転倒予防

画像 歳をとると転倒しやすくなる。転倒して足の骨を折って、寝たきりになったり、自力歩行ができなくなってしまうこともあるし、時には命を落とすこともある。

 「転ばぬ先の知恵」という高齢者の転倒予防についての記事が、朝日新聞の「あなたの安心」欄に5回連載(12/11~15)された。バカ親父も、これからは他人事ではないから、まとめてみることにした。紹介してみる。

 介護が必要になる原因には、次のようなものがあるという(04年の国民生活基礎調査)

 ① 「脳血管疾患」25.7%
 ② 「高齢による衰弱」16.3%
 ③ 「骨折・転倒」10.8%

 「骨折・転倒」が3番目に挙がってくるのである。
 各地の調査では、在宅の65歳以上の1~2割が1年間に転倒を経験している。骨が弱っているため骨折になりやすく、歩行への影響の大きい太ももの付け根の骨折の原因は、ほとんどが転倒だったという。
 鳥取大学の調査では、その発生率は04年が80年代後半と比べて1.5倍になるなど、年々増加している。この背景には、長寿化のほかに、生活の様式化があるらしい。
 洋式トイレ、ベッド、テーブルと椅子などの生活で、しゃがむ動きが減り、足腰が弱ってきていることもあり、高齢者の転倒は今後さらに大きな問題になると思われている。
 06年の人口動態統計では、3790人がつまづいたり、よろめいたりして転倒し、死亡したが、その9割は高齢者だった。


○ 原因と転倒予防の歩き方
 歳をとると転びやすくなるが、その衰えのサインには次のようなものがある。自分でチェックしてみるといいだろう。

 ① 歩くのが遅くなった。
 ② 開眼片足立ちが20秒未満
 ③ つまずきやすくなった。

 つまづきは「つま先が何かに接触する」ことによって起きるが、その要因の一つは前かがみの姿勢とすり足が挙げられる。ともに高齢者に特徴的で、背骨が曲がることと筋力の低下の影響である。
 前かがみとすり足で歩くと、着地時につま先が下がるので、つまづきやすくなるのである。スリッパやサンダルはすり足になりやすいので、特に注意が必要だという。
 歩くときの転倒予防には、「かかとから着地」「つま先でける」「前を見る」ことが大事で、この中で一つを強調するなら、「着地はかかとから」だという。そうすれば、つま先が上がるのだという。
 ただし、雪道や凍った路面では、「かかと着地」は逆に危険である。こういう時は、足の裏全体で着地し、踏みしめるように歩くことが必要。具体的には、「地面に足の裏でスタンプを押すイメージで、上からそっと置いてゆく感じ」「水を入れたコップを持ってこぼさないように歩く要領」だという。


○ 自宅での転倒予防
 高齢者が自宅内で転倒する場所は、①階段(25.3%)、②居間(17.5%)、③寝室(12.7%)の順で、階段は下りの方が3倍多いという。手すりをつける必要があるが、片側しか付けられないなら、下りの利き手側が望ましい。
 自宅では、次のような点に注意が必要だという。

① 通り道には物を置かない
 足もとの整理整頓が基本で、物を床にほったらかしにせず、電気機器のコードも壁に寄せるなどして、通り道をスッキリすることが大切。
② 片足立ち、段差、暗闇に注意
・ 不安定な片足立ちになる場所の手当て
 たとえば、玄関の上がり部などは台を置いて段差を小さくする。浴室は浴槽の出入り時につかめる手すりを取りつける、などが必要。 
・ 段差への手当て
 つまずきやすい数センチの段差には、介護用品店で売っている「すりつけ板」という断面が三角形の器具を使うとなだらかになる。
 しかし、体が衰えないためには、必ずしも段差を完全になくすことがよいわけでもなく、段差に気づく工夫も大事だという。縁に色つきのテープを張るだけでも違うという。
・ 暗闇への手当て
 夜間、見えにくい危険箇所などの要所要所に、センサー付きの照明をつける。
③ 慣れた場所ゆえの油断に注意
 思わぬ注意点は「油断」で、昼間だから、段差がないからと、足元への注意を忘れてはならない。

