団塊バカ親父の散歩話

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zoom RSS 『こわいもの知らずの病理学講義』

<<   作成日時 : 2018/01/28 20:54   >>

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                〔今日の夕景と月〕


 現在、話題になり増刷を重ねている大阪大学医学部教授・仲野 徹さんの『こわいもの知らずの病理学講義』という本を紹介してみる。
 病理学に関する本なんて売れそうもないのだが、ネットの医学情報の信頼性が話題になる昨今、専門家による確かな情報が求められているようだ。
 医学や病気の成り立ちの面白さ(興味深さ)を、わかりやすく解説している。

 目次から内容の概要を紹介しておく。(小見出しは省略してあります)

序章 病理学ってなに?
 はじめに/「病理学」の意味と歴史/「病理医」ってなにをするお医者さん?/自己紹介
第1章 負けるな!細胞たち 細胞の損傷、適応、死
 生きるということ、死ぬということ/細胞<組織<臓器/細胞だって適応する/傷つく細胞/細胞が死ぬということ――エピソードT 壊死/酸素がなくては生きていけない/細胞が死ぬということ――エピソードU アポトーシス/わかる、カルタゲナー症候群/細胞に溜まるいろいろなもの/老化と死からは逃げられない/人みな骨になるけれど
第2章 さらさらと流れよ血液 血行動態の異常、貧血、血栓症、ショック
 からだ中に張りめぐらされた血管網を流れる血液/浮腫/出血/貧血/止血/血栓症と塞栓症/梗塞/いろいろなショック
インターミッション 分子生物学の基礎知識+α
 生命科学を知るために/DNAってなに?/セントラル・ドグマ/遺伝子ってなに?/ゲノムと染色体/突然変異は突然なのか
第3章 「病の皇帝」がん 総論編 その成り立ち
 腫瘍、新生物、そして、がん/がんの増殖能/がんの統計学/小児の腫瘍/アンジーの選択/がん遺伝子、がん抑制遺伝子、そして、がんの進化/成長シグナルの自給自足/アポトーシスの回避/無限の細胞複製能/血管新生/浸潤と転移/ゲノムの不安定性
第4章 「病の皇帝」がん 各論編 さまざまな進化
 化学物質による発がん/発がん実験と発がん物質/放射線による発がん/子宮頸がんとウイルス/日本の誇り、成人T細胞白血病(ATL)の研究/肝炎ウイルスと肝臓がん/ヘリコバクター・ピロリと胃がん/伝染るんです/がんの発症とエピジェネティクス/がんと免疫/がんゲノム/プレシジョンメディシンと分子標的薬/新しい分子標的薬の開発と高額医療/医学におけるAIの活用/がんの一生/がんは運である
おわりに


 さて、どのように紹介しようかと思ったのだが、朝日新聞(1月7日)・書評欄の「売れてる本」欄に、ノンフィクションライターの最相葉月がこの本の書評を書いている。
 「医学のロジックはシンプル」と題して、とてもわかりやすくまとめられているので紹介してみる。

<平安時代の「医心方」以後、医学書は数多(あまた)あれど、病理学の本が発売早々増刷を繰り返すなんてことがあっただろうか。
 病理学とは「病気がどうしてできてくるのかについての学問」。著者は病理学者で、「病気になるということは細胞が傷むということ」という視点から、細胞でどんなことが起きると病気になるのかを解説した。
 阪大医学部の講義が下敷きだが、「近所のおっちゃん・おばちゃん」に読ませるつもりで書いたというだけあって、最低限の専門用語と基本原理を頭に叩(たた)き込めば読み進められる。殺し文句は「医学におけるロジックはきわめてシンプルです」。
 重要なのは酸素だ。酸素がないとエネルギーを作れず、細胞を正常に保つポンプが動かなくなってタンパクが作れない。細胞はウイルス感染や老化、放射線などさまざまな原因で傷つくが、いずれも最後は酸素が行き届かなくなって死に至る。動脈硬化も同様で、低酸素状態に弱い脳と心筋が梗塞(こうそく)に陥る。
 生命科学の進歩により、がんの分子レベルでの理解も進んだ。がんは一個の細胞の遺伝子に起きた突然変異から始まる。増殖は速く、周囲の組織に浸潤して破壊する。酸素が欠乏しても血管を作れるから厄介だ。話題のニボルマブなど、分子標的薬と従来の免疫療法の違いもわかりやすく説明されている。
 「アホ」な質問をする学生の話など余談も多いが、それも専門的な内容を理解するための補助線。読むうちに、病気を食い止めたり、病気に適応したりしながら懸命に生きる細胞が愛(いと)おしくなってくるから不思議だ。
 どうせ死ぬなら、病を知り、最善の治療を探しつつ自分の生き方を最優先して、運を天に任せよう――著者のそんな人生観も共感を呼ぶのだろう。賢くなった気がするとか、お医者さんにこんなことを聞いてみようと思ってもらえたら何よりとあるが、それ以上に医学部志望者が増えるのでは。かく言う私もその一人だが、遅きに失したか。>


