団塊バカ親父の散歩話

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zoom RSS 『そして夜は甦る』

<<   作成日時 : 2018/06/04 23:11   >>

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              〔夕方の散歩の途中で見つけたアジサイ〕


 はじめて読む作家・原ォさんの『そして夜は甦る』を紹介してみる。
 この作品は1988年に刊行されたものである。

 なんでそんな昔の作品を読むのか? と思われるかもしれない。
 原ォという作家は、デビューから30年の間に長編4作、短篇集1作、エッセイ集2作という寡作な作家である。
 最近、5作目の長編『それまでの明日』が発刊され、話題になった。前作の『愚か者死すべし』から14年ぶりだという。
 長篇は私立探偵・沢崎が主人公のシリーズで、読みたいと思ったのだが、どうせなら第1作から読んでみようと本屋で探して手に入れたのである。

 プロローグは、次のように始まる。


<    

 秋の終わりの午前十時頃だった。三階建モルタル塗りの雑居ビルの裏の駐車場は、毎年のことだが、あたりに一本の樹木も見当たらないのに落葉だらけになっていた。私は、まだ走るというだけの理由で乗っているブルーバードをバックで駐車して、ビルの正面にまわった。鍵のかからない郵便受けの中のものを取り、一人しか通れない階段を昇り、決して陽(ひ)の射さない二階の廊下の奥にある自分の事務所へ向かった。なにしろ東京オリンピックの年にマラソンの未公認世界記録なみの早さで建てられた代物(しろもの)なのだ。
 待合室の代わりに事務所のドアの脇に置いてあるベンチに、カーキ色のコートに身を包んだ男が坐っていた。眼の前の何もない空間をじっと見つめている彼の様子は、催眠術にでもかけられているように無防備に見えた。足音を立てて近づくと、彼はようやく私に気がつき、減量に失敗したライト級のボクサーのようにゆっくりと立ち上がった。私より少し年下の三十代後半という年齢で、私と同じ一メートル七十五センチ前後の背恰好だった。うっすらと無精ひげの伸びた顔がどこか病み上がりのような印象を与えた。彼は両手をコートのポケットに突っこんだまま、途方に暮れたような表情で私を見つめた。
「あの……この事務所の方ですか」
 私は返事の代わりに、はげかかったペンキで〈渡辺探偵事務所〉と書かれたドアの鍵を開けてみせた。
「渡辺さんですね?」と、コートの男は重ねて訊(き)いた。
「彼に用がおありなら、少なくとも五年前においでになるべきだった。渡辺は昔のパートナーで、いまこの事務所には私一人しかいない。私の名は沢崎(さわざき)です」
 男は戸惑った。「いや、そういうことじゃなくて……この事務所の人に会いに来たのです」
 私はドアを開けて事務所の中に入った。彼はドア口にたたずんだままで言った。「先週、ルポ・ライターの佐伯(さえき)という人がこちらへ訪ねて来たはずです」
(後略)>


 さてどのように紹介しようかと思ったのだが、ちょっとズルをすることにした(^^)/。
 『週刊文春』(5月24日号)の書評欄にある「木曜から夜ふかし 究極の徹夜本!」というコーナーで、この本が紹介されていた。
 徹夜本研究会がまとめているのだが、この会は「読み始めたらノンストップ! ひたすら面白い本だけを日々渉猟する書評家集団」だということである。
 次のようなことが書かれていた。


<十四年ぶりの新作『それまでの明日』の刊行を機に、原ォの長編第一作『そして夜は甦る』が、親書判で再刊された。一九五三年に江戸川乱歩も企画に加わって創刊され、ミステリ通の間で「ポケミス」の名で親しまれるハヤカワ・ミステリ版。創刊以来、海外ミステリの最先端を紹介してきた同叢書は千数百冊に及ぶが、国産長編ミステリが収められるのは、これが四冊目である。海外ミステリの枠を咀嚼して生み出された『そして夜は甦る』を今あらためて読むのに、ポケミスのクラシックな装幀はうってつけだ。
 新宿に事務所を構える私立探偵・澤崎が、富豪の屋敷に招かれて失踪人探しを依頼されることで物語ははじまる。レイモンド・チャンドラーの第一長編『大いなる眠り』を思わせる導入部からして、様式美を踏まえている。
 失踪人はルポライターの佐伯。佐伯は富裕な妻との離婚を前に姿をくらましたという。澤崎が調査を開始すると、佐伯が直前まで取材していたと思われる都知事候補暗殺未遂事件の影が、行手に浮かび上がってくる……。
 真相を追って都市をさまよう探偵が次々に出会う人々と、彼らの語るそれぞれの人生。それを綴る皮肉で成熟した語り口。一九八八年の刊行から三十年経っても、読み心地は変わらず心地よい。
 しかし原ォは、ひねりの利いた犯罪小説を愛好する作家だから、そのプロットは一筋縄ではいかない。本書の真相も相当に複雑で、これを一編に編み上げる職人技には感嘆するばかりである。
 大人が静かに楽しむのにふさわしいミステリを、大人が持つにふさわしい装幀で読む。正統の愉悦である。>


