退職後の落とし穴

 朝日新聞に、以前は月2回だと思ったが、現在は月1回“GLOBE”というタブロイド判のユニークな新聞が入ってくる。
 いろんな特集を組んでいるのだが、それとは別に連載物もある。

 その中のひとつに“Sampling the Headlines〔見出しを読み解く〕”という、米国の新聞の見出しを紹介し、その内容を解説したコラムがある。
 著者はロッシェル・カップ(Rochelle Kopp)という女性で、次のような方である。

<人事管理と異文化理解が専門のコンサルタント。シカゴ大経営大学院修了。日本語が堪能。本コラムに加筆した『見出しとリードで読み解く英語ニュース』(語研)など著書多数。>

 先週の同紙(5月号・No.181)に取り上げられていたヘッドラインは、『ウォールストリート・ジャーナル紙』(3月20日付け)からで、

 “It's Time to Rethink the Bucket-List Retirement”
 「退職後のやりたいことリストは見直すべき」

というものだった。

 それほど長くないので、全文を紹介してみる。


<私の父は57歳で早期退職し、その後の20年間、母と一緒に世界中を旅してまわった。若い頃にはなかったお金と時間の余裕を生かし、欧州からアフリカ、中近東、アジア、南極まで訪ねた。両親はいつも旅行中か、旅を計画中だった。楽しんではいたようだが、娘の私が疑問に思う時もあった。この記事を読むと、私の親のような退職旅行者は珍しくなく、私が抱いた不安と似たものを持っている人も少ないことがわかる。
 見出しの Bucket-List は「生きているうちにやりたいこと、達成したいことのリスト」。Kick the bucket(死を意味する口語)が由来。terminally ill(不治の病に侵された)2人の老人が病院から脱走し、死ぬ前にやりたいことを達成する旅に出る「The Bucket List」という映画もある。
 記事は、WSJ紙が退職後の生活についてまとめた特別版に掲載された。書いたのは記者ではなく geriatric psychiatrist(高齢者が専門の精神科医)で、自身の臨床経験に基づいている。記事によると、旅中心の暮らしをする退職者は、ゆううつと disconnected(分離)を感じることが多いという。「冒険」から得られる high(高揚感)は長く続かず、thrills(刺激)を持続しようと経験を pilling on(積み重ねる)うちに back home(故郷での)現実から離れてしまう。旅と旅の間の時間をつまらない interludes(幕あい)と見がちで、満足の得られる社会的、精神的結びつきや責任と untethered(つながりを持たない)。決して健康な状態ではない。
 この精神科医によると、こうした trap(落とし穴)から脱出するには、旅より家族やコミュニティーとの関係を強化するために時間を費やす、あるいは孫と一緒に旅をして、若い彼らと経験と知恵を共有する機会にすることだという。
 bucket-list のスリルを求めることは、心理学の真理を無視しているとこの医師は主張する。統計によれば、若い人は well-being(幸福度)が高いが、中年では nadir(どん底)まで下がり、高齢者になるとまたピークまで上がるという。年をとるにつれ、人は自然に幸せになる。あえて自分自身を幸せにする必要はないというのだ。> 


 まず、退職後20年も旅に費やせるということに驚く(^^)/。
 日本でもそんなことをできる人はいるのだろうが、極々一部の人だろう。バカ親父など金がないから、金のかかる旅行はしないし、海外旅行など夢のまた夢である。
 というか、金がないのは確かだが、へそ曲がりだから観光旅行はしたくないし、人が混んでいる所にも行きたくない。
 海外旅行に行くなら、ネパールあたりやアマゾン奥地などの辺鄙なところへの冒険旅行や、ヨットで世界周遊をしたかったが、今はもう体力がない。静水の湖でカヤックを漕ぐのが精一杯である(^^ゞ。

 とはいえ、退職して余裕がある方は世界中を旅して回るのもいいとは思うし、他のことでも自分のやりたいことをやればいいと思う。
 ただし、この記事のように「落とし穴」はあるのかもしれない。
 欲望は尽きることはないし、それを追い求め実行することによるスリル(刺激)は拡大の一途となるだろうから、しだいに現実の生活から遊離していくリスクがあるだろう。
 ついには“満足の得られる社会的、精神的結びつきや責任とつながりを持たない”不健康な状態になるオソレがある、ということである。

 映画“The Bucket List”は日本では「最高の人生の見つけ方」というタイトルで公開された。主人公の二人は、怪優ジャック・ニコルソンと名優モーガン・フリーマンで、面白くて最後はじんわり来る味わい深い内容だった。
 不治の病に侵された二人という特殊な設定だが、Bucket List を追い求め達成していく二人は最初こそ思い切り楽しんだものの、しだいに虚しさを感じ、自分が本当にやりたいことは何かがわかっていく。
 フリーマンの演じる自動車整備士は家族の元に帰り、ニコルソンの演じる大富豪は、育児に携わらず関係を絶っていた娘に許しを乞い、生涯を終えるのである。