 転倒した際の動きでは、「つまずき」に次いで「ふらつき」が多かったという。冬場の温度差による血圧の変化でふらつく可能性があるので、特に浴室を温める必要がある。(「ヒートショックにご注意!」参照)
 また、睡眠薬などの薬の中に、ふらつきやめまいを引き起こすものがあるので、処方時に確認したり、服用後はいっそう気をつける必要がある。


○ 外出時の転倒予防
 外出時と自宅の違いは、自分のペースで行動できるか否かである。できるだけ、自分のペースを保ち慌てないことが必要である、ということである。
 外出時の心得としては、次のようなことがある。

① 「周囲に迷惑」と思って焦らない
② 時間にゆとりを持って行動する
③ 階段では必ず手すりを持つ

 転倒した高齢者の「心の動き」を調べると、「いらいら」「気の緩み」「うかれ」は転倒場所が自宅の内でも外でも大差がなかったが、目立って違うのは「急いでいた」の項目だという。自宅内が16.2%だったのに対して、自宅外は27.6%だった。
 実際には、周囲から「急がされていた」と言えるのかもしれない。
 交差点や電車の乗降など、大勢と一緒に限られた時間で動く場面では、慌てないよう、ゆとりをもって行動することが大事。周りに合わせようとしすぎないことも肝心で、「健脚」の側にはせかさない配慮も求められるのである。
 自宅外で高齢者が転倒・転落しやすい施設のトップは駅・空港で、そのうち4割が階段だという。自信がなければ、遠回りでも、エレベーターがあれば使ったほうがいい。
 また、エスカレーターで立つ場合、列の脇をすり抜ける人には十分気をつける必要がある。


○ 老人施設での転倒予防
 短期入所を含めて、介護の必要な高齢者を特別養護老人ホームや老人保健施設などに預けることもあるだろう。
 実は、施設では在宅より転倒が起きやすいという。各種調査によると、施設で転倒する人は年間で、入所者の2~4割になるのだという。
 けがには至らないベッドや車椅子からのずり落ちも多いが、転倒では大けがになったり、死亡することもある。その予防対策の柱は、「危険を予測しながらの観察」と「環境の整備」だという。
 予防に力を入れている施設では、次のようなことに配慮をしたり、また家族への要望をしているという。
 家族から、転倒歴、自立度、認識力を細かく聞き取り、日常のちょっとした変化にも気を配る。たとえば、家族がお見舞いに来る前後や、一時帰宅した後など気持ちが揺れる時が要注意だという。
 生活リズムや日常のくせなど、細かい情報でも伝えてほしいという。特に施設に不慣れな短期入所者の場合は念入りに、とのことである。
 夜間の転倒は、排泄との関連が深い。適切なタイミングでの誘導に加えて、紙おむつを日中より上質なものにし、不快感を減らす。つまづきやすいスリッパはやめて、転倒しやすい人には、足が着くとナースコールが鳴るマットをベッド下に敷く。また、夜勤者を増やす。
 これらは、在宅介護でも参考になりそうである。
 このように施設では、転倒を防止するためにいろいろな工夫をしているようだが、家族としては施設に次のようなことを伝えておく必要があるということになる。

① これまでの転倒経験
② ふらつきの有無
③ 気持ちが高ぶる出来事


<後記>タイミング良くというか悪くというか、この連載が始まった直後の12日に、うちのクソ親父が入院しました。原因はやはり過去から最近までの転倒のようです。
 高齢者の転倒というのは恐いですね。転倒による骨折などで寝たきりになったり、それに伴って認知症になったり認知症が進んだり、頭を打って意識を失くしたり、最悪の場合は死亡ということもあるようです。
 家族に高齢者がいる場合はもちろんですが、これからは、われわれ団塊世代も十分に気をつける必要がありそうです。
 これから寒くなると家に閉じこもりがちになります。適度な散歩をして足腰を鍛えることも、転倒予防の一つだということですから、大いに歩きましょう。
 と書きながら、最近のバカ親父は散歩をしてないんだよね(^^ゞ。

