『監禁面接』 〔夕日に輝く公園の倉庫と樹の影〕 カミーユ・ヴェルーヴェン警部3部作で、物語の面白さに虜になってしまった作家ピエール・ルメートルの新邦訳『監禁面接』が出たので紹介する。 ルメートルの作品は翻弄され驚愕させられ茫然自失となるが、この本も期待にたがわず面白くて一気読みしてしまった(^^ゞ。 構成は… トラックバック:0 コメント:0 2021年02月01日 続きを読むread more
『片隅の人たち』 〔雨の日のあとの色鮮やかな夕景(^^ゞ〕 作家で翻訳家の常盤新平さんの、若き日に出会った個性豊かな翻訳者たちの姿を描く自伝的連作集『片隅の人たち』を紹介する。 1960年代に翻訳家として躍り出てきた個性豊かな若手の生活や交流、それに当時活躍していた先輩たちの姿を、フィクションとして抒情豊かに描いた連作… トラックバック:0 コメント:0 2021年01月29日 続きを読むread more
『レンブラントをとり返せ』 〔今日の夕方のどんよりとした西空〕 名だたるストーリーテラーであるジェフリー・アーチャーの新シリーズの一作目『レンブラントをとり返せ』を紹介する。 読んだことはないのだが、アーチャーの『クリフトン年代記』で、ベストセラー作家となったハリー・クリフトンの連作小説の主人公ウィリアム・ウォーウィックが、こ… トラックバック:0 コメント:0 2021年01月23日 続きを読むread more
『ローンガール・ハードボイルド』 〔室内に射し込んだ朝日の光〕 カナダ在住の女性作家コートニー・サマーズの、ひとりの少女が理不尽な状況に抗い、自分だけでなく他の少女たちの尊厳を守るために立ち上がる物語『ローンガール・ハードボイルド』を紹介する。 構成がちょっと変わっていて、失踪した少女セイディ・リラ・ハンターの行動と、その足跡を追… トラックバック:0 コメント:0 2021年01月18日 続きを読むread more
『緑の髪のパオリーノ』 〔夕方、黒雲の上から顔を出した白雲(^^ゞ〕 イタリアの国民的作家で児童文学者でもあるジャンニ・ロダーリさんの珠玉の短編童話集『緑の髪のパオリーノ』を紹介してみる。 次のような話が収録されている。(目次から) リーノ・ピッコのおはなし 宿題かたづけマシン/小さい電車/ポエモンドさん/ヴェン… トラックバック:0 コメント:0 2020年12月19日 続きを読むread more
『壊れた世界の者たちよ』 〔南西の空に見えた細い月〕 犯罪小説の巨匠ドン・ウィンズロウの新作で、多彩な魅力が詰まった傑作中篇集『壊れた世界の者たちよ』を紹介する。 次のような6篇が収録されている。 壊れた世界の者たちよ 犯罪心得(クライム)一の一(101) サンディエゴ動物園 サンセット パラダイ… トラックバック:0 コメント:0 2020年12月18日 続きを読むread more
『マタギに学ぶ登山技術』 〔公園のボケが次々と咲いてきています(^^ゞ〕 4年前に紹介した『マタギ奇談』と同じ著者・工藤隆雄さんの『マタギに学ぶ登山技術』を紹介する。 この本を本屋で見たとき、「あれっ! 以前に同じ書名の本を読んだことがある」と思ったのだが、発売されたばかりなので別の本だろうと思って読んでみた。 でもこの本は… トラックバック:0 コメント:0 2020年12月05日 続きを読むread more
『地下鉄道』 〔花が植え替えられた公園の花壇〕 米国の作家コルソン・ホワイトヘッドによる、テーマはシリアスだが極上のエンターテインメント小説となっている『地下鉄道』を紹介する。 2016年に刊行され、ピュリッツァー賞、全米図書賞、アーサー・C・クラーク賞など7つの文学賞を受賞し、日本で単行本として刊行されたときも… トラックバック:0 コメント:2 2020年11月25日 続きを読むread more
『山とあめ玉と絵具箱』 〔昼過ぎ、炬燵の脇で寝ていたSORAです(^^ゞ〕 山にかかわる出来事などを絵に描いたりエッセイにした画文集『山とあめ玉と絵具箱』を紹介する。 著者の川原真由美さんは、次のような方である。(表紙裏から紹介) <1965年兵庫県生まれ、東京在住。東京藝術大学美術学部デザイン科卒業後、広告制作会社サン・… トラックバック:0 コメント:0 2020年11月03日 続きを読むread more
『生きる!』 〔今夕の小焼けの西空〕 作家でエッセイストの嵐山光三郎さんの、死から見た「生」について考察したエッセイ集『生きる!』を紹介する。 主に小説家をはじめとした文化人・芸術家などの生き方とその死、あるいは自分の経験から、死ぬとは? 生きるとは? を考察している。 内容を目次と本文から小見出し… トラックバック:0 コメント:0 2020年11月01日 続きを読むread more
