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zoom RSS 『許されざる者』

<<   作成日時 : 2018/03/12 23:35   >>

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                〔今日の落日直前の夕空〕


 はじめて作品が邦訳されたスウェーデンの作家、レイフ・GW・ぺーションの『許されざる者』を紹介する。
 本書は、スウェーデン推理作家アカデミーの最優秀長篇賞と北欧圏では最も権威のあるガラスの鍵賞などを受賞している。

 池上冬樹さんが『週刊文春』(3月8日号)の「ミステリーレビュー」に取り上げているので、まずはそれを紹介する。
 次のようなものである。

<スウェーデン産で、北欧圏で最も権威のあるガラスの鍵賞とCWA賞インターナショナル・ダガー賞を受賞している。
 物語は、脳梗塞で倒れた国家犯罪捜査局の元凄腕長官が迷宮入りした事件(九歳の少女が暴行の上殺害された)を追求する。二十五年前の事件で、時効がすでに成立していたが、独自に調査していく。
 小児性愛者の実態、児童施設の残酷な状況、時効成立後の真犯人の裁きなどをテーマに据えた、いかにも北欧ミステリらしい社会派だが、同時に安楽椅子探偵と老人探偵というジャンルを活性化している点もめざましく、深刻な題材なのに終始ユーモラスだし、キャラクターも生き生きとしている。語りも滑らかで他の作品も読みたくなる。>
 ちなみに採点は★★★★(5点満点で)だった。

 といった作品なのだが、プロローグは次のように始まった。


<   1 二〇一〇年七月五日(月曜日)の夜

〈ギュンテシュ〉は、ストックホルムのカールベリス通り六十六番にある、スウェーデンいちのホットドッグを出す屋台だ。その屋台の背後に立つのは、十九世紀末の栄華を漂わせる重厚な石造りの建物で、外壁のレンガ部分は職人がひとつひとつ丁寧(ていねい)に積み上げたものであり、モルタル塗りの部分には、出窓や古風な格子(こうし)窓がついている。広い歩道には芝生が広がり、まっすぐに並ぶ街路樹が特にこの季節は豊かに茂っている。一歩その建物の中に入れば、エントランスにも階段にも規則正しい模様の大理石の板が使われ、天井にはぐるりと化粧しっくい(スタッコ)の彫刻が施されている。おまけに壁には木のパネルがはまり、外壁の軒下は帯状装飾が取り巻いているときた。巾木(はばき)や扉はオーク材で、富とくつろぎを同時に感じさせる空間だった。
 しかも〈ギュンテシュ〉は、世界でもっとも美しい首都のかつての関所内――つまり中心部に位置している。カールべり城のすぐそば、カロリンスカ医科大学病院からほんの数百メートル南に行った、ストックホルムの北を走る二本の主要高速道路のほど近くにあった。
(後略)>


 ギュンテシュというホットドッグ屋台の描写から始まった。いったい何が起きるのだろうか?
 国家犯罪捜査局の元長官ラーシュ・マッティン・ヨハンソンは、ストックホルムに来て各種の所用を済ませて家に戻ろうとするところだった。
 腹が空いたので馴染みのギュンテシュに寄ると、ストックホルム県警の特殊部隊所属の元部下たちがいて、話に花が咲いた。
 ホットドッグを手に入れたヨハンソンは車に戻ったのだが……

<飲み物を助手席との間のドリンクホルダーに入れ、ホットドッグを左手から右手へと移す。
 その瞬間、首の後ろをアイスピックで刺されたとしか思えなかった。鈍い頭痛のような予兆は一切なく、突然、鋭く裂けるような痛みが後頭部全体を襲ったのだ。道路の雑踏が不明瞭になり、理解不能になり、最後には消えた。目の前で闇が閉じていく。まずは右目、それから左目。まるで誰かが、舞台の幕を四分の三ほど下ろしたみたいに。腕の感覚がなくなり、指が動かなくなった。ホットドッグが座席の間に転がった。
 闇――そして静寂がひろがった。>