 2か所ほど引用・紹介してみる。
 病気のメカニズムのところは短く紹介しても舌足らずになるので、最相さんも書いている著者の人生観にかかわるところを引用してみる。
 第1章の終わりの「老化と死からは逃げられない」から「アンチエージング」についてと、「人みな骨になるけれど」というコラム的な内容のところである。


<アンチエージング

(前略)
 自慢じゃありませんが、私は毛髪が不自由です。どれくらい不自由かというと、高校の同窓会にいったら、先生と間違われたくらい不自由です。若いころは気にして、育毛剤を、それも日本で認可されていないお薬を、米国留学中の後輩から送ってもらっていたことがあります。確かに効きました。
 が、ある日、ふと思ったのです。いつまで続けるのか、と。そして、こんなことしていいことがあるのか、と。抜け毛をある程度は防げても、着実に毛は減っていきます。主観的には抜け毛が減ったといっても、客観的にはハゲは着実に進行しているのです。もともと女性にもてたりしないのですから、毛の多寡で、もてるとかもてないとかに影響があるようなことは断じてありません。なんでこんなことせなあかんの? どう考えてもアホみたいやん。そして、やめました。潔く生きていこうと決めました。少なくともわたしの場合は、人生観にも大きな影響がありました。
 育毛剤だけでなく、アンチエージング全般に似たようなことが言えるのではないかという気がします。我が国は、高齢「化」社会ではなくて、すでに超高齢化社会になっています。お年寄りが健康に生きる、というのは、もちろん大事なことです。でも、アンチエージングがもてはやされる社会というのは、必ずしも健康的ではないように思います。赤瀬川原平さんではないですけれど、無理に抗うことなく、「老人力」をポジティブにとらえて、おぉ、こんなところにも老化がきたか、と、日々新たな発見をしながら上手に老いていくのが、あらまほしくおかし、なのではないかと思っています。>


<人みな骨になるけれど

 大阪大学医学部の先輩である故・頼藤和寛先生のご本に『人みな骨になるならば――虚無から始める人生論』というのがあります。10年以上も前の本で、いまは絶版になっていますが、積極的ニヒリズム、とでもいうのでしょうか、どのようなことがおこっても「人みな骨になるならば」と唱えれば、腹もたたないし、絶望することもない、といったような内容でした。もちろん、人間、みな骨になるのですから「人みな骨になるならば」という教えは卓見です。しかし、「人みな骨になるけれど」という考えも悪くないのではないかという気がしています。
 ちょっとたいそうですが、生きていくというのはどういうことか、病理学総論的に考えてみたいと思います。この章を読んで、ごく健康に生きているように見えていても、我々は、我々の臓器は、そして、我々の細胞は、常に外部からなんらかの攻撃をうけていることがおわかりいただけたかと思います。そして、それに対応して、「人みな骨になるけれど」、なんとか正常な状態を保とうと、いろいろなメカニズムを駆使してやりくりしている、というのが、生きているということなのです。
 病気というのは、細胞の働きがいろいろな障害をまかないきれなくなって破綻した状態、という言い方ができます。しかし、そのような状態になってもすぐ死ぬわけではありません。細胞たちは、正常とは少し違った状態で、ちょっと専門的な言葉になりますが「病態生理」的に新しい平衡状態で生きていくようになるのです。ある意味、だましだまし、というところでしょうか。なんだか、細胞の生きざまって人生といっしょみたいな気がしませんか?
 精神は「人みな骨になるならば」と達観しながら、肉体は「人みな骨になるけれど」と踏ん張っていく。そんなおとなにわたしはなりたい。って、もう還暦ですけど。>


 この本はとてもまじめな内容なのだが、ときどき脱線して笑わせてくれる(^^ゞ。
 ふだん聞いたり使ったことのない専門用語も出てくるが、その解説も簡潔に書かれているので、ちゃんと理解して忘れなければとてもわかりやすいと思う(^^ゞ。
 興味のある方は、是非お読みいただきたい(^^)/。


<今日のお薦め本>
『こわいもの知らずの病理学講義』 仲野 徹 著、晶文社 刊、1998円、17.11.25. 7刷(17.09.25. 初版)

こわいもの知らずの病理学講義
晶文社
仲野徹

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<後記>後半はがんに関する解説ですが、日本人の半数はがんになる、ということです。
 そのがんというのはどのような病気で、どんな治療法があるかを知ることができ、どのようにがんとつき合って(対処して)いったらいいのか、ということも教えられる本です。

