団塊バカ親父の散歩話

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zoom RSS 『ブッチャーズ・クロッシング』

<<   作成日時 : 2018/07/13 23:06   >>

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               〔いつもどおり、ベンチでマッタリするSORA(^^ゞ〕


 1873年のアメリカ西部の大自然のなかで、バッファロー狩りに挑んだ4人の男の物語『ブッチャーズ・クロッシング』を紹介する。
 著者はジョン・ウィリアムズで、読んだことはないのだが『ストーナー』という作品で米国はもとより日本など世界中で話題になった作家である。

 プロローグは、次のように始まる。


第1部

 エルズワースからブッチャーズ・クロッシングへ向かうその駅馬車は、ドウアティと呼ばれる扉付きの四輪馬車を改造して、乗客と少しの貨物を運べるようにしたものだった。四頭のラバがこれを引いて、畝(うね)を立てたようなでこぼこ道を進んでいく。平坦な草原からブッチャーズ・クロッシングにいたるその道は、ゆるやかな下り坂になっていた。重い荷馬車が残していった轍(わだち)に、ドウアティの小ぶりの車輪が出入りするたび、床の中央に帆布をかぶせて置かれた荷物が跳ねて滑り、巻き上げられた帆布のカーテンがヒッコリーの棒にぶつかった。この棒は、木摺板と帆布でこしらえた屋根の支柱として使われている。馬車の最後部に座るただひとりの客は、幅の狭い側板に寄りかかって、両足を踏ん張っていた。片手を広げて硬い革張りのベンチにぴたりと押しつけ、もう一方の手で、すべすべしたヒッコリーの支柱を握り締めている。その棒は、側板に取りつけられた鉄製の軸受けに挿してあった。屋根に届くほど高く積まれた貨物の向こうで、御者がラバの鼻息や馬車の軋(きし)みに負けじと声を張りあげた。
「まもなくブッチャーズ・クロッシングに到着です」
(後略)>


 このブッチャーズ・クロッシングに到着した駅馬車のただひとりの客が、この物語の主人公である。

 さて、あらすじを書かなきゃいけないのだが、ここでちょっと横道にそれる(^^)/。
 本の紹介や書評を載せている『本の雑誌』という月刊誌で、服部文祥さんが「サバイバルな書物」という連載を書いている。
 服部さんについてはこの前にも書いたが、作家でサバイバル登山をしている人である。
 その5月号に、この本が取り上げられていた。「適度に野蛮で適度に文明があった時代の物語」というタイトルがつけられていた。

 そこから、あらすじなどを拝借させていただくことにした(^^ゞ。
 次のようなことが書かれていた。


<(前略)
 我々の生活はどんとんシステムが強固になり、安全快適にはなったものの、そのぶん、自由度は減っている。生活は薄っぺらで平坦になり、一九世紀から二〇世紀に人々の前に展開した面白い出来事がなくなってしまった。妖怪もいない、イエティもいない、狐に化かされることもない。山の中にまで、法律やルールや常識が入り込んできて、登山でさえ予定調和的風景を愛でて帰ってくるだけ。何が起こるかわからないワクワクドキドキはどこにもない。
 現代は物語のない時代なのだ。だから小説はシステムの外である西部開拓時代(アメリカ)や戦国時代(日本)に、そして探検家は北極の冬に、物語を求めている。
 それらの時代やシステムの外側にある物語とは、自分の裁量で生き抜く自由なる瞬間の機微である。
『ブッチャーズ・クロッシング』の主人公、アンドリューズは、インテリで金持ちのボンボンだが、カレッジを中退し、冒険を求めて西部にやってくる。坊やが何しにきたと問われ、その想いをぶちまけようとするが、想いはあっても言葉が出てこない。彼は未開拓(とアングロサクソンが思っている)地で、根底的な自由、希望、善、力を感じたいと思っている。冒険好きな若者が求めるものは古今東西変わらない。
 乱獲によってバッファローは数を極端に減らしたが、タフな漁師のミラーが、山脈の奥で巨大な群れを見たとアンドリューズに打ち明ける。そこへの狩猟遠征を組めるなら、一昔前のバッファロー狩りを体験したうえに、高値で取引される皮を売ってひと儲けすることができる。猟師の与太話か、本物の冒険か、行ってみなくてはわからない。二人の仲間を加え、装備と食料を牛車に積み、四人の男が出発する。>

 物語は始まったばかりなのだが、あらすじはここで終わりである(^^ゞ。
 4人が数千頭のバッファローを殺し、皮を剥いでいくという酷い話なのだが……
 服部さんは、このあと、こんなことを書いている。