『ガン・ストリート・ガール』 〔昼間、買い物に行ったとき撮った影(^^ゞ〕 英国の作家エイドリアン・マッキンティの、王立アルスター警察隊刑事ショーン・ダフィを主人公としたシリーズの第4弾『ガン・ストリート・ガール』が邦訳されたので、紹介する。 第1弾の『コールド・コールド・グラウンド』、第2弾の『サイレンズ・イン・ザ・ストリート』、… トラックバック:0 コメント:4 2020年10月29日 続きを読むread more
『老いた男』 〔夕散歩で見られた上空のモコモコ雲〕 老境の元情報部工作員の逃亡生活を描いた冒険アクション小説でロード・ノベルでもある『老いた男』を紹介する。 作者は、以前に紹介した『アベル VS ホイト』を書いた米国の実力派作家トマス・ペリーである。 40章で構成されている。 プロローグは、次のように始… トラックバック:0 コメント:0 2020年10月16日 続きを読むread more
『老人と犬』 〔雨に濡れた桜の紅葉した落葉〕 10年前に紹介した『森の惨劇』の作者ジャック・ケッチャムのスリラー・バイオレンス小説『老人と犬』を紹介する。 本書は1999年に刊行された作品の再刊である。 次のような4部構成で、全体では31章に分かれている。 第一部 ラドロウ 第二部 父と息子 … トラックバック:0 コメント:2 2020年10月09日 続きを読むread more
『博士を殺した数式』 〔薄雲を通して見えた今朝の朝日〕 天才数学者の残した方程式の暗号にまつわる謎解きミステリー『博士を殺した数式』を紹介する。 作者は米国の女性作家で、今後の活躍が期待されているノヴァ・ジェイコブスである。 3部構成で、全体が32章に分かれている。 プロローグは、次のように始まる。 … トラックバック:0 コメント:2 2020年10月03日 続きを読むread more
『死んだレモン』 〔夕散歩に出たときに見た壁の雨染み〕 ニュージーランド南島の最南端の小さな町を舞台にした圧倒的なサスペンスで本格推理のミステリー『死んだレモン』を紹介する。 著者はニュージーランドの作家フィン・ベルである。 ニュージーランドを舞台にしたミステリーはとても珍しく、はじめて読んだ(^^ゞ。 … トラックバック:0 コメント:0 2020年09月26日 続きを読むread more
『ストーンサークルの殺人』 〔雲が多いものの陽射しが強かった昼空〕 英国の作家M・W・クレイヴンの連続焼殺魔と警察との闘いを描くミステリー『ストーンサークルの殺人』を紹介する。 主人公は国家犯罪対策庁(NCA)の重大犯罪分析課(SCAS)の部長刑事ワシントン・ポーである。 本書は〈ワシントン・ポー〉シリーズの第一作で、201… トラックバック:0 コメント:2 2020年09月18日 続きを読むread more
『笑う死体』 〔小さな雲穴がある夕方の西空〕 英国マンチェスター市警巡査(元刑事)エイダン・ウェイツを主人公としたシリーズ第2弾が邦訳されたので、紹介する。 著者は英国の作家ジョセフ・ノックスで、去年紹介した第1弾『堕落刑事』と同じく、謎解きの面白さを満喫できるミステリーである。 次のような12章で構成… トラックバック:0 コメント:0 2020年09月14日 続きを読むread more
『チェス盤の少女』 〔ライオンかゴジラのような夕方の入道雲(^^ゞ〕 拉致・監禁されたチェスの天才少女と誘拐犯との闘いを描いたダーク・ミステリー『チェス盤の少女』を紹介する。 作者は本書がデビュー作となる英国の作家サム・ロイドである。 本書は2部構成で、第一部のプロローグは、次のように始まる。 < イライ… トラックバック:0 コメント:2 2020年09月04日 続きを読むread more
『神と罌粟(けし)』 〔今日の夕散歩時の東の夕空〕 現代メキシコの恐怖が支配する闇を赤裸々に描いた異色クライム・サスペンス『神と罌粟(けし)』を紹介する。 著者はオーストラリア生まれの異色の経歴を持つ作家ティム・ベイカーである。 次のような四部構成になっている。 第一部 星のない街 第二部 砂丘の蜃気楼… トラックバック:0 コメント:0 2020年08月31日 続きを読むread more
『ヘッド・ハンター』 〔夕散歩で見た桜の黄色い葉〕 何十年ぶりかで、大藪春彦さんの小説を読んでみた。 その作品は、できるだけ大きく立派な角をもつ鹿や山羊などの頭部(ヘッド)を求めて旅を続ける男を描いたハードボイルド小説『ヘッド・ハンター』である。 大藪春彦といっても、今では知らない人が多いと思うので、カバー裏か… トラックバック:0 コメント:0 2020年08月27日 続きを読むread more