 最相さんが書かれていることと一部重複しますが、著者は「おわりに」の最後で、こんなことを書いています。

<医学部を卒業して35年になりますが、その間、医学が大きく進歩したことには驚きを禁じ得ません。生命科学の発展により、いろいろな病気が分子レベルで理解できるようになったのです。考えてみれば、卒業したころは、あまり効く薬がありませんでした。昔は、経験的に見つかったようなお薬ばかりでしたが、最近は理論に基づいて開発されるようになってきています。その最たるものが、がんのところで説明した分子標的薬です。
 病気になると、いろいろなお薬が処方されます。そのお薬がどのようなメカニズムで効くのかを理解するためには、病気の成り立ちである病理学を知っておく必要があります。そういう時代になったからこそ、この本を書いてみたのです。

 読んで医学リテラシーがずいぶんとあがった、賢くなった気がする、とか、今度お医者さんにこんなことを聞いてみよう、とか思っていただいていたら何よりです。>

 医学研究の歴史における興味深いエピソードなども語られ、医学や病気の成り立ちがとても面白いものだと知ることができます。
 最相さんのように冗談にでも医学部を志望しよう(?)などとは思いませんでしたが、病理学への好奇心だけは湧き起こりました(^^)/。


 夕方4時半ころから、SORAがやって来て散歩の催促を始めました。

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 テレビを観ていたバカ親父の脇にやって来て、シッポをゆっくり振りながら上目遣いにじーっと見つめます。
 しばらく無視していましたが、負けました(^^)/。
 4時45分ころに出ました。

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 今日は一日雲が多かったのですが、夕方3時ころから時々陽射しが出てきました。
 西空には雲が多かったです。

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 公園を回っていきました。

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 今日も南東の空に月が見えました。

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 原っぱに出てウロウロしていきます。

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 北から南にかけては雲が少なかったです。

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 南西方向には雲の連なりがありました。

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 北西からは雲がやってくるようです。

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 原っぱの端に来るとSORAが下り始めました。帰ることにしました。

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 明日(29日)は陽射しが届いて、今日よりも気温が上がり、寒さは少し和らぎそうです。

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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
インフルエンザ かかりません?大丈夫ですかー!
seizi05
2018/01/29 08:27
☆ seizi05さん、大丈夫です。引きこもりですから(^^ゞ。
 カミさんが罹ると、危ないかも(^^)/。
遊哉
2018/01/29 09:05
遊哉さん、おはようございます(^◇^)

『精神は「人みな骨になるならば」と達観しながら、肉体は「人みな骨になるけれど」と踏ん張っていく。』私もそんな老後を送りたいと思いました(^^♪とっつきにくいかなと思いましたが、とても、面白い内容で、興味深く拝見させて頂きました(^^♪

いつも、お立ち寄り頂きまして、ありがとうございます(笑顔)
アイリス
2018/01/29 09:49
☆ アイリスさん、おはようございます♪
 なるほどと思わされますね。生きている限りいつかは死ななきゃなりませんが、だましだまし踏ん張っていきたいものです(^^ゞ。
 この本の著者・仲野さんの講義を一度聴いてみたいものです。きっと面白いと思います(^^)/。
遊哉
2018/01/29 10:14
今、この本読んでいるところです。
朝日の書評を見て面白そうだったので・・・・
分かりやすく書かれていますね。
のんびり猫
2018/01/29 23:20
☆ のんびり猫さん、この本を読んでいるところですか。
 人間が病気になる体のメカニズムがよくわかりますね。不思議ですが、興味深いです。
 がんは誰でもが罹る可能性があるとよくわかります。
 読む価値のある本ですね(^^ゞ。
遊哉
2018/01/30 08:24
こういう話、すごく興味があります。この本も面白そう。図書館で予約してみます
雪が降ったときの SORAちゃんのテンションの上がり方が可愛くて面白かったです。
明日あたり、また降りそうですが・・またテンション、上がるかな?(^O^)
キーブー
2018/01/31 23:22
☆ キーブーさん、興味ありますか(^^ゞ。
 専門的な中身ですが、わかりやすく解説されてます。病気になるということがどういうことなのか、よくわかります。
 是非、読んでみてください。著者の脱線したところが面白いです(^^)/。
 SORAは雪が積もったところに行くと、ちょっと狂います(^^ゞ。見ていて面白いです。
 うちの方では、明日の夕方くらいから雪か雨という予報ですが、雪になってもそれほど積もらないような気がします。
 でも積もってSORAのテンションが上がったら、記事にしますね(^^ゞ。
遊哉
2018/02/01 00:23

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『こわいもの知らずの病理学講義』 団塊バカ親父の散歩話/BIGLOBEウェブリブログ
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