<その先は本書にゆだねる。私は残りのページ数から物語はまだ終わらない(はず!)という小さな安心感にすがりつつ、目的の地には着くんだろうか、バッファローの群れに会えるのか、どんな猟になるのか、ハラハラドキドキの中に居続けた。次々と訪れる艱難辛苦を機転と経験とタフネスで乗り越えていく猟師ミラーは、まさに凄腕のサバイバー。そのやり口は、アメリカ大陸に乗り込んで、先住民の土地を奪い、アメリカバイソンを激減させ、ゴールドを掘りまくったアメリカ人を凝縮し過ぎていて怖いほどだ。人間はおのれの才覚でここまでやっていいのだろうか?
(中略)
 人類はケダモノではない。教育によって本能に勝る理性(知恵)を手に入れ、地球を今後よりよく維持できる、と考える人がいる。狩猟を通して、人間と他の生き物との境界線を失った私は、その意見には与(くみ)しない。
 まったく逆に、人間は世界を壊す権利がある、と考える人もいる。マグロもウナギも全部食っちゃえ、何が悪いんだ、という考えは、とても醜いが、否定するのは難しい。そもそも、人類の英知(と我々が呼んでいるもの)は実のところ宇宙のエントロピーを拡大させる方向(生命を終わらせて混沌を産む方向)に働いているのかもしれない。そもそも生命とは、時間をかけて浅知恵の働く生き物へと進化し、世界をめちゃくちゃにするために存在するのかもしれないのだ。
 西部開拓時代はまさにそのど真ん中。文明と野蛮がタッグを組んだ時代のむちゃくちゃ加減は面白い。すくなくともシステムでがんじがらめの我々の生活よりは物語にあふれている。>


 米国における西欧人たちの西部開拓というのは、先住民の虐殺や彼らからの収奪の歴史でもある。
 それに、先住民の食糧だったバッファローを、食料というよりも金儲けのため毛皮を取ろうと、これも虐殺し絶滅寸前にまで追い詰めた。ちなみに狼などは、家畜の敵だと絶滅させてしまった。
 この本は、そんなバッファロー狩りの歴史の最後を描いた物語である。
 ラストは、思いもよらなかったどんでん返しが待っているのだ。

 ハラハラドキドキの冒険物語として読んでも面白いが、人間の欲望や生と死、生きることの昂揚(充実)と虚無、人の営みの愚かさなどが容赦なく描かれていて、深みのある味わいある物語となっている。


<今日のお薦め本>
『ブッチャーズ・クロッシング BUTCHER'S CROSSING』 ジョン・ウィリアムズ(John Edward Williams) 著、布施由紀子 訳、作品社 刊、2808円、18.02.25. 初版第1刷発行
 著者について、巻末から紹介しておきます。
<1922年8月29日、テキサス州クラークスヴィル生まれ。第二次世界大戦中の1942年に米国陸軍航空軍(のちの空軍)に入隊し、1945年まで中国、ビルマ、インドで任務につく。1948年に初の小説、Nothing But the Night が1949年には初の詩集、The Broken Landscape が、いずれもスワロープレス社から刊行された。1960年には第2作目の小説、Butcher's Crossing(本作)をマクミラン社から出版。また、デンヴァー大学で文学を専攻し、学士課程と修士課程を修めたのち、ミズーリ大学で博士号を取得した。1954年にデンヴァー大学へ戻り、以降同大学で30年にわたって文学と文章技法の指導にあたる。1963年には特別研究奨学金を受けてオックスフォード大学に留学し、さらにそこでロックフェラー財団の奨学金を得て、イタリアへ研究調査旅行に出かけた。1965年、第3作目となる小説 Stoner を上梓。本書は21世紀に入り“再発見”されて、世界的な大ヒット作となる。1972年に出版された最後の小説、Augustus は、イタリア旅行のときの取材をもとに書かれた作品で、翌年に全米図書賞を受賞した。1994年3月4日、アーカンソー州フェイエットヴィルで逝去。>

ブッチャーズ・クロッシング
作品社
ジョン・ウィリアムズ

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<後記>いつもは小説というと、ミステリーなどのエンターテインメント系ばかり読んでいますが、この物語はそれとはちょっと異なる充実した面白さのある作品でした。
 人間とはいったい何なのか? とか、主人公のアンドリューズの“自分探し(?)”の旅はこれからどうなるのだろうか? とか、いろいろ考えさせられます。たぶん、彼がこの過酷な旅で得たものは、とても大きいとは思うのですが……
 すこしネタバレになったかもしれません(^^ゞ。
 とても面白いし、読んで損はない物語です。よかったら、お読みください(^^)/。

 今日(13日)も朝から晴れて、蒸し暑くなりました。耐え切れなくて、今夏はじめてエアコンを入れました(^^ゞ。
 夕方になってしだいに雲が増えてきました。
 散歩に出たのは5時半過ぎでした。
 公園を回っていきました。

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 空全体が薄雲に覆われていましたが、夕日も見えました。

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 原っぱに行ってすぐに、SORAはあちこちでスリスリしました(^^ゞ。

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 馴染みの柴ワンコが遊びに来ましたが、じゃれ合いはしません(^^)/。
 SORAとボール遊びをしてから、ベンチに行きました。

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 SORAはハアハアしています。

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 夕日は雲の中に沈み始めました。

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 SORAはマッタリしていきました。

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 西風が少しあって、雲はゆっくりと流れていました。

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 悪魔の目?!(^^)/。

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 SORAは寝ているようです(^^ゞ。

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 SORAはベンチを下りてマッタリしてました。

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 雲の下から、少しだけ夕日が顔を出しました。
 帰ることにしました。

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 草つき斜面を下りて帰ってきました。

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 SORAは原っぱに気になるワンコがいたので、そちらの方ばかり見ています。
 途中まで、リードを引っ張って下りました(^^)/。

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 明日(14日)の横浜の南の端っこの天気は、強烈な陽射しが照りつけ、猛暑日になるようです。熱中症に厳重な警戒が必要になりそうです。

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