団塊バカ親父の散歩話

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zoom RSS 『失われた図書館』

<<   作成日時 : 2017/08/01 23:17   >>

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                  〔今日のどんよりした夕空〕


 古代の実在したアレクサンドリア図書館にまつわる冒険ミステリー『失われた図書館』を紹介する。
 作者のA・M・ディーンは年齢・性別も不明だが、古代文化や宗教史の分野における大御所のペンネームだということである。
 本作がデビュー作で、同じ主人公の続篇“The Keystone”も出ているということだ。

 プロローグは次のように始まる。


<    プロローグ

アメリカ合衆国ミネソタ州
午後11時15分(中部標準時〔CST〕)

 銃弾は肺まで届いたものの、貫通せずに体の中にとどまっている。しかし老いた男はもはやそれによる痛みを痛みとはとらえていなかった。視界は輪郭から少しずつ暗くなり始めていたが、その薄らぎかけた痛みだけが彼の意識をつなぎ止めている。
 こうなることはわかっていた。アルノ・ホルムストランドは彼らの来訪を予期していた。一週間前に起きたことを考えれば当然だろう。覚悟はできている。急ぐはめにはなったが、準備は間に合った。段取りは整い、必要な手配はすべて終えてある。残るはこの最後の務めを果たし、労力が報われることを祈るだけだ。
 デスクの奥に回り、すれて毛羽立った革張りの椅子にどさりと体を沈めた。暗いオフィスに一つ灯(とも)ったランプの柔らかな光が、目の前のマホガニー材の天板をほのかに輝かせている。この状況にひどく不似合いな美しさだった。
 デスクの上に開いたまま載せた書物に手を伸ばす。胸の痛みが一瞬、再燃した。その焼けるような痛みに役目があるとするなら、最後通告だろう。もはや逃げ道は断たれた。最後までやり通すしかないという現実を改めて突きつけるもの。痛みから意識を引きはがし、デスクの上の書物に意識の焦点を合わせて、指先で三枚数えた。残された力を振り絞り、その三枚を破り取った。
 廊下を足音が近づいて来る。意識の焦点はそちらに移った。アルノ・ホルムストランドは銀無垢(むく)に金めっきが施されたライターを手に取った。何年も前、教え子の結婚式で花婿の付添人を務めたときに贈られたものだ。破り取った本のベージを足もとのくず入れの上にかざし、ライターの炎を近づけた。火はすぐに燃え移った。炎を上げる紙をくず入れに落とす。紙が縁から丸まって橙色の炎に呑みこまれると、アルノはまた革張りの椅子に身を沈めた。
(後略)>


 物語は火曜日から日曜日までの6日間の出来事だが、舞台は米国のミネソタ州、英国のオックスフォード、エジプトのアレキサンドリア、トルコのイスタンブールと目まぐるしく変わっていく、ハラハラドキドキの冒険ミステリーである。

 物語の幕は、米英の両国でほぼ同時に開けた。
 ある晩のこと、ミネソタ州のカールトン大学史学科で、さまざまな業績をもち尊敬もされていた老教授アルノ・ホルムストランドが、何者かに3発の銃弾を撃ち込まれて殺された。
 その14分後、今度は早朝のオックスフォードで聖母マリア大学教会が時限爆弾で爆破され、炎に包まれて崩れ落ちた。

 翌朝、大学では殺人事件の噂でもちきりだったが、新米教授エミリー・ウェスは、亡くなった教授アルノ・ホルムストランドからの手紙が自宅に届けられているのを発見した。
 エミリーは老教授を尊敬し、彼の講演や講義をよく聞いていたのだがそれほどのつき合いはなかった。なぜ、教授が彼女にメッセージを送ってきたのか疑心暗鬼で読んでみた。
 次のようなものだった。


<親愛なるエミリー

 きみがこの手紙を読んでいるいま、私はすでにこの世にいないだろう。(中略)
 私にはやり残した仕事がある。それをきみに引き継ぎたい。私の過去の業績がすべて色褪(あ)せるような仕事、比較にならないほど重大な意義を帯びた仕事だ。
 私はある図書館のありかを知っている。あの図書館、きみの研究と深い関わりのある王によって建設された図書館だよ、エミリー。そう、アレクサンドリア図書館だ。
 図書館は現存している。それに付随するソサエティも。いずれも消滅してはいない。
 これは単なる考古学上の知識ではなく、それ以上の危険を伴うものだ。きみがこの手紙を受け取るころ、私はそれゆえに命を奪われているだろう。
(後略)>


