『昆虫はすごい』




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                  〔今日の月〕


 “昆虫はすごい”ということをわかりやすく解説し、今ちょっと話題になっている『昆虫はすごい』という本を紹介してみる。
 去年の8月に出版された本で、バカ親父が手に入れたのは第7刷だが、現在8刷までいっているようだ。

 とりあえず、内容を目次から拾ってみる。


第1章 どうしてこんなに多様なのか
 ◆昆虫の多様性……地球は昆虫の惑星/百万種でもまだ一部
 ◆昆虫ってなに?……体のつくり/昆虫でない虫
 ◆多様性のひみつ……大切なのは飛翔と変態/最初の空の征服者/驚異の変身/変態と多様性/進化とは/進化的イベント/生物の生きる目的

第2章 たくみな暮らし
 ◆収穫する……植物との深い関係/植物と昆虫の戦い/殺し屋を雇う植物/お菓子の家
 ◆狩る……高度な保存技術/毒ガス攻撃/巨大な獲物/秘薬/ゾンビを繰る/動物界最速の動き
 ◆着飾る……玉虫色の意味/チョウはなぜ美しいか
 ◆まねる……自然物をまねる/化学擬態/虎の威を借る狐/歩く宝石/同悪相助
 ◆恋する……甘い香り/最高の感知能力/恋の歌/結婚詐欺/贈り物作戦/男の甲斐性/いろいろな贈り物/愛の舞踊
 ◆まぐわう……貞操帯/強引な男/異常な交尾/同性愛/雌雄逆転/子殺し/陰茎の大きさ一定の法則
 ◆子だくさん・一人っ子……クローン増殖/トロイの木馬/宝くじ/膨大な卵/二つの繁殖戦略/巨大な卵/キーウィ現象
 ◆機能と形……昆虫の特性を工業製品に/摂氏百度のおなら/漁火/もっとも奇抜な昆虫/前胸背板の秘密
 ◆旅をする……大航海/空の旅/時間の旅
 ◆家に棲む……住居と衣服/まちぶせ/糞のゆりかご/紙の家/空調の効いた自然の建造物/本物の蟻塚

第3章 社会生活
 ◆社会生活を営む昆虫……人間社会の縮図/子育て
 ◆狩猟採集のくらし……組織的な狩り/アリを襲うアリ/黒い絨毯/火事場泥棒たち/ごはん党
 ◆農業する……キノコ栽培/最新鋭の栽培技術/一子相伝/木の坑道に菌を栽培/アリ植物/長屋の住人
 ◆牧畜する……アリと乳牛/嫁入り道具
 ◆戦争する……基本的な関係は争い/実は平和主義者/アリの戦い/熾烈な縄張り争い/強敵たち/自爆攻撃/熱攻撃
 ◆奴隷を使う……昆虫にもあった悲しい世界/奴隷狩り/単独クーデター/奴隷制さまざま/次々に変装/羊の皮をかぶった狼/自己家畜化/社会寄生の進化
 ◆アリの巣の居候……好蟻性昆虫/盗食寄生/多すぎる居候/家のなかの猛獣/なりすまし/家族と瓜二つの客/成虫になっても成長

第4章 ヒトとの関わり
 ◆ヒトの作り出した昆虫……衣服や家畜と進化した昆虫/たった千五百年
 ◆昆虫による感染症……人口が半減/眠り病の恐怖/感染症を媒介する吸血性のハエ/シャーガス病/もっとも恐るべき吸血昆虫/日本ではダニのほうが怖い
 ◆嫌われる虫と愛される虫……農業被害/日本一危険な野生動物/身近な猛毒昆虫/家のなかのおじゃま虫/ゴキブリはなぜ嫌われるのか/家畜昆虫/昆虫は食べられる/虫を愛でる心


