『チャイルド・ファインダー 雪の少女』


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             〔面白い形の夕雲(^^ゞ〕

 米国の女性作家でジャーナリストでもあるレネ・デンフェルドによる、ミステリー・サスペンス『チャイルド・ファインダー 雪の少女』を紹介する。
 主人公は、行方不明となった子どもを探し出す “子ども見つけ屋(チャイルド・ファインダー)” のナオミである。
 舞台は、米国の太平洋岸北部に位置するオレゴン州の、冬は雪に埋もれる高い山地と、その麓にある小さな町や農場である。 

 プロローグは、次のように始まる。


<   

 人けのないがらんとした通りに、その家は立っていた。その小さく黄色い平屋の家にはどこか、見る者の気力をくじくような雰囲気があったが、ナオミはそういうことには慣れていた。ノックに応えて戸口に出てきた母親はかなり小柄で若かったが、実年齢よりはるかに老けて見えた。その顔には疲労と緊張の色があらわれていた。
「子どもを見つけてくださる方(チャイルド・ファインダー)ね」母親は言った。
 ふたりはがらんとしたリビングルームのソファに腰を下ろした。ロッキングチェアのかたわらの小さなテーブルに積まれている子ども向けの絵本に、ナオミは目を留めた。子ども部屋は主が消えたときのままに保たれているにちがいない。
「あなたのことをもっと早く聞いていれば……本当に残念です」窓際のアームチェアにすわっている父親が、両手をこすりあわせながら言った。「わたしたちは手を尽くしたんです。あらゆる手を――」
「霊能者までためしたのよ」若い母親が痛ましい笑みを浮かべて、言い添えた。
「消えた子どもを見つけるのはあなたがいちばんだという話を聞いてね」夫が言った。「子どもを見つけてくれる調査員がいるなんて知らなかったよ」
「ナオミと呼んでください」
 両親の目に彼女はこう映っている――がっちりした体格、労働にいそしんできたように見える日焼けした手、茶色の長い髪、心をなごませる笑み。そして彼らが思っていたよりも若い――せいぜいで二十代後半というところだ。
「子どもの見つけ方なんて、どうしてわかるの?」母親が訊いた。
 ナオミは輝くような笑みを浮かべた。「自由を知っているからです」
 父親が目をぱちくりさせた。彼はナオミの経歴を資料で読んで知っていた。
(後略)>


 3年前の冬、ジェイムズ・カルヴァーと妻クリスティナは5歳の娘マディソンを連れて、クリスマスツリーを手に入れようと車で雪と氷に覆われた山の中に入っていった。
 車を路肩に停めた夫は、トランクを開けてのこぎりを出し森の中に踏み入った。妻はおずおずと後を追った。
 その間に、幼い娘はすばしこく車を抜け出し、あっという間に姿を消してしまった。
 ふたりは必死に娘の足跡を追ったが、雪が激しく降り始め、ふたりが恐怖に竦んでいる間に、足跡は消えてしまった。

 捜索隊が招集されたが、猛吹雪で道路は閉鎖された。2、3週間後に道路が除雪され開通して捜索が再開されたものの、マディソンは見つからなかった。
 森の中で長く生き延びられるはずはない。少女は雪に埋もれたか、獣に食い散らかされたと結論された。

 3年の月日が虚しく過ぎて、プロローグの場面になる。
 カルヴァ―夫妻は最後の望みを、チャイルド・ファインダーと呼ばれる、行方不明の子ども専門の探偵ナオミに託したのだった。
 実は、ナオミ自身も過去に消すことのできない傷を負っていた。

 ナオミのいちばん古い記憶は、夜に裸でいちご畑を走っているというものだった。
 何か怖ろしいものから逃げていたことだけはわかるが、それが何だったのかは、もはや知るすべはなかった。
 彼女は、焚火にあたっていた季節労働者のグループに保護され、町の保安官に託されたのち、メアリー・コトルという女性に引き取られた。
 メアリーはそれまでにも孤児などを引き取り育てていて、ナオミが来たときにはジェロームという少年がいた。
 ふたりは兄妹のように仲よく、自然を満喫しながら育っていき、お互いが心の支えになっていった。

 ナオミは17歳でメアリーの元を離れ、2年間アルバイトをしながら何かを求めるように国を横断旅行した。
 オレゴン州に戻った彼女は、虐待を受けた女性のためのシェルターで働きながら、コミュニティ・カレッジで犯罪心理学を学んだ。
 自分のような子どもを助けるために何かをしたいという一心だった。
 ある日、そのシェルターに娘が消えたと言ってやってきた女性がいた。それが、ナオミが自分のやるべきことを見つけた日だった。
 実地で訓練を積み、私立探偵の免許も取り、ものの数年で、彼女は行方不明の子どもを、生きていようが死んでいようが、必ず見つけ出すチャイルド・ファインダーとして働くようになっていた。

 ナオミは、オレゴン州警察の刑事ルーシャス・ウィンフィールドや森林監視員(レンジャー)デイヴ・クロスらの助けを借りながら、深い森に閉ざされた山の中、マディソンの行方を追っていく。
 はたしてマディソンは死んでいるのか? 生きているのか?
 生きているとしたら、いったいどこにいるのだろうか?
 ナオミの捜索は功を奏するのだろうか? それとも……
 そして、ナオミの記憶をなくした苛酷であっただろう過去はどんなものだったのだろうか?


