ロックウェル「息子の旅立ち」

画像  ノーマン・ロックウェル(1894~1978)といえば、20世紀中ごろの米国の民衆の生活や、その喜怒哀楽を描いて人気のあった画家である。
 彼の最も有名な作品の一つ「息子の旅立ち」(54年)のオリジナルが、所有者の死後、自宅の壁の裏に隠されていたのが見つかり、これまで所有者が展示していた絵は複製と判明したということである。

 所有していたのは、ロックウェルの友人でイラストレーターのドン・トラクティーさんで、長くバーモント州サンドゲートの自宅に絵を飾っていたが、昨年死去した。
 トラクティーさんは1960年にこの絵を購入し、自分の美術収集品としていたが、1970年代前半に複製を作成して飾っていたと見られている。本物を隠していた理由は不明だという。トラクティーさんの息子さんが、そのオリジナルを見つけたというわけである。

 この絵は、大学進学が決まった息子と父親がトラックの脇に座っている様子を描いており、ロックウェルがザ・サタデー・イブニング・ポスト誌の表紙として描いたものである。 希望に燃えて夢見るような息子と、それを送る農夫らしい父親の心配そうで疲れたような様子の対比が面白い。飼い犬だと思われるコリーが別れを予期しているのか、息子の膝に顎を乗せているのが、バカ親父にはちょっと切なく感じる。

 ニューヨーク・タイムズ紙によると、本物は時価500万ドル(約5億9千万円)の価値があるという。オリジナルと複製はともに、マサチューセッツ州ストックブリッジにあるロックウェル美術館に展示されるということである。

<後記>カール・ラーション『わたしの家』で少し触れたのですが、このノーマン・ロックウェルという画家が好きです。いままで飾られていた有名な絵が偽物で、その絵の裏の壁にオリジナルが隠されていたというのは、理由はともあれ面白いです。
 専門家の間では、ポスト誌の表紙に掲載されたものと、この飾られていた絵とでは色彩などが一致していないことはわかっていたようです。
 写真は、バカ親父が持っている卓上カレンダーですが、ロックウェルの絵がついています。4月の絵のタイトルは“Girl at Mirror”。鏡の前でポーズをとっている少女がかわいいのです。彼はいろんな絵を描いていますが、子どもや犬を描いた絵が好きです。

 イラストを主とした、こんな本があります。
ノーマン・ロックウェル

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