『キリン解剖記』


P8040003ブログ はみ出し草380 200804.JPG

        〔なかなか形の整ったはみ出し草(^^ゞ〕

 郡司芽久(ぐんじ めぐ)という女性が、学生の時にはじめてキリンを解剖してから、たくさんのキリンを解剖し、キリンの研究で博士号を取得するまでの約9年間の物語をまとめた本『キリン解剖記』を紹介する。
 なんだか気持ち悪そうと思われそうだが、そんなことはない(^^ゞ。
 彼女はキリンの頸椎や胸椎の研究をしていくのだが、気持ち悪い写真や絵はなく、骨の構造などもイラストになっているのでわかりやすくも優しいのである(^^ゞ。
 子どものころからキリンが大好きだった彼女が、恩師から解剖を学び、キリンの解剖を積み重ねることで解剖学・形態学が専門の生物学者となっていく成長記と言ってもいい本である。

 とりあえずは、内容を目次から拾ってみる。


 はじめに
 キリンの首の骨格図

第1章 キリンを解剖するには
 解剖はいつも突然に/解剖に必要な道具/まずは遺体の搬入から/首を解剖する/骨格標本の作り方
 ◇ コラム キリンの名前と解剖学者
第2章 キリン研究者への道
 キリンとの出会い/分子生物学の時代の中で/「解剖男」との出会い/博物館と遺体/キリンの解剖、できますか?/初めてのキリン「夏子」/キリンの「解体」/「解剖」と「解体」
 ◇ コラム 年上の動物
第3章 キリンの「解剖」
 愛しのニーナ/「解体」から「解剖」へ/初めての解剖/目の前に広がるキリンの首の筋肉/無力感/リベンジマッチ/筋肉の名前/ノミナを忘れよ/優れた観察者になるために/キリンのうなじのゴム
 ◇ コラム キリンは何種? 動物園でのキリンの種の見分け方
第4章 キリンの「何」を研究するか?
 キリンの頸骨は何個?/運命の論文とのすれ違い/元旦のキリン/ノイローゼの向こう側/キリンの首の驚くべき構造/闇に葬られた「キリンの頸椎8個説」/もしかして、動く?
 ◇ コラム 遠藤先生との思い出
 ◇ コラム 論文はタイムマシン
第5章 第一胸椎を動かす筋肉を探して
 首と胸とのあいだには/ピンチはチャンス/営業活動 ― キリンとオカピを求めて ―/冷凍庫に眠る標本/待望のキリン/4日間の奮闘/第一胸椎を動かす筋肉を探せ/やはり見つからない筋肉
 ◇ コラム キリンの角
第6章 胸椎なのに動くのか?
 肋骨があっても動くのだろうか?/託されたキリンの赤ちゃん/CTスキャン/名もなきキリン
 ◇ コラム キリンの頭は石頭
第7章 キリンの8番目の「首の骨」
 オカピの解剖/第一胸椎を動かす仕組み/完璧な遺体 ― キリゴロウ ―/青空解剖スペース/集大成のような解剖/ひとりで/キリンの特殊な第一胸椎の機能/「キリンの8番目の〝首の骨〟」説の提唱/そしてついに
 ◇ コラム 高血圧の謎
第8章 キリンから広がる世界
 首とは何か?/卒業、受賞、解剖/子供の心をもったままで/キリンがいなくなる日/次なる研究
 ◇ コラム キリン研究者の育て方

 おわりに
 参考文献


 こんな内容の本だが、「はじめに」でこんなことが書かれている。


<「キリンが亡くなりました」
 私の研究は、動物園のスタッフから届くキリンの訃報から始まる。

 亡くなってしまったキリンの遺体をトラックに載せ、研究施設に運び込む。トラックについているクレーンを使って、遺体を解剖室へ下ろす。キリンの首は、長さ2m、重さ150 kg ほど。ヒト用の解剖台にぴったりのサイズだ。
 無機質な銀色の解剖台の上に載ったキリンの首の前に立ち、解剖道具を手にする。使用するのは、刃渡り17cm の解剖刀。右手に持った解剖刀を皮膚にあてがい、ゆっくり皮膚を切り開いていく。切れ目に指を入れ皮膚を少し持ち上げ、皮膚と筋肉の隙間に解剖刀を差し込み、丁寧に皮を剥いでいく。皮膚の下に隠れていた筋肉が見えてきたら、医療用の小さなメスに持ち替え、脂肪や結合組織を取り除いていく。
 隣には、表紙に血の痕がついた使い古しのスケッチブックと色鉛筆、そして一眼レフカメラ。あらわになった首の筋肉の構造を写真に撮り、スケッチブックを開き、筋肉の構造の特徴を描き込んでいく。