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この記事へのコメント

2007年12月18日 21:20
この前会社の人に(私より2歳上)「○○さんって、後ろから見てるとホントに若いよねえ~」って余りうれしくないお世辞を言われた。つまり前から見ると歳だって言ってるんじゃん?それって。「前も後ろも年寄り見えるよりはいいよね!」って言葉が喉まで出掛かったけど、我慢した。≧(´▽`)≦アハハハ
私、転んだこと無いんだけど・・・って言うか一昨年頃一度部屋の中で転んで病院へ行ったっけ!忘れてた!時々スニーカー履いてるといつの間にか紐が解けてて、危うく転びそうになったことあるわ。駅の階段で・・・。あれって怖いよね!まあ、唄うとき音楽に合わせて踊ってるけど、転んだことないなあ~。
記事を最後まで読まずにコメント。今からゆっくり読むからね!遊哉さん!ごめん!
遊哉
2007年12月18日 22:19
☆ さよちんは、イメージとしては、とても颯爽と歩いているように思えるよ。それで、後ろから見ると若々しく見えるんじゃないだろうか。前から見ると、きっと年相応なのかもしれない(^^ゞ。
 誰だって転んだことぐらいあると思うけど、年とともに足が上がらなくなってくるんだよね。上にも書いたけど、意識的に「かかとから着地」「つま先でける」「前を見る」をしたほうがいいみたいです。
 靴紐を踏んで転びそうになったことあるなあ。階段だったら、よけいに危ないよね。気をつけなくちゃいけないね。
 唄いながら踊ってるんだ、いいことです。そういえば、社交ダンスもやってたんだよね。踊りは転倒防止にいいかもしれない(~_~)。
 ゆっくり読んで、転ばないようにしてくださいね(^^♪。
2007年12月19日 15:25
 お義母さんが、昔、庭に出ていて、すると雷がなって、雨がだ~~~~っと降ってきて、慌てて玄関に入ろうとしたら転んで…肩を骨折!!!あぁあ~、あわてたらダメよ~~~って言ったっけ。(^_^;)懐かしいなぁ。
 同い年の友達が最近大掃除で脚立から落っこちまして、うでを骨折しました。気をつけなきゃいけないお年頃になったってわけですね。
 あわてちゃダメよ~ねぇ。
キーブー
2007年12月19日 19:33
私も最近、何もないところでつまずくことが多くなりました(^_^;)
電車に乗ってても踏ん張れなくて、こないだなんか一緒に乗ってた同僚に助けてもらわなかったら完璧転んでました。散歩して足腰鍛えなきゃだめですねえ。
遊哉
2007年12月19日 19:52
☆ キョンさん、お義母さんが肩を骨折したことがありましたか。鎖骨でしょうかねえ。慌てるとロクなことはないですね。
 昔住んでたアパートの大家さんが、踏み台に乗って電球を取り替えようとして落っこちて、太ももを骨折して寝たきりになっちゃいました。年とともにバランスも悪くなるから、気をつけなきゃいけないね。
 お互いに、気をつけましょうね(^^ゞ。
遊哉
2007年12月19日 19:58
☆ キーブーさん、そうなんですよね。気がつかないうちに、足が上がらなくなっていて、つまづきそうになることが多くなりました。
 電車やバスでも、急停車した時なんか危ないですね。かならず吊り輪などにつかまっていたほうがいいですよ。
 胸を張って、かかとから足をつけて歩くということを、意識的にやったほうがいいと思います。散歩で足腰を鍛えましょうね。お互いに(~_~)。
2007年12月19日 20:33
絶対 転ばない! でも なんか このごろ よろけるんだなー 足が大地についてないような 気分があるなー 恐いなー
遊哉
2007年12月19日 20:39
☆ seiziさん、自分に対する過信は禁物です。年とともに多かれ少なかれ衰えていくものだから、素直に受け入れましょう(~_~)。気をつけてね!

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  • 高齢者の事故は家庭内が多い

    Excerpt:  うちのカミさんは10月の半ばに転倒して膝を打ち、お皿を割った。お皿といっても、食事に使うお皿ではない。膝のお皿である。 Weblog: 団塊バカ親父の散歩話 racked: 2008-11-27 23:45