 著者は「はじめに」のはじめに、こんなことを書いている。


<われわれヒトの祖先の一部は、約十万年前にアフリカを旅立った。行く先々で社会集団を形成しつつ、ユーラシア大陸を横断し、アメリカ大陸へ渡り、それから一万年ほど前に南米大陸の南端にまで到達し、ほぼ全世界に生息地を広げた。
 その後、文明を発達させ、ここ数百年の間に急激に個体数を増加させている。そして今では、地球上の自然環境に対してももっとも影響力の大きい生き物となっている。しかしそんなヒトも、所詮、数え切れないほどの生物種のなかの一種にすぎない。
 たとえば、本書の主役である昆虫は、知られているだけでも世界に百万種を数え、地球上に生活する生物種の大部分を占めている。
「虫けら」と見下されるこれら昆虫でも、実は個々の能力に関しては、ヒトと同等、あるいはより優れているものが無数にいる。
 本書では、多様性のうえで繁栄を極める昆虫を対象として、それらの興味深い生活や行動について紹介したい。そのすごさ、すばらしさは、本書の紙数だけで十分に表現することは難しいが、その一端はご理解いただけるものと信じている。
 読者がおそらく一番驚くのは、ヒトが文化的な行動として行っていることや、文明によって生じた主要なことは、たいてい昆虫が先にやっているという事実であろう。本書ではそのような内容にとくに注目している。>


 昆虫の多様性ということでは、ヒトの種類はわずか1種だが、昆虫はなんと百万種を超え、それは既知の全生物の半数以上を占める、という。
 しかも、百万種というのはあくまで既知の数で、まだ名前がついていなかったり未発見の種が残されており、少なくとも既知の2~5倍が実際には生息していると考えられている。
 また個体数も多くて、ある熱帯地域の調査では、アリだけの生物量(そこに住んでいる全個体を集めた重さ)は、陸上の全脊椎動物(哺乳類、両生類、爬虫類など)の生物量をはるかに超えている。
 それほど昆虫は多様性があり、地球上で逞しく生き、隆盛を極めているのである。

 ヒトは地球のあらゆるところに住んでいて、地球を支配しているつもりになっているが、もし何か地球環境に異変が起きれば、多様性のある昆虫が生き残るだろうね。
 多様性のないヒトなどは、あっというまに絶滅してしまうのではないか、などと思ってしまった。

 昆虫がヒトの行動や文化と似ているということについては、最初に上げた目次の項目、たとえば「収穫する、狩る、着飾る、まねる、恋する、まぐわう、子だくさん・一人っ子、旅をする、家に棲む」などを見ただけでわかるのではないだろうか。
 社会生活という面でも、「狩猟生活のくらし、農業する、牧畜する、戦争する、奴隷を使う、アリの巣の居候」など、ヒトと同じようなことをやっている。
 農業など、ヒトが編み出したのはたかだかここ1万年程度の話だが、昆虫は桁違いに古い時代、おそらく8千万年前から行ってきているという。
 「戦争する」のなかに、「自爆攻撃」というのがあるが、敵と出会った時にまさに自爆するバクダンオオアリというアリがいて、爆発したアリはそのまま死んで巣の仲間のために犠牲になるという。
 現在の人間の自爆はテロだが、アリのそれは仲間を守るためというのが救われる。

 この本を読むと、まさに著者が言う“ヒトが文化的な行動として行っていることや、文明によって生じた主要なことは、たいてい昆虫が先にやっている”ということがよく理解できる。
 昆虫はスゴイのである(^^ゞ。

