団塊バカ親父の散歩話

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zoom RSS 『雪盲』

<<   作成日時 : 2017/05/30 23:36   >>

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                 〔今日の夕日〕


 今まで読んだことのないアイスランドを舞台にしたミステリー『雪盲(せつもう)』を紹介してみる。
 作者は、“アイスランドのアガサ・クリスティ”の異名をとる日本初登場のラグナル・ヨナソンで、「ダーク・アイスランド」というシリーズの第一弾だそうである。

 プロローグは、次のように始まる


<   プレリュード

                 シグルフィヨルズル
          二〇〇九年一月十四日水曜日

 赤い色が夜のしじまに放たれた叫び声のように見える。
 あたり一面の雪の白さで、冬の夜の主である闇は締めだされかけている。朝から、綿をちぎったような雪がしんしんと地上に降りそそいでいたが、夜にはいって、雪はいったんやんでいる。
 人通りはほとんどない。住民は家から出ずに、窓越しに雪がやんだことを喜んでいる。劇団で死者が出てから、家から出ないようにしている者もいる。うわさはすぐに広がり、町には不信感がまじった重苦しい空気が漂っているが、見かけはいたって平穏だ。上空を飛んでいった鳥も、なんら異変に気づくことはなかっただろう。張りつめた空気とか、不安とか、恐怖ですらも。ただし、町のまんなかの小さな裏庭の上を飛んでいったのであれば、見逃すことはできなかったはずだ。
 その庭は木で囲まれている。葉を落とした枝が、雪の重みでところどころ垂れさがり、闇に気味の悪い姿を映している。神話の巨人(トロール)というより、ピエロに見えるのは、根元からてっぺんまで施された雪化粧のせいだろう。
 家の窓には心地よい明りが灯(とも)り、街灯が表通りを照らしている。この裏庭は、夜になっても闇に埋もれることはない。
 町を守っている周囲の山々はほぼ白くなり、とりわけ高い山の頂は雲のあいだから垣間見(かいまみ)ることしかできない。ということは、この数日、山は町を守る義務を怠っていたとも考えられる。災いのきざしとでもいうものが町のあちこちに潜んでいたとしても不思議ではない。つまり、何かを見過ごしたまま、今夜を迎えてしまったのだ。
 庭のまんなかにスノー・エンジェルのように横たわっている女がいる。
(後略)>


 アイスランドの北極圏間近の小さな町シグルフィヨルズル。
 ある家の庭のまんなかで横たわる女性は、いったいどうなっているのだろうか?
 何かが起きたらしい。
 このあと、物語は2008年春のレイキャヴィークに移り、そして次には2008年11月のシグルフィヨルズルに変わる。

 主人公は、シグルフィヨルズル署に赴任してきた新米警官のアリ=ソウル24歳だが、彼とかかわるこの町の住人の人間描写や、いろんな視点からの語りがとても興味深くて面白い。

 実は、『週刊文春』(5月25日号)の「ミステリーレビュー」に池上冬樹さんが、本書を取り上げていたので紹介しておく。


<日照時間が一日三時間しかない一月、北極圏に近い小さな町に赴任した新人警察官アリ=ソウルが劇場の階段から転落死した老作家の事件と強盗事件を捜査する物語である。
 闇と雪と山に押しつぶされそうな閉塞感の中、町の劇団の人間模様が明らかになり(多視点が効果的)、隠されていた秘密と葛藤が次第に迫り出してくる。恋人を都市に残してきたアリが罪悪感を覚えながら新たな恋に迷い、紆余曲折を経て謎を解き、関係者達の抱える罪を見つめるのがいい。余韻の残る作品だ。>(ちなみに、採点は★★★★だった)


 アリ=ソウルは13歳で両親を失い、神を信じなくなった。それなのに、大学で神学を志すが挫折する。
 警官になろうと思い立って警察学校に入り、2008年夏、卒業を前にして就活に乗り出すが苦戦していた。
 首都レイキャヴィクのフラットで、医学生の恋人クリスティンと暮らし始めたばかりだったが、1本の電話がかかってきた。
 シグルフィヨルズルの警察署長トーマスからで、警官として採用するという。