 記事では、落とし穴から脱出するには、“旅より家族やコミュニティーとの関係を強化するために時間を費やす、あるいは孫と一緒に旅をして、若い彼らと経験と知恵を共有する機会にすることだという”。
 日々の生活や人とのつながりを取り戻すことが大事だということだろう。

 退職してから何をしていくかを、もう一度考える必要がありそうである。
 みなさんは、どう思われるだろうか?(^^ゞ


<後記>記事の最後に、“年をとるにつれ、人は自然に幸せになる。あえて自分自身を幸せにする必要はない”ということなのですが、どういうことなんでしょうか?
 歳をとれば幸せになるとは限らないでしょうが、自分を見つめ“足るを知れば”、それは可能かもしれません。
 それに、“あえて自分自身を幸せにする必要はない”というのは、幸せを外に求めてアクセクするのではなく淡々と生きていくことが大切だ、ということなのかもしれません(^^ゞ。

 昨日(6日)は曇ったり晴れたりでしたが、昼過ぎに買い物に行った時は小雨が降りました。
 夕方の散歩の時も、ポツリポツリと雨が降っていました。合羽を着るのは面倒だし暑いので、傘を差して行きました。

画像

 公園の花壇のいろどりも変わっています。
 原っぱに上っていきました。

画像

画像

画像

画像

 公園を回っていきました。

画像

画像

 アカツメクサがたくさん咲いていました。
 原っぱに戻りウロウロしてから帰ってきました。

画像

画像


 今日(7日)はちょっと蒸しますが、朝からとてもいい天気です(^^♪。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 64

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた 驚いた
面白い 面白い 面白い
ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス
ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!)
かわいい かわいい かわいい かわいい

この記事へのコメント

2016年05月08日 05:40
旅や冒険というのは、平凡なる日常のスパイスのようなもので、旅ばかりや冒険ばかりではコショウや塩ばかりを食っているようなものですからね~
苦痛になるでしょうね。
晴耕雨読に幸せを感じるか、酒池肉林に幸せを感じるかは人に寄りますけどね。
ねこのひげは前の方ですね。
銀座や六本木あたりのバーで毎晩大騒ぎしている人に付き合ったことありますが、だんだん落ち込む自分を感じました。
向いてないです。
遊哉
2016年05月08日 08:13
☆ ねこのひげ さん、そうですね、日常のスパイスのようなものなんでしょうね。
 旅行家とか冒険家と言われるようなプロは別として、旅や冒険ばかりしていると刺激に麻痺していくと同時に、日常生活から遊離しちゃうんだと思います。そうなると自分を失っちゃうのかもしれません。
 どう生きるかは各自の自由ですが、自分らしい生き方を見極めて生きていくのがいいんでしょうね。
 心安らかに生きていきましょう(^^ゞ。
2016年05月08日 12:10
そう 6日帰り 柏の駅から 傘でした 小さいのカバンに入れっぱなし 助かりました たまーの役立ち それでじゅうぶん ありがとさん
遊哉
2016年05月08日 18:36
☆ seizi05さん、さすがです。いつも折りたたみの傘を鞄に入れてるんですね。
 いざという時に、役立ちますね(^^ゞ。
2016年05月08日 19:56
こんばんは。
朝日新聞のコラムとゆうきさんの解説を拝見して少しホッとしました。
先が長いような短いような私ですが、
さて何か始めたほうがいいのかどうか少し迷っていますが、結局今の生活を楽しむことが出来れば十分なんだなぁと、そう思えばなんだか希望が湧いてきました(^^)・・・そんな解釈でいいのかなぁ・・。
SORAちゃんは木の向こう見てますね!
何かいたんでしょうか~。
遊哉
2016年05月08日 21:02
☆ ほぽたん。さん、こんばんは♪
 そうですねえ、好きでやりたいことがあれば、やればいいんじゃないでしょうか。
 ことさら義務感のようなものにとらわれたり、刺激を求めすぎるとよくないということじゃないでしょうか。
 大切なのは普段の生活で、家族や友達を大切にして楽しんでいくことが大事なんだと思います。
 心穏やかに暮らしていきたいですね(^^♪。
 SORAはこの前に気になるワンコとすれ違ったので、そちらの方をずーっと見ていました(^^ゞ。
2016年05月11日 12:00
なるほどな~。
現役時代は、仕事中心の生活でした。退職後は週2,3日パートでもして趣味を楽しもうと考えていましたが、仕事を始めたら3勤が5勤になり振りかえれば以前より働いています。これが、また、思った以上に充実しているので働く事が私にとって幸せなんですね。
遊哉
2016年05月11日 19:07
☆ おばさん、“なるほどな~”ですか。
 退職しても仕事をする気があって、自分に合った仕事があれば、仕事をしていくのがいちばん心身ともにいいことなのかもしれません。
 持て余した時間を刺激を求めて生きるよりも、日々の生活を充実して過ごすことが大事なんでしょうね。
 無理せずに、頑張り過ぎないように頑張っていってください(^^ゞ。

この記事へのトラックバック