雑種

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 子どものころ、普通の家で飼っていた犬は雑種が多かったように思う。
 金持ちの家では、シェパードとかコリーとかチンなどを飼っていたが、数も少なかっただろうし、値段も高かったんだろう。
 敗戦からそれほど年月もたっていないから、日本に入ってきていた洋犬の種類も数も少なかったと思う。

 ペットショップも、今のようないろんな種類の子犬を置いてあるようなものはなかった。数も少なかったし、小鳥や金魚が置いてあるところがほとんどで、犬がいても柴犬くらいだけだったような気がする。
 犬を飼うのは、捨て犬を拾ったり、迷い犬を仕方なく飼い始めた、なんていうことが多かったようだ。
 あるいは、どこかで子犬が生まれて、誰か飼ってくれる人を探している、という話を聞いてもらいに行くなんてことだった。
 その子犬も、家で飼っていたメス犬がいつのまにか妊娠して産んじゃった、ということも多かった。
 犬は、チンなどは除いてほとんどが家の中でなく、外で飼われていたから、オス犬が鎖を切ってメス犬のところへ駆け込んで……、あるいは野良犬のオスが……なんてことが多かったようだ。
 世の中が、のんびりしていたともいえるだろう。

 そのうち経済の発展とともに、スピッツなどが流行り、洋犬の数も種類も増え、家の中でも飼われるようになり、単なる飼い犬ではなくペットと呼ばれるようになっていった。
 それとともに、雑種と呼ばれるような犬は少なくなっていった。
 今では、雑種がいても「ミックス」なんて言われる。
 最近は、小型犬同士のミックスとか、この前記事にしたゴールデンドゥードゥルという大型犬同士のミックスもつくられるようになったが、昔のいろんな犬の血が混ざった雑種は、少なくとも都会では見かけなくなった。

 さて話はちょっと変わって、あるブログを読んでいたらちょっと面白いことを見つけた。
 そのブログは、ニュージーランドに住んでいる日本女性が書いているものである。その方はゴールデン・レトリーバーとグレイ・ハウンドという大型犬を飼っている。
 ある日、その2頭を連れてドッグパークに行ったという。
 このドッグパークというのがすばらしい。広大な草や木のある公園で、リードをつけずに犬たちを遊ばせてやれるらしい。
 彼女はグレイ・ハウンドはリードをつけていたが、ゴールデンは自由に歩かせていた。そこに1匹の犬が駆け寄ってきて、2頭にじゃれつき始めたのだが、その犬のことをこう書いているのだ。

<途中いろんな犬たちに会うんですが
 この日はビーグルのクロスだという
 チャーリーという2歳の男子と一緒になりました。>

 写真を見ると、一見ビーグルと思われる犬が2頭の大型犬にじゃれている。だが、そのビーグルはちょっと顔つきが違うし、足が長い。どうも雑種(ミックス)犬らしい。
 でも、“クロス”と書いてある。“ミックス”とは言わないのだろうか? という疑問が起きた。
 それで、調べてみた。

 英和辞典では、
 クロス(cross)とは、元の意味は十字架で、他に十字形、十字路などのことだが、「異種交配の動・植物(hybrid)」ともある。
 “hybrid”を見ると、これも「(動・植物の)交配種、雑種(cross-bred)」とある。
 ミックス(mix)の項を見ると、「交配種」とか「雑種」という意味はない。
 なるほどである。雑種犬を「ミックス」というのは、和製英語なのである
 
 ためしに、和英辞典で「雑種」を見てみると、
 “a cross; a hybrid”とあり、“mix”は当然ながら、ない。
 例文に「うちの犬は雑種です」というのがあって、これの英訳は、“Our dog is a mongrel.”とあった。
 “mongrel”を調べると、「(動・植物の)雑種;雑種犬」とあり「雑種犬」そのものも表わす言葉だが、英国英語らしい。

 実は調べていくうちに“mutt”という言葉もあった。
 これは、米国やオーストラリアで使われ、「雑種犬、野良犬」を呼ぶ蔑称のようだ。

 いずれにしろ、英語で「雑種犬」のことは“mix(ミックス)”とは言わず、“クロス(cross)”あるいは“ハイブリッド(hybrid)”というのがいい、ということがわかったのである。
 勉強になったのだった(~_~)。


<後記>「ハイブリッド」というと、日本では「ハイブリッド・カー」を思い浮かべる方が多いでしょうね。
 でも、ハイブリッドの元の意味は、この交配種、雑種ということや混血児、混成物、あるいは「他の機械の部品を使った機械」という意味だそうです。

 犬にはいろんな犬種がありますが、全部が雑種といってもいいのかもしれません。ただ、使役犬あるいは愛玩犬として、その用途に合った犬を交配を繰り返してつくり上げていったのが、現在の一定の形質をもった「犬種」ということなんでしょうね。
 昔ながらの雑種犬は少なくなりましたが、雑種犬というのも面白いものです。
 両親の犬種がわかっていれば、ある程度その性格はわかりますが、うちのSORAのようにそれがわからないと、子犬の時に見ただけではどんな犬になるかわかりません。
 雑種というのは意外と頭がいいと言われますが、時にはとんでもないおバカもいるようです(^^ゞ。
 SORAの場合は、頭はそこそこですが、人にも犬にもなつっこいのだけは取り得だと思っています。
 とんでもないおバカでなくて、よかったです(~_~)。

 久しぶりのY字路です(^^ゞ。

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 今日は、結婚30周年の記念日でしたが、淡々と一日が過ぎました(~_~)。

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