『北のはてのイービク』 〔夕方、ベンチからワンコたちを眺めるSORA(^^ゞ〕 グリーンランドに住むエスキモーの少年イービクの極限のサバイバル旅を描いた物語『北のはてのイービク』を紹介する。 作者は既に亡くなっているが、スウェーデンの女性作家ピーパルク・フロイゲンで、子ども時代を過ごした北グリーンランドでの思い出を基に書いたという… トラックバック:0 コメント:0 2020年08月20日 続きを読むread more
『東京レトロ写真帖』 〔今日の落日直前の橙色の丸い夕日〕 1年ほど前に、秋山武雄さんの『東京懐かし写真帖』という写文集を紹介したが、その続編『東京レトロ写真帖』が出たので紹介する。 秋山さんは15歳でカメラを手にしてから約70年、浅草橋の洋食屋「一新亭」を営むかたわら趣味で撮りためた風景写真が、東京の貴重な記録となっ… トラックバック:0 コメント:2 2020年08月14日 続きを読むread more
『旅のつばくろ』 〔朝日の強い陽射しでできたSORAの影(^^ゞ〕 『深夜特急』などの旅のルポが多い沢木耕太郎さんの、日本の旅とそれにかかわることや思いなどを綴ったエッセイ集『旅のつばくろ』を紹介する。 JR東日本車内誌「トランヴェール」に連載されたものが単行本化されたものである。 次のようなタイトルの話が載せら… トラックバック:0 コメント:0 2020年08月12日 続きを読むread more
『その手を離すのは、私』 〔夕方見た面白い形の小雲〕 英国の女性作家クレア・マッキントッシュのミステリーでサスペンスでサイコロジカル・スリラーでもある『その手を離すのは、私』を紹介する。 警察小説であり、主人公は英国ブリストル警察犯罪捜査課(CID)の警部補レイ・スティーヴンスだが、その部下の巡査ケイト・エヴァンスや巡査… トラックバック:0 コメント:4 2020年08月10日 続きを読むread more
『ポップス大作戦』 〔夕散歩で、ぼんやり見えた夕日(^^ゞ〕 写真家でエッセイストの武田 花さんのポップで色彩はじけるフォト&エッセイ集『ポップス大作戦』を紹介する。 以前にも、『イカ干しは日向の匂い』とか『道端に光線』などを紹介したことがあるが、武田さんの写真やエッセイが大好きである。 今回の本は、モノクロ写真ばか… トラックバック:0 コメント:0 2020年08月08日 続きを読むread more
『時計仕掛けの歪んだ罠』 〔落日ちょっと前の夕陽〕 スウェーデンの作家アルネ・ダールの衝撃のサスペンスシリーズの第一弾『時計仕掛けの歪んだ罠』を紹介する。 主人公は、ストックホルム警察犯罪捜査課の警部サムエル(サム)・ベリエルと、公安警察の女性潜入捜査官モリー・ブロームのふたりである。 四部構成となっているが、プ… トラックバック:0 コメント:2 2020年08月07日 続きを読むread more
『キリン解剖記』 〔なかなか形の整ったはみ出し草(^^ゞ〕 郡司芽久(ぐんじ めぐ)という女性が、学生の時にはじめてキリンを解剖してから、たくさんのキリンを解剖し、キリンの研究で博士号を取得するまでの約9年間の物語をまとめた本『キリン解剖記』を紹介する。 なんだか気持ち悪そうと思われそうだが、そんなことはない(^^ゞ。… トラックバック:0 コメント:0 2020年08月04日 続きを読むread more
『ワイルドサイドをほっつき歩け ― ハマータウンのおっさんたち』 〔夕方の南の空に見えた雲穴(^^ゞ〕 約1年前に紹介した『僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の作者・ブレイディみかこさんのエッセイ集『ワイルドサイドをほっつき歩け ― ハマータウンのおっさんたち』を紹介する。 『僕はイエローで、……』は、英国人の夫との間に生まれた息子の生活や成長について… トラックバック:0 コメント:0 2020年08月02日 続きを読むread more
『ビブリア古書堂の事件手帖Ⅱ ~扉子と空白の時~』 〔午前11時ちょっと過ぎの昼空〕 前回の、シリーズ本編の後日譚だった「扉子と不思議な客人たち」から1年10か月を経て再始動したシリーズの一作目『ビブリア古書堂の事件手帖Ⅱ ~扉子と空白の時~』を紹介する。 本作は次のような3話で構成されている。 プロローグ 第一話 横溝正史『雪割草… トラックバック:0 コメント:2 2020年07月29日 続きを読むread more
『ケルト帝国の秘薬を追え』 〔夕空に描かれた飛行機雲〕 米国の作家クライブ・カッスラーの冒険小説 “ダーク・ビット・シリーズ” の最新作『ケルト帝国の秘薬を追え』を紹介する。 このシリーズは1973年に刊行されたカッスラーのデビュー作『海中密輸ルートを探れ』がシリーズの第1作で、本作は2019年刊行の第25作になる。 … トラックバック:0 コメント:2 2020年07月26日 続きを読むread more