 これが私のいつもの仕事の様子だ。私はキリンを解剖して、彼らの体の中に隠された筋肉や骨格の構造を調べている。
 キリンは、どうやってあの長い首を動かしているのだろうか?
 どうやって長い首や大きな体を支えているのだろうか?
 あの長い首は、どんな構造をしているのだろうか?
 私たちの首の構造と同じなのだろうか?
 それとも全然違う、特殊な構造を獲得しているのだろうか?
 そもそも、どうして首が長くなったのだろうか?>


 彼女はこれまでに30頭のキリンを解剖してきたそうである。
 キリンを解剖したことのある人は結構いるのだが、数十頭をしっかりと解剖したことのある人には会ったことがなく、海外の研究者でも彼女以上に経験した人には会ったことがないという。
 ひょっとしたら、世界でいちばんキリンを解剖している人間かもしれない、ということだ(^^)/。
 そんな話の後に、

<この本は、物心つく前からキリンが大好きだった私が、18歳でキリンの研究者になることを決意し、恩師と出会い、解剖を学び、たくさんのキリンを解剖して「キリンの8番目の〝首の骨〟」を発見し、キリンの研究で博士号を取得するまでの、約9年間の物語だ。私自身の話であり、動物園でたくさんの人々に愛されたキリンたちの死後の物語でもある。
(中略)
 この本の中には、私の研究との関わりが特に強かった何頭かのキリンが登場する。今は亡きキリンたちの「第2の生涯」とも言える死後の物語を読んで、「久しぶりに動物園にキリンを見に行ってみようかな」と思ってもらえたら、とても嬉しい。もしも、彼らの生前の姿を知っている方にもこの物語が届けば、さらに嬉しい。
 そして、この本を読み終わったときに、今より少しだけキリンを好きになってもらえていたら、言うことはない。>


 哺乳類というのは、椎骨(脊柱を構成する骨)のうち、頸椎(首の骨)は原則7個で、キリンもそうである。
 ということは、あの長い首には人間などと比べると、とても長くて大きな頸椎が連なっているということである。
 その七番目の頸椎は胸椎につながるわけだが、胸椎はあばら骨が接しているので、普通は動かない。
 ところがなぜか、キリンの第七頸椎に連なる第一・二胸椎へのあばら骨の接し方や神経や筋肉のつき方が、同じキリンの仲間のオカピと比べても似てはいるが異なっている。
 他の哺乳類と比べても独特で、キリンはあの長い首を上下、左右、前後に大きく振ったり動かすことができるのである。
 そのメカニズムを地道な解剖を繰り返すことにより究明していくわけだが、複雑な謎が絡まるミステリーを解いていくようで面白いのである(^^ゞ。
 その他にもキリンに関連して、いろんな動物の知識が得られて興味深い。

 この本を読むと、キリンの好きな方はますます好きになるだろうし、それほどでもない方も興味を持って好きになるだろうし、動物園でキリンを見たくなるし、見ればその首の摩訶不思議さに改めて面白いなあと思える、と思う(^^ゞ。


<今日のお薦め本>
『キリン解剖記』 郡司芽久(ぐんじ めぐ) 著、ナツメ社 刊、1320円、20.08.01. 第5刷発行(19.08.01. 初版発行)
 著者について、カバー裏から紹介しておきます。
<1989年生まれ。2017年3月に東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程を修了(農学博士)。国立科学博物館学振研究員を経て、現在、筑波大学システム情報系研究員。
 幼少期からキリンが好きで、大学院修士課程・博士課程にてキリンの研究を行い、27歳で念願のキリン博士となる。解剖学:形態学が専門。哺乳類・鳥類を対象として、「首」の構造や機能の進化について研究している。世界一キリンを解剖している人間(かもしれない)。第七回日本学術振興会育志賞を受賞>

キリン解剖記 (ナツメ社サイエンス) - 郡司芽久
キリン解剖記 (ナツメ社サイエンス) - 郡司芽久

<後記>キリンが亡くなると、まず獣医が内臓を取り出して死因を調べ、そのまま運び出せるようならクレーンでトラックに積み込みますが、まずそれは稀だそうです。
 園舎の奥で亡くなったり、トラックが近くまで行けないことが多いので、四肢を外し、首は根元で切断してから、それぞれを人力で運び出してトラックに積むようです。
 解剖というのもとても繊細で細かく、著者も最初はどうしていいかわからずに試行錯誤をしながら、徐々に覚えていったということです。
 バカ親父も解剖は好きでした……といっても水産だったから、魚とかイカとか、顕微鏡でコペポーダ(プランクトン)の観察などで、大したことはありませんでした(^^ゞ。
 でもかならずその観察を絵にしたものです。写真ではわからないことも、絵にしておくと特徴がよくわかるんです。

