『ビブリア古書堂の事件手帖Ⅱ ~扉子と空白の時~』


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          〔午前11時ちょっと過ぎの昼空〕

 前回の、シリーズ本編の後日譚だった「扉子と不思議な客人たち」から1年10か月を経て再始動したシリーズの一作目『ビブリア古書堂の事件手帖Ⅱ ~扉子と空白の時~』を紹介する。

 本作は次のような3話で構成されている。

 プロローグ
 第一話 横溝正史『雪割草』Ⅰ
 第二話 横溝正史『獄門島』
 第三話 横溝正史『雪割草』Ⅱ
 エピローグ

 プロローグは、次のように始まる。


<    プロローグ

 朝から降り注いでいた雨が止(や)んで、大きな窓から午後の淡い日ざしが店の奥まで射(さ)してきた。距離を取って並べられたアンティークのテーブルと椅子は、壁際一面の書架に収まった古い本に囲まれている。
 ここは鎌倉の由比(ゆい)ガ浜(はま)通り沿いにあるブックカフェだ。古民家の二階をリフォームした人気店だが、梅雨どきの平日はさすがに客も少ない。近所に住む年輩の常連や物好きの観光客がまばらに座っているだけで、スタッフも手持ちぶさただった。
 接客を担当している戸山圭(とやまけい)は、書架に飾られている写真集を整える素振りで、中身を熱心にめくっている。見入っているのは筑摩書房(ちくましょぼう)の『ダイアン・アーバス作品集』。彼女はブックカフェのオーナーの娘だ。フロアのスタッフが急に足りなくなったと親に泣きつかれて、高校から帰宅してすぐに店へ入った。
 幸運にも仕事はほとんどなく、面白そうな古書をこっそり立ち読みして時間を潰している。
 圭は本が好きだ。両親も古い本を扱う仕事をしている。幼い頃から本に囲まれて育ってきた。けれども自分が本に詳しいとか、人より知識があるなどと思ったことはない。世の中には何事も上には上がいるものだからだ。
 軽やかに階段を上がる足音が響いてきた。
 圭が振り向くと、同じ高校の制服を着た女子生徒が現れたところだった。背中まで伸びた長い黒髪。色素の薄い透き通るような肌。太いフレームの眼鏡の奥から、黒目がちの瞳が店内を素早く見回していた。
 先に来ているはすの誰かを捜している、そんな態度だった。
「……扉子?」
 写真集を閉じた圭はその生徒――篠川扉子(しのかわとびらこ)に近づいていった。
「今日、来るって言ってた?」
 二人は同じ高校に通う友達同士だ。扉子はよくこの店に来るし、圭の方も扉子の家へ遊びに行く。彼女は北鎌倉(きたかまくら)にあるビブリア古書堂という古書店の娘だった。
「言ってないけど、急にここで待ち合わせすることになって……圭ちゃんこそ、今日はお店に入る日だっけ」
「わたしも急に入ることになった。パートの相馬(そうま)さんが急病で」
 そう言いながら奥のテーブル席に扉子を案内する。空いていれば彼女が必ず座る、お気に入りの定位置だった。
(後略)>


 前作「扉子と不思議な客人たち」は2018年が舞台で、ビブリア古書堂の店主夫婦・栞子と大輔のひとり娘・扉子は6歳だったが、現在は高校生になっている。
 栞子と大輔は、古書に関わる事件に巻き込まれたり、他の人の相談に乗ったりして、その謎を解いてきた。扉子がそれに加わったのである。

 両親が定休日を利用して箱根湯本の温泉に一泊旅行に出かけていたとき、祖母(栞子の母・篠川智恵子で現在は海外で古書店を経営)からスマホに突然電話があり、圭の母親が営むブックカフェで会いたいという。(2階がブックカフェで、1階では父親が古書店を営んでいる)
 大輔が新潮文庫のマイブックに書き留めている日記のうち、2012年と2021年のものを見せてほしいと言うのである。
 扉子は電話で大輔の了解を得て、その2冊を持ってそのブックカフェに来たのである。

 本作は、大輔が書き記した2012年と2021年の日記(まさに、「ビブリア古書堂の事件手帖」である)で起きた事件を振り返っていく、という内容である。
 第一話が2012年、第二、三話が2021年の日記に書かれているのだ。
 なぜ、祖母はその日記を見たがるのか?(^^ゞ。

 さて、ここで「あれ?! なんかオカシイ」と思われた方が多いと思う。
 2021年の日記って……来年のことじゃない?!(^^ゞ
 それに2018年に扉子は6歳だったのなら、高校生になった現在は(学年はわからないが)15~18歳のはずである。ということは、現在は2027~2030年になることになる(^^)/。
 なんと、本作は現在から見て、未来から過去(一部は2021年という未来だが)を振り返るというユニークな物語になっているのである。
 なんだか頭がゴチャゴチャになりそうだが、そんなことは別として楽しめる。でも、これからの続篇に何か作者の意図がありそうである(^^ゞ。