 「はじめに」のつづきは、次のように書かれている。


<そのことを知るにつれ、われわれは昆虫のなかにどうしてもヒトの姿を見てしまう。
 昆虫の行動の大部分は遺伝子に刻まれた本能の表現であり、学習によって得ることの多いヒトの行動とは根本的に異なることから、ヒトと昆虫を照らし合わせることに批判的な意見もあるかもしれない。
 しかし、食欲や性欲はもちろん、突発的な行動や感情に代表されるように、ヒトは普段の行動も多分に本能に支配されているし、生物としての営みは、昆虫のような一見「下等」な生物に共通する部分も非常に多い。
 この世のなかをとりまく問題に対するさまざまな評価や対処には、われわれヒトを一介の生物であると認識していないがために不自然になっていることが多いように思える。
 私は社会学者でも評論家でもないので、具体的な方策についてはよくわからないけれど、ヒトのなすことについて、生物の本質への理解を欠いた判断をすると、やはりどうしても無理の生じることが多い。その場合、背景にある確信や信念は妄想とさえ思えてしまう。
 などと少々大げさなことを言ってしまったが、本書に登場するさまざまな昆虫を通じて、生き物とはこういうもの、ひいてはヒトとはこういうものということがわかれば、少しは肩の力を抜いて厳しい人生を生きぬくことができるのではないだろうか。>


 この本では、昆虫という根源的な生き物の姿、というか命そのものの驚異をいろいろと教えてくれる。
 ヒトも生き物の一種であるが、都市化によってあまりにも自然から離れ、生き物としてのあり方を忘れてしまっているのかもしれない。
 この本が売れているというのは、無意識のうちに生き物の本質を探り、取り戻そうとするヒトが多いからかもしれない(^^ゞ。


<今日のお薦め本>
『昆虫はすごい』 丸山宗利 (まるやま むねとし)著、光文社新書、842円、14.12.05. 7刷発行(14.08.20. 初版1刷発行)
 著者について、奥付から紹介しておきます。
<1974年生まれ。博士(農学)。九州大学総合研究博物館助教。北海道大学大学院農学研究科博士課程を修了。国立科学博物館、フィールド自然史博物館(シカゴ)研究員を経て、2008年より現職。アリやシロアリと共生する昆虫の多様性解明が専門であり、アジアではその第一人者である。毎年精力的に国内外での昆虫調査を実施し、数々の新種を発見、多数の論文を発表している。著書に『ツノゼミ』(幻冬舎)、『森と水辺の甲虫誌』(編著)『アリの巣をめぐる冒険』(いずれも東海大学出版会)などがある。>

昆虫はすごい (光文社新書)
光文社
2014-08-07
丸山 宗利

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<後記>最近、昆虫は人気がないようで、「ジャポニカ学習帳」の表紙から昆虫が消えたことが話題になったし、ゴキブリが出てくると「キャー」とか「ギャー」とわめく方も依然として多いようです(^^ゞ。
 「ゴキブリを嫌いな人が多いわけ」という記事を書いたことがありますが、読みに来てくれる方が多いので、関心は高いようです(^^ゞ。
 人(特に女性)から見ると、昆虫は身勝手で場の雰囲気を読まないから嫌いなのかもしれませんが、昆虫の営みはとても面白いし、スゴイです。
 驚異といってもいいそんな昆虫のことを、この本で是非知ってほしいと思います。
 人間とはどういう生き物か? を知る一助になるかもしれません。

 今日(27日)は、昨夜から未明まで雨が降り続きましたが、日中はいい天気になりました。
 夕方の散歩の時もいい天気でしたが、薄い長細い雲と飛行機雲が多かったです。

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 公園を一周している間に夕日は沈んでいきましたが、西の空がいい雰囲気になっていきました。

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 原っぱに出ましたが、SORAはその周りの斜面を歩いていきます。

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 SORAが急にリードを引いたので、何かと思ったら黒っぽいニャンコが歩いていました。

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 グイグイと引っ張られるので、少しついていきます。

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 ニャンコが座ると、SORAも座りました(^^ゞ。
 原っぱに上がって西空の写真を撮っていきます。

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 斜面を下って帰ることにしました。

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 月に薄雲。

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 明日(28日)は、晴れのち曇りで、北よりの風が強く寒そうです。夕方からは寒気が下ってきて、しばらくは寒さの厳しい日が続くようです。

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