドが好きそうな服。彼女はそういうセンスとは無関係な人だと思っていたのでショックですらある。
 私の思考はぐるぐると回り始める。「なぜこんなタイプと?」「実はこういうタイプが好きだったのか?」「もしや騙されているのでは?」「そうだ、絶対に騙されている!」「いや、人を外見で判断してはいけない。ああ見えて良いところがあるのだろう」「本当にそうなのか?」「良いところがあるように見せているだけかもしれない」「やはり騙されている」。
 しかし私に「全然お似合いじゃないね」と言う資格などない。私は交際を反対する父親ではないし、そもそもそんなことを言うのは人としておかしい。本人たちが良いならそれで良いではないか。ここは「お似合いだね!」と言う場面であり、いい加減私も大人としてそういう言葉をかけなければいけないとわかっている。彼女も明らかに私の言葉を待っている。
 とはいえ「お似合いだね」の一言だけではどこか噓くさくなってしまいそうな恐怖がある。本当はそんなこと思っていないのだから当然だ。もう一言、何かを付け加えなければ。
「お似合いだね! モグラとサングラスみたい」
「お似合いだね! 寂れたバス停と古い椅子みたい」
「お似合いだね! 午後の回転寿司屋と乾いた寿司みたい」
「お似合いだね! 観光地の薄皮饅頭屋さんと『まいうー』と書かれたサインみたい」
「お似合いだね! 軽自動車と後部座席の日焼けしたぬいぐるみみたい」
 思いつく言葉はどれもさらに事態を悪化させそうで使えない。そもそも「お似合いだね!」なんてこと口にしたことないではないか。なんだ「お似合いだね!」って。
 私は結局「へえー」と言った。>


<今日のお薦め本>
『蕎麦湯が来ない』 せきしろ・又吉直樹 著、マガジンハウス 刊、1540円、20.03.12. 第1刷発行

蕎麦湯が来ない - せきしろ, 又吉直樹
蕎麦湯が来ない - せきしろ, 又吉直樹

<後記>自由律俳句というのは、「そういうこと、あるある!」というような、どうということのない生活のなかの情景や思ったことを、短い言葉でそのままに綴っています。俳句とは違った自由さが感じられます。
 エッセイもそうですが、人のもつ孤独感とか虚無感とか、奇妙な不条理感あるいは遣る瀬無さのようなものが感じられて、面白いと思います(^^)/。
 よかったら読んでみてください(^^ゞ。

 今日(22日)は一日曇りで、気温は18℃くらいまで上がりましたが肌寒かったです。
 日中は、テレビで映画を観てからは読書三昧でした。
 夕方の散歩は5時ちょっと前に出ました。

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 どんより雲に覆われた空には、灰色雲が流れていました。
 公園を斜めに上っていきました。

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 夕日はもちろん見えません(^^)/。
 原っぱに出ました。

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 公園を回っていきました。

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 道の脇に咲いていたバラです。

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 オオハナニラが咲いていました(^^ゞ。

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P5220018ブログ 山桜の実380 200522.JPG

 山桜の実が黒くなってきました。

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 原っぱに戻ってウロウロしていきます。

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 北風が吹いていましたが、それほど寒くはありませんでした。

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 北西の空です。

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 「あれっ! 下りて帰るの?」
 「はい、帰ります!」。
 帰ることにしました(^^ゞ。

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 陽射しの届かない日が5日間続いています。
 早く太陽を見たい!(^^)/。

 明日(23日)の横浜の南の端っこの天気は、雲が多く、依然として陽射しは届きそうもありません。午前中心に雨が降り、強まることもありそうです。
 気温は21℃くらいまで上がりそうです。

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この記事へのコメント

2020年05月23日 07:14
このところ なんか 薄暗くて やんなっちゃう 言うところの ゆうつです 一日中 うちにいて グダグダしてます
遊哉
2020年05月23日 09:33
☆ seizi05さん、人間、陽に当たらないとウツウツしてきますね。
 明日の日曜日は陽が射すようですから、十分に陽に当たりましょう!(^^ゞ