 リーマンショックの影響で経済危機に陥っていたアイスランドでは、若者が仕事にありつけるだけでもありがたかった。
 クリスティンの理解を得られないまま、アリ=ソウルは400キロ離れた北の最果ての地で警官として働き始めた。

 シグルフィヨルズルはかつてはニシン漁で栄えた漁師町だったが、“海の銀”と言われたニシンが姿を消し、現在は人口も景気も衰退の一途をたどっていた。
 署長のトーマスからは、この町はドアに鍵をかける者がいないほど何も起きない町だと聞かされていたアリ=ソウルだったが、町は雪崩で外界から途絶し、山と闇と雪に押しつぶされそうな閉塞感に悩まされるようになった。
 こんなところに来るんじゃなかったと後悔する日々を送っていたのだが、4年前に西フィヨルドからこの町に来て魚の加工工場で働くウグラという女性とつき合うようになる。
 彼女は影があるが魅力的な美しい女性で、ピアノを教え始めたばかりだった。その最初で唯一の生徒に、アリ=ソウルがなったのである。

 そんなある日、町で最も有名な人物で作家、それにウグラも入っている市民劇団の主宰者である老人フロルフルが、劇場の階段から転落死しているのが見つかった。
 トーマスは単純な事故で済ませようとするが、アリ=ソウルはどこか納得できないものを感じていた。
 狭い町ということもあり、劇団員だけでなくその家族や周囲の人たちも巻き込んで疑心暗鬼が生じ、町に不穏な空気が漂い始めた。
 やがて第二の事件が起きた……瀕死の重傷を負った女性が倒れているとの通報がもたらされたのである。

 捜査を進めるアリ=ソウルだったが、しだいに住民たちの不穏な過去がわかってくる。
 それぞれの隠された秘密と葛藤が彼に押し寄せてくる。彼自身もレイキャヴィクに残してきたクリスティンへの罪悪感に苛まれながらウグラとの新たな恋に迷っていく。
 隔絶された町に犯人は確かにいる。
 悩み煩悶しながらも、アリ=ソウルは2つの事件の犯人を探っていくのだった。


<今日のお薦め本>
『雪盲 Snjoblinda(SNOEBLIND)』 ラグナル・ヨナソン 著、吉田 薫 訳、小学館文庫、864円、17.05.14. 初版第一刷発行
 著者について、カバー裏から紹介しておきます。
<アイスランド首都のレイキャヴィーク出身。小説執筆の傍ら、弁護士としても活動している。著書に〈ダーク・アイスランド・シリーズ〉として『NIGHTBLIND』『BLACKOUT』などがある。英国推理作家協会会員。>

雪盲: SNOW BLIND (小学館文庫)
小学館
2017-05-09
ラグナル ヨナソン

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<後記>人間模様の描き方が巧みで、物語に豊かさと深みを与えています。
 ラストでは、いろいろな隠されていた真実が明るみに出てきて、アッと驚きます(^^ゞ。
 主人公のアリ=ソウルをはじめ、登場人物たちの弱さ、はかなさ、哀しさ、やるせなさなどが描かれていて、なかなか面白いです。
 “アイスランドのアガサ・クリスティ”と言われているということに、納得です。
 アリ=ソウルとウグラの恋の行方は如何に……(^^)/。

 今日(30日)もいい天気になりましたが、午後からしだいに曇ってきました。気温が上がりました。
 夕方の散歩に出たのは5時半ころでした。空は雲に覆われていましたが、夕日がかすかに見えました。

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 公園を回って原っぱに行きました。

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 SORAはさっそくスリスリしまくりました(^^)/。

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 なんだか気持ちが乗らないので、ボール遊びもしないでベンチでマッタリすることにしました。

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 あまり変化がない夕日の様子を見ていました。

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 ムクドリがわりとたくさんやってきて、何かをついばんでいました。

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 ワンコたちはマッタリ、飼い主さんたちはおしゃべりに夢中(^^ゞ。

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 帰ることにしました。

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 おチビの写真を1枚。

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 散歩でじんわり汗をかいたので、ベッドに下ろして着替えの途中に、こんな格好をしたそうです。
 体操の選手にでも、なれるかも(^^)/。

 明日(31日)は日中は晴れてムシムシしそうです。天気の急変があるかもしれません。夕方からは曇ってくるようです。

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