 あらすじは簡単に済ますことにする(^^ゞ。
 第一話は、横溝正史の幻の作品と言われている『雪割草』が何者かに盗まれたという奇妙な相談から始まる。
 元華族に連なる上島家の老いた女主の死をきっかけに、彼女が大切にしていた『雪割草』が忽然と消えたので、それを盗んだ犯人を見つけ、本を探し出してほしいという依頼だった。
 亡くなった女主の上島秋世には、上島春子と井浦初子という一卵性双生児の妹がおり、このふたりが犬猿の仲で、互いに相手が盗んだと言いつのり非難し合っているのである。
 栞子と大輔は、彼女たちやそれぞれの息子やお手伝いさんなどの話を聞きながら、謎に迫っていく。
 そこには、半世紀以上絡み合う一家の因縁が浮かび上がってくるのだが、事件の一部は迷宮入りとなってしまう。

 第二話は、小学3年生の扉子が学校の読書感想文に選んだ横溝正史の『獄門島』にまつわる謎の物語である。
 栞子の血を受けついだ彼女が、鋭い推理を展開していて面白い(^^ゞ。

 第三話は、第一話で解き切れなかった謎を栞子と大輔が9年後に解き明かしていく物語である(^^ゞ。

 三話とも「ビブリア古書堂の事件手帖」のファンには、堪らない物語になっている(^^)/。


<今日のお薦め本>
『ビブリア古書堂の事件手帖Ⅱ ~扉子と空白の時~』 三上 延 著、メディアワークス文庫(KADOKAWA)、693円、20.07.22. 初版発行

ビブリア古書堂の事件手帖II ~扉子と空白の時~ ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~ (メディアワークス文庫) - 三上 延
ビブリア古書堂の事件手帖II ~扉子と空白の時~ ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~ (メディアワークス文庫) - 三上 延

<後記>待ちに待った本作は、栞子と大輔だけでなく、扉子というユニークな娘の活躍や言動を楽しめるワクワクするような話になっています(^^ゞ。
 栞子さんは大輔と結婚して十数年経っているというのに、まだまだ魅力的です。ファンにとっては堪りません(^^)/。
 栞子の母で、扉子の祖母である篠川智恵子は謎を残して去っていきます。この先、一波乱も二波乱もありそうで、続篇が待たれるところです。
 これからは扉子もますます活躍していくと思うので、それも楽しみです(^^ゞ。


 今朝(29日)はカミさんが仕事に行ったので、7時20分ころに散歩に出ました。

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 南東の空ですが、空全体をこんなどんより雲が覆っていました。
 公園の斜面を上っていきます。

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 原っぱに出て、テニスコート脇を回っていきました。

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 原っぱに戻ってベンチに行きます。

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 北東から風が吹いていて涼しかったです。

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 SORAはマッタリしました(^^ゞ。
 しばらくのんびりしてから帰ることにしました。

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 雲がゆっくりと流れています。
 桜並木を下りて帰ってきました。

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 昼前11時ころに、眼科の定期検診に行きました。
 最初の写真がその時の空です。今日は一日こんな雲に覆われていました。
 日中はテレビで映画を観ていました。涼しいというか、ちょっと肌寒いくらいでした(^^ゞ。
 夕方の散歩は5時ちょっと過ぎに出ました。
 公園を斜めに上っていきました。

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 原っぱに出てウロウロしていきます。

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 ベンチに座りました。

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 SORAはベンチに上がりません。
 そのうちに、

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 マッタリしました(^^ゞ。

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 朝と同じように北東から風が吹いていて、涼しくて楽でした。

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 そのうちにSORAがすっくと立って、こちらをチラッと見ました(^^)/。
 帰ることにしました。

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 SORAが気持ちよさそうにクネクネスリスリをしました(^^)/。

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 原っぱを下りていきます。

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 SORAは草つき斜面に行って、スリスリしました(^^ゞ。

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 明日(30日)の横浜の南の端っこの天気は、未明までは雨で、それ以降は雲の多いスッキリしない天気のようです。
 暑さは控えめですが、ムシムシとした体感になりそうです。

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この記事へのコメント

2020年07月30日 12:57
ビブリアの続編がやっと出たんですね。
読んでみます。(^^♪
遊哉
2020年07月30日 14:50
☆ y&mさん、はい、このシリーズ、再会されました。
 相変わらず面白いです。
 是非、お読みください(^^ゞ。