 この本を次女とチビりんにも薦めようと思ってます。
 次女は昔からキリンが大好きだし、チビりんは獣医になりたいなんてのたまっているからですが、「解剖記」とあるから「そんなの読まない!」なんて言うかもしれません(^^)/。
 でも、キリン好きには興味深いと思うし、獣医になりたかったら解剖はつきものです。
 ふたりには、是非読ませたいです(^^ゞ。
 キリンだけでなく他にもいろんな興味深い話が載っているので、生き物や動物がお好きな方にも是非お読みいただきたい(^^ゞ。

 今日(4日)は朝から陽射しがよく届いて、気温も上がって暑くなりました。
 日中はテレビを観たり本を読んだり、ダラダラと過ごしました。
 夕方の散歩は5時半過ぎに出ました。
 公園を斜めに上っていきます。

P8040005ブログ 夕空、夕日440 200804.JPG

 薄雲は少しありますが快晴です。夕日が眩しい。

P8040006ブログ SORA270 200804.JPG

 SORAの影もくっきりと出ています(^^ゞ。
 原っぱに出ました。

P8040011ブログ 西の夕空440 200804.JPG

P8040012ブログ 北西の夕空440 200804.JPG

 公園を回ることにします。

P8040014ブログ ヒマワリ270 200804.JPG

 花壇のヒマワリが大きくなっています(^^ゞ。

P8040015ブログ SORA380 200804.JPG

P8040020ブログ 北の夕空440 200804.JPG

 原っぱに戻ってウロウロしていきます。

P8040023ブログ スリスリ380 200804.JPG

P8040024ブログ スリスリ380 200804.JPG

 SORAはさっそくクネクネスリスリしました(^^ゞ。

P8040027ブログ 東の夕空440 200804.JPG

P8040029ブログ スリスリ380 200804.JPG

P8040031ブログ スリスリ380 200804.JPG

P8040042ブログ スリスリ380 200804.JPG

P8040044ブログ スリスリ380 200804.JPG

 SORAが場所をちょっと変えてはクネクネスリスリを繰り返しました。
 そのあとは、

P8040052ブログ SORA380 200804.JPG

 草の上でしばらくのんびりしながら、小型ワンコが集まっている方を見ていました(^^)/。
 ベンチに行きました。

P8040054ブログ 夕空440 200804.JPG

P8040055ブログ 夕空380 200804.JPG

 夕日が黒雲に沈んでいきます。

P8040057ブログ SORA270 200804.JPG

 SORAはさっきの小型ワンコたちを見ていました(^^ゞ。

P8040062ブログ 西の夕空440 200804.JPG

P8040066ブログ SORA380 200804.JPG

 SORAはマッタリしました。

P8040070ブログ 夕空440 200804.JPG

P8040072ブログ 夕空380 200804.JPG

P8040073ブログ 北の夕空440 200804.JPG

 北の空にもいろんな薄雲が浮かんでいます。
 南西の風がわずかにありますが、雲はあまり動いていませんでした。

P8040074ブログ 夕空440 200804.JPG

P8040075ブログ 夕雲380 200804.JPG

P8040086ブログ SORA380 200804.JPG

 SORAは寝ていた……かもしれません(^^ゞ。

P8040089ブログ 夕空440 200804.JPG

P8040091ブログ 夕雲380 200804.JPG

P8040094ブログ 夕空380 200804.JPG

 夕日も沈んでしまったので、帰ることにしました。

P8040097ブログ 夕空440 200804.JPG

 ほんのりと小焼けになってきれいでした。

P8040099ブログ 夕雲440 200804.JPG

 この細長い薄雲も面白かったです

P8040101ブログ SORA380 200804.JPG

P8040102ブログ 夕空440 200804.JPG

 原っぱを下りて帰ってきました。

P8040106ブログ SORA380 200804.JPG


 明日(5日)の横浜の南の端っこの天気は、強烈な陽射しが照りつけて、真夏の暑さになりそうです。
 南の風で、気温は33℃くらいまで上がるようです。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 91

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた 驚いた 驚いた
面白い 面白い
ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス
かわいい かわいい かわいい かわいい かわいい かわいい かわいい かわいい かわいい かわいい かわいい かわいい かわいい かわいい かわいい かわいい かわいい かわいい かわいい かわいい かわいい かわいい

この記事へのコメント