団塊バカ親父の散歩話

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zoom RSS 『ウニはすごい バッタもすごい』

<<   作成日時 : 2017/06/01 23:04   >>

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                 〔ある物の影(^^ゞ〕


 動物の体のつくりの特徴をわかりやすく解説して話題になっている、本川達雄さんの『ウニはすごい バッタもすごい』を紹介してみる。
 本川さんといえば、『ゾウの時間、ネズミの時間』(中公新書)などの本で有名な動物生理学者である。

 生物の分類では上位・下位のクラス分け(階層分類)をするが、上位からいうと、界・門・綱・目・科・属・種と大別し、必要に応じてそれぞれの下に亜門・亜綱などをおく。
 たとえばヒトなら、動物界・脊索動物門・哺乳綱・霊長目・ヒト科・ヒト属・ヒトとなる。
 動物では34の門に分けられるが、本書ではそのうちの代表的な次の五つの門を取り上げている

 刺胞動物門(サンゴなど、刺胞をもつ動物)
 節足動物門(昆虫やエビ・カニなど、関節のある脚をもつ動物)
 軟体動物門(貝やイカ・タコなど、薄い殻に覆われている動物。殻が退化したものもいる)
 棘皮動物門(ウニやヒトデなど、皮〔をかぶった〕棘をもつ動物)
 脊索動物門(ホヤや脊椎動物亜門〔魚、両生類、爬虫類、鳥、哺乳類(ヒトなど)〕など、脊索〔体の正中線の背側に前後に走る棒状の支持器官〕をもつ動物)

 「門」というのは、体のつくりの似たもの同士をまとめて大まかなグループに分ける単位だが、34もあるということはそれだけさまざまな体のつくりの異なった動物がいるということである。
 体のつくりには、住んでいる環境、生き方、その動物の歴史などが反映している。
 体のつくりの異なる動物たちは、生きていくそれぞれの場面で、どうふるまえばいいか、何を求めるか、何が価値のあるものかということが違い、それぞれが他と異なる独自の世界をもつようになった。
 それらのさまざまな動物のもつ世界を読み解こうとしたのが本書である。
 

 目次から内容を見ると、次のとおりである。

第1章 サンゴ礁と共生の世界――刺胞動物門
  コラム サンゴの分類学上の位置
第2章 昆虫大成功の秘密――節足動物門
 1 キチン質の外骨格(昆虫の特徴一)
 2 大きな運動能力――歩く・走る・飛ぶ(昆虫の特徴二)
 3 気管(昆虫の特徴三)
 4 体のサイズ(昆虫の特徴四)
 5 被子植物との共進化(昆虫の特徴五)
 6 脱皮(昆虫の特徴六)
  コラム 脚は梃子・脚は細長い円柱形/筋肉はペアで働く/体の大きさと乾燥しやすさ
第3章 貝はなぜラセンなのか――軟体動物門
  コラム 大きいことはいいことだ/軟体動物の進化
第4章 ヒトデはなぜ星形か――棘皮動物門T
 星形(棘皮動物の特徴一)
  コラム ヒトデとナマコの呼吸/なぜ左右相称で細長い動物が多いのか/球形のウニはどこを前にして歩くのか?
第5章 ナマコ天国――棘皮動物門U
 1 管足(棘皮動物の特徴二)
 2 皮膚内骨片(棘皮動物の特徴三)
 3 キャッチ結合組織(棘皮動物の特徴四)
 4 低エネルギー消費(棘皮動物の特徴五)
  コラム 外骨格的内骨格/結合組織
第6章 ホヤと群体生活――脊索動物門
 1 動物性セルロース(尾索類の特徴一)
 2 濾過摂食(尾索類の特徴二)
 3 群体(尾索類の特徴三)
第7章 四肢動物と陸上の生活――脊椎動物亜門
 1 陸上の生活
 2 姿勢を保ち、歩く
 3 食物を得る、消化する
  コラム 支持系の種類


 とてもわかりやすく書かれているのだが、内容が豊かすぎてどのように紹介したらいいかわからない(^^ゞ。
 たしか作家の池澤夏樹さんがどこかで、うまく紹介していたと思ったので探してみた。