 彼は脳塞栓の発作を起こしたのだった。
 それに気づいた元部下たちが急きょ、自分たちの車でカロリンスカ医科大学病院の救急外来に運び込んだ。
 ヨハンソンは一命をとりとめたものの、右半身に麻痺が残っただけでなく、かつては部下たちから「角の向こう側が見通せる」と畏怖された頭脳にも、以前ほどの切れがなくなってしまった。

 病床でウツウツと過ごすヨハンソンに、主治医の心臓外科医ウルリカ・スティエンホルムが相談をもちかけてきた。
 牧師だった彼女の父親が、25年前の殺人事件の犯人を知っているという女性の懺悔(ざんげ)を受けたというのである。守秘義務があるので誰にも口外できず、悔いを残したまま亡くなったという。
 それは、ヤスミン・エルメガンという9歳の少女が暴行され殺害された事件で、警察の初動捜査が遅れたり杜撰だったりして、迷宮入りしていた。しかも、ちょっと前に時効になっていた。

 ヨハンソンが仮に犯人を突き止めたとしても、法で裁くことはできない。
 それでも、犯人を許すことができないという刑事魂に火をつけられた彼は、事件を解決することを決意し、執拗な犯人探しが始まった。
 まず、仲間を集めてチームを結成した。元相棒で同じ年金生活のボー・ヤーネブリング、義弟で元会計士のアルフ・フルト、介護士の若い女性マティルダ、兄エーヴェントから派遣されたロシア人の屈強な若者マキシム・マカロフである。
 手足となる彼らが集めてきた情報を基に推理をするとともに、20歳年下の妻ピアの心配をよそに、ヨハンソンは自らも杖を突きながら事件解決に乗り出していく。

 はたして、ヨハンソンと仲間は犯人を突き止めることができるのだろうか?
 そして、法で裁けぬ悪を裁くことができるのだろうか?
 困難を極める捜査だったが、物語は一直線に結末に向かって進行していくのだった。

 ちょっと変わった老人探偵小説である。
 長篇だが一気読みできると思う(^^ゞ。


<今日のお薦め本>
『許されざる者 』 レイフ・GW・ペーション 著、久山葉子 訳、創元推理文庫、1404円、18.02.16. 初版
 著者についてカバー裏から簡単に紹介しておきます。
<1945年スウェーデン、ストックホルム生まれ。スウェーデンを代表するミステリ作家のひとり。犯罪学教授として、国家警察委員会の顧問も務めていた。1978年にデビュー作 Grisfesten を発表。以降何作ものミステリを発表している。>

許されざる者 (創元推理文庫)
東京創元社
レイフ・GW・ペーション

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<後記>主人公ヨハンソンの心の動きが面白いです。見聞きするものにいちいちケチをつけたり、自身と他人との時代感覚のずれに憤ったりの描写がユーモアがあって飽きさせません。
 彼は頭痛がしたり、心臓が絞めつけられるように痛かったりして、心身ともにヨタヨタですが、チームの面々に助けられて果敢に犯人探しに挑んでいきます。
 彼自身もですが、仲間たちがそれぞれ個性的で味があって、魅力的です。
 ちょっとおかしな警察小説と言えるかもしれません(^^ゞ。


 今日は一日穏やかに晴れました。
 夕方の散歩は5時ちょっと過ぎに出ました。

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 快晴で夕日が出ていました。

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 公園を回っていきました。

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 小さな飛行機雲が見えました。

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 原っぱに出てベンチに行きました。

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 子どもたちがたくさん遊んでいます。

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 SORAは何を見ていたんでしょうね(^^ゞ。

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 夕日は消えていきました。
 しばらくして帰ることにしました。

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 斜面を下りていきました。

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 わりと低空を航空機が飛んで行きました。珍しいことです。

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 帰り道で、自衛隊機でしょうか、2機南に飛んでいきました。

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 明日(13日)は朝は冷えるようですが、日中はよく晴れて、ポカポカと春本番の陽気になりそうです。

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