 あらすじについては、この紹介文以上は書かないことにしておく。まずは是非一度、読んでいただきたい(^^ゞ。
 原さんはレイモンド・チャンドラーをリスペクトしているようだが、まさにハードボイルドとしてもでミステリーとしても抜群に面白いのである。

 ポケミスで再刊されたということだが、バカ親父が手に入れたのは文庫本である。
 ポケミスは独特の雰囲気があって、ミステリーファンには堪えられないものの、値段が高い(^^)/。
 本書の場合は1944円となり、文庫本の864円の2倍以上する。ポケミスの方の「解説」を読んでみたい気もするが、まあ貧乏人には文庫本で充分である(^^ゞ。


<今日のお薦め本>
『そして夜は甦る』 原ォ 著、ハヤカワ文庫JA、864円、18.04.15. 二十四刷(1995.04.15. 発行)
 著者について、カバー裏から紹介しておきます。
<1946年佐賀県鳥栖市生まれ。九州大学文学部美学美術史科を卒業。70年代はおもにフリージャズのピアニストとして活躍。30歳ころから意識的に翻訳ミステリを乱読し、とくにレイモンド・チャンドラーに心酔した。88年に私立探偵・沢崎が初登場するハードボイルド長篇『そして夜は甦る』でミステリ界に颯爽とデビュー。日本の風土にハードボイルドを定着させた優秀作として高い評価を得た。
 89年の第2作『私が殺した少女』で第102回直木賞を受賞。90年に6つの短篇を収めた連作集『天使たちの探偵』を上梓し、第9回日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞を受賞。その後長篇第3作『さらば長き眠り』(95年)、第4作『愚か者死すべし』(2004年)と書き継ぎ、2018年に14年ぶりとなる長篇第5作『それまでの明日』を上梓。
 その他の著作にエッセイ集『ミステリオーソ』『ハードボイルド』(以上すべて早川書房刊)がある。>

そして夜は甦る (ハヤカワ文庫 JA (501))
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そして夜は甦る (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
早川書房
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<後記>バカ親父の“読まず嫌い”の面もあるのですが、どうも日本のミステリーはプロットが単純なものが多くて詰まりません。
 ということで洋物のミステリーばかり読んでいるのですが、この作品はプロットが複雑というか緻密で、とても面白かったです。
 それに主人公の会話が皮肉とも冗談ともつかないようなハードボイルドで、これもとても面白かったです(^^ゞ。
 原さんの作品を読んだことのない方は、最新作の『それまでの明日』を読んでみてもいいでしょうが、バカ親父のように第1作から読み始めるのもいいかもしれません(^^)/。

 今日(4日)は薄雲はありましたがいい天気になり、気温も上がり少しムシムシしました。
 カミさんが生垣の剪定をするというので、バカ親父は3年ほどほったらかして気になっていた槇の木の剪定をしました。
 上に飛び出した枝の長いものは50〜60センチくらいありましたが、バッサバッサと切り取り、気持ちよかったです(^^)/。

 夕方の散歩は5時半ころに出ました。

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 雲が出てきていましたが、夕日もしっかり見えました。
 公園を回っていきます。

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 これは南の空の雲です。

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 ユリが咲いていました。

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 原っぱをウロウロしていきました。

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 SORAはスリスリしまくってから、一休みしました。
 向こうで小型のワンコが集まっていました。影が長く伸びています。
 ベンチに向かいました。

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 SORAは途中でまたスリスリ(^^)/。

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 SORAはすぐにマッタリしました。

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 大きめの鳥が飛んできたのでカラスかと思いましたが、種類はわからないもののカモでした(^^)/。

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 日が陰ったなと思ったら、夕日が小さな雲に隠れました。

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 すぐにまた出てきました(^^ゞ。

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 昼間の暑さが嘘のように涼しかったです。

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 上空に青空が増えてきました。

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 夕日が樹に隠れていきます。

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 帰ることにしました。

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 草つき斜面を下りて帰ってきました。

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 明日(5日)の横浜の南の端っこの天気は、陽射しが届いて、熱中症対策が必要な暑さになりそうです。
 明後日(6日)は雨になるようです。

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