 『週刊文春』(3月16日号)の「私の読書日記」に、池澤さんがこの本を取り上げていた。ちょっと長くなるが紹介しておく(^^ゞ。


<×月×日
 かつて中公新書に『ゾウの時間 ネズミの時間』という名著があった。大きな動物でも小さな動物でも「一生の間に心臓が打つ総数や体重あたりの総エネルギー使用量は」同じ、という原理になるほどと思った。
 同じ著者が『ウニはすごい バッタもすごい』という本を出した(本川達雄 中公新書 840円+税)。これが読み出したら止まらない。
 一言で言えば工学に添った動物学である。ある動物がその形をしているのはなぜか。全体と細部はどのように動き、それはいかなる機構から生み出されるか。それはいかなる素材によって可能か。環境との整合性はどう保たれているか。
 そういう問いに次々に答えて先へ進む。正に快刀乱麻の痛快な本だ。
 動物の身体を材料工学で解く。素材として用いられるのは例えば炭酸カルシウム。海水中にたくさんあるからサンゴや貝類はこれを利用する。安上がりだが重いし、一度作ったら改築はむずかしい(貝は対数螺旋でこの問題を解決した)。
 脊椎動物ではそれがリン酸カルシウムになる。利点は一度作ったものを少しずつ溶かして形を変えられること。力がかかる部分はそれなりに補強される。
 昆虫はクチクラを使う。「多糖類やタンパク質という複雑な分子でできており、そんなものを合成してつくるのだから製作費は当然高くつく。ただし高いだけのことはあり、軽量かつ丈夫できわめて高機能なものに仕上がっている」という時のこのコスト感覚が工学なのだ。
 クチクラも基本は繊維である。これを並べた薄膜を繊維の角度を少しずつ変えて多層化する。一段と強度が増す。更にキノン硬化を調節することで硬軟を自在に調節できる。だからクチクラだけで関節が作れる。我々の故障の多い複合的な関節とは大違い。
 この素材によって昆虫は陸地を制覇し、空中を制覇した。しかしそこにはもっと他の理由もある。
 昆虫は小さい。その利点は――
 @世代交代が早いから変異の出現も多い。
 A小さいと環境の変化に弱いから速やかに変異が淘汰されて環境に合ったタイプが選別される。
 B小さい分だけ行動範囲が狭く、他の集団と隔離されて優れた変異が種として定着しやすい。
 C食べるものも少なくて済むのでまばらな餌でも生きられる。
 こういう知見が刺胞動物、節足動物、軟体動物、棘皮動物、脊索動物、脊椎動物と動物界の全域に渡って繰り広げられる。とんでもない量の知識が巧みに整理され展開される。
 クチクラは優れた素材だが、これによる外骨格は手直しが利かない。成長につれて手狭になる。だから昆虫はこれを脱いで脱皮によって新しい衣装を纏う。しかしクチクラは体表だけでなく体内深くまで届く気管をも覆っている。そういう細部も含めてこの硬い衣装を脱ぐのは難しいことで、「細い管の一ヵ所でもひっかかってクチクラが脱げなければ万事休す。昆虫は脱皮の過程で死亡することが多い」という。
 気管にまでクチクラを張るのは水分保全のためである。生物は水という特異な物質によって生命という現象を実現した。水中にいるかぎり水のことなど考えないで済んでいたが、陸上に進出した時から水の補給と保全という難題を抱えた。酸素呼吸のためには外気とのやりとりが必要になるが、そこで水分を失うわけにはいかない。
 昆虫のような小さな生物ではこれは深刻な問題になる。クチクラの利点の一つは水分を透さないことだ。だから気管や腸の一部にまでクチクラを配する。
 水の中で生まれて、よくもまあ陸上に進出したものだ。水の中にいれば――
 @水の入手は容易、
 A姿勢維持も容易、
 B食物は手に入りやすく、
 C排泄も楽で、
 D子孫は水流に乗って分散し、
 E環境の温度も安定していた。
 陸に出た利点は、
 F酸素の入手が楽になる、ということだけ。
 よくもまあこれだけのハンディキャップを克服してここまで栄えるようになったものだ。今や地上に生物の姿を見ないところはほとんどない。
 学問の世界では、各論は若い者に書かせてよいが、総論は碩学に任せよという言葉がある(ぼくは遠い昔、理系の研究者だった伯母にこれを聞いた)。この本などはその典型である。>


 生き物が好きな方はもちろんだが、そうでない方も読んで損はない本である(^^ゞ。 


<今日のお薦め本>
『ウニはすごい バッタもすごい ―― デザインの生物学』 本川達雄 著、中公新書、907円、17.04.15. 4版(17.02.25. 初版)

ウニはすごい バッタもすごい - デザインの生物学 (中公新書)
中央公論新社
本川 達雄

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<後記>水の中で生まれた生物が、陸上に進出するのがいかに大変だったかというのも、よくわかります。
 魚のひれが脚になり四肢動物ができ、そのなかから立ち上がるものがいて、それがヒトになったわけですが、その進化のすごさということも感じました。
 興味深い話ばかりで、動物の体のつくりは自然の妙というか、大いなる力が作用してでき上がったのだろうと思わされます。

 本田さんの本にはよく載っているのですが、彼が作詞・作曲をした動物の不思議を歌った歌(楽譜つき)がこの本にも載せられています。
 とてもわかりやすく面白いので、よかったら本屋ででも見てください(^^ゞ。

 今日(6月1日)は昨日の夜半から降り始めた雨が朝まで続きました。
 その後は陽射しも届きましたが、しだいに雲が多くなりました。
 夕方の散歩に出たのは5時半ころで、空は雲に覆われていました。
 空の様子を撮ろうとカメラを出そうと思ったら、忘れたことに気がつきました(^^)/。
 ということで、散歩から帰って買い物に出た時の写真を少し載せます。

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 帰りに北西の空を見ると、すこしピンク色になっていました。

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 タチアオイが咲いていました。

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 電線に止まっていたカラスが、飛び立った瞬間です(^^ゞ。

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 これは廊下で寝ているSORAです。鼻先にネズミがいます(^^ゞ。

 明日(2日)は一時曇りそうですが、陽射しが降り注ぎ汗ばむ気温になるようです。熱中症に気をつけたいものです。

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