<今日のお薦め本>
『チャイルド・ファインダー 雪の少女 The Child Finder』 レネ・デンフェルド 著、細美遙子 訳、創元推理文庫、1210円、19.10.25. 初版
 著者について、カバー裏から紹介しておきます。
<アメリカの作家、ジャーナリスト。2014年に刊行した最初のフィクション The Enchanted が評価され、米国図書館協会賞ほかに輝いている。オレゴン州在住。>

チャイルド・ファインダー 雪の少女 (創元推理文庫) - レネ・デンフェルド, 細美 遙子
チャイルド・ファインダー 雪の少女 (創元推理文庫) - レネ・デンフェルド, 細美 遙子

<後記>物語は、ミスター・Bという罠猟師に監禁されている少女の話も並行して語られていきます。
 その少女が自分のことを「スノウガール(雪の少女)」と呼び、自分の心を保つために、スノウガールを主人公とした物語をつくっていきます。
 本作は、チャイルド・ファインダーのナオミの地道な活動と、スノウガールの苛酷な生活や心理が交互に語られ、興味深くも味わいのある物語になっています。

 米国では行方不明になる子どもがとても多いようです。年に数千とも数万とも言われていますが、離婚が多いので親権を失った親が連れ去ったり、 小児性愛の対象にされたり、臓器売買や人身売買の対象になることもあるようです。
 突然消えた子どもが何年も経ってから、思ってもいなかった家の地下室で囚われているのが見つかる、ということも意外に多くあるようです。
 ジャーナリストでもある著者が、そんな米国の実情に基づいてルポルタージュ的な側面もあわせもって小説にまとめた、ちょっと変わった切り口の作品です。

 昨年、続篇のストリート・チルドレンに焦点をあてた The Butterfly Girl が出版されているということなので、邦訳が待たれます。
 それに、ナオミとジェロームの関係がどのように発展していくかにも、興味があります(^^ゞ。


 今日(26日)は昼前に眼科の定期検診に行ってきました。
 そのときの空の様子は、

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 薄雲がたくさん浮かんでいましたが、陽射しは届いていました。
 午後はテレビで映画を観ていました。
 気温は31℃くらいまで上がって、蒸し暑かったです。

 夕方の散歩は5時半ころに出ました。
 ちょっと前まであった陽射は、雲が増えてなくなっていました。

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 南の空です。最初の写真のような面白い形の雲がありました(^^ゞ。
 公園を斜めに上っていきます。

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 西空にも雲が多く、夕日は雲間から見えそうで見えません。

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 原っぱに出てウロウロしていきました。
 西風が吹いていて、涼しかったです(^^ゞ。

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 南東の夕雲です。

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 夕日はやはり見えませんが、雲間から下に薄い光芒が射していました。

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 SORAは軽くクネクネスリスリをしました(^^)/。
 ベンチに行きました。

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 雲は東の方にゆっくりと流れています。

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 SORAは、一度は上がったベンチをすぐに下りてマッタリしていました。

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 面白い模様の雲がありました(^^ゞ。

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 SORAはワンコを見ていました。

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 北西の雲が厚くなってきています。

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 北東の空には雲が立ち昇っています。

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 のんびりしていましたが、帰ることにしました。

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 桜並木を下りて帰ってきました。

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 明日(27日)の横浜の南の端っこの天気は、薄雲が広がるものの陽射しが届くようです。
 真夏日になって、蒸し暑くなるので、熱中症対策や紫外線対策が必要そうです。

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この記事へのコメント

2020年06月27日 11:58
なんたって 喉の乾いたの わからない年ごろなので 毎日 必死に暮らしております
遊哉
2020年06月27日 16:29
☆ seizi05さん、はい、そうなんですよね。年寄りは体の水分も少なくなってるから、意識的に水分を補給していきましょう(^^ゞ。
山田まゆみ
2020年06月28日 15:25
いつも楽しみに見てます。あと読書です。
山田まゆみ
2020年06月28日 15:34
この前投稿できなかったので、今回もそうだと思っていたらできたので追加します。4冊購入しました。今回は安くなっていたので、原書です。いつも電子図書を利用してます。これからもよろしくお願いします。
遊哉
2020年06月28日 19:27
☆ 山田まゆみ さん、ありがとうございます♪
 個人的な好みによる本の紹介ですが、本の購入の参考にしていただいているようで、嬉しいです(^^ゞ。
 お互いに活字中毒のようですが、これからも大いに読みましょう!(^^)/。