 アレクサンドリア図書館というのは、人類史上最大の規模を誇ったと伝えられる図書館である。
 紀元前三世紀ごろ、エジプトの国王プトレマイオス二世が、ナイル川デルタの北西端にあるヘレニズム文化の中心都市アレクサンドリアにつくった。その目的は情報の収集と集積で、世界中の書物の収蔵を目指していた。
 最盛期には70万もの蔵書量を誇ったと言われているが、その後の歴史の中で忽然とその姿を消してしまった。カエサルのアレキサンドリア戦役で焼けてしまったなどの諸説があるが、真相は定かではない。
 現在、ユネスコの後援で二十一世紀型の新アレクサンドリア図書館が建てられている。

 さて、老教授の手紙だが、便箋の裏にはある電話番号が書かれており、その番号に連絡するようにとの書き込みがあった。
 その番号は、エミリーには馴染みのあるものだったが、その人物へ電話をしなさい、という依頼は意外で戸惑うばかりだった。
 だが、文面に読みとれる老教授の必死さに、探求心を刺激され、冒険心をかき立てられたエミリーは、謎を追うことにした。
 そして、婚約者と過ごす予定だった感謝祭の休暇を取りやめ、10時間後には英国へと向かう機上の人となっていた。

 留学していたこともあるオックスフォードでは、恩師ピーター・ウェクスターとその教え子カイル・エモリーから有益な助言を得たのもつかの間、またも飛行機に飛び乗りエジプトのアレキサンドリアに向かった。

 エミリーがアレクサンドリア図書館の秘密を探っていくと、老教授からのメッセージが次から次へと現れ、それを読み解きながら3大陸を股にかけた冒険の旅にのめり込んでいくのだった。
 古代図書館をめぐる〈ソサエティ〉と〈カウンシル〉という謎の組織の因縁のある確執や、米国の中枢を蝕(むしば)む世界の命運のかかった陰謀も絡んできて、壮大なスケールの物語となってくる。

 はたして、アレクサンドリア図書館の在りかは、何処(いずこ)にあるやなしや?
 米国の中枢の危機は回避されるのだろうか?
 老教授アルノ・ホルムストランドがエミリーに託したことの真実と真意は何か?
 教授の命を奪った組織の魔の手がエミリーにも迫ってくる。彼女の運命やいかに?(^^ゞ。


<今日のお薦め本>
『失われた図書館 THE LOST LIBRARY』 A・M・ディーン 著、池田真紀子 訳、集英社文庫、1188円、17.07.25. 第1刷

失われた図書館 (集英社文庫)
集英社
2017-07-20
A.M. ディーン

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<後記>冒険物には珍しいエミリーというヒロインは、イスラエルの格闘技クラヴ・マガを学んだり、スカイダイビングをしたりという行動派です。
 頭も切れ、男の主人公にはない爽やかな物語になっています。
 エミリーの冒険や謎解きとともに、グローバルな展開や古代史にまつわる百科事典的な面白さも味わえて、ズンズンと読み進められます。
 女性版インディー・ジョーンズの現代冒険ミステリー、といえるかもしれません(^^ゞ。

 今日(1日)は午前中は雨は降りませんでしたが、午後2時半ころから雷が鳴りだし、そのうちに土砂降りになりました。
 ちょうどカミさんが着付けの仕事に行くところで、ちょっとかわいそうになって駅まで車で送りました(^^)/。

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 家に帰ってくると、雷鳴が怖かったのかSORAが脇に寄ってきましたが、雷が遠のくと寝ちゃいました(^^ゞ。

 夕方の散歩に出たのは5時ちょっと過ぎで、雨はポツポツくらいになっていました。

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 公園の桜並木の階段を上って、原っぱに行きました。

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 公園を回っていきました。

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 ワンコは1匹もいませんでした(^^)/。

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 SORAは原っぱをウロウロするかと思いましたが、すぐに降り口の方に向かいました。

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 階段を下り始めましたが、SORAが振り返りました。

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 「もう帰るけど、いいでしょ?」と言っているようでした(^^ゞ。

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 夜になっても雨が続き、ときどき激しく降っています。
 明日(2日)は曇りの一日で、時にパラパラとにわか雨が降りそうです。
 気温はそれほど上がらないようですが、ムシムシしそうです。

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