『狙撃手リーパー ゴースト・ターゲット』


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           〔公園で咲き始めた山桜〕

 米国の伝説のスナイパー(狙撃手)が執筆した迫真のアクション小説『狙撃手リーパー ゴースト・ターゲット』を紹介する。
 本書は、元スナイパーで作家のニコラス・アーヴィングと元陸軍准将で作家のA・J・テイタの共著である。
 プロローグは、次のように始まる。


二〇一〇年九月十二日

 チェチェンの兵士ハサン・バサエフが、ジョージア州サヴァンナまでわずか十二マイルの上空三万五千フィートを飛行するロシア軍試作機、PAK-DAステルス爆撃機の、ハッチが開け放たれた爆弾倉に立っている。その体の前側にあるパラシュート・ハーネスにはブリーフケース・サイズの核爆弾がストラップ留めされ、背中には基本的な備品を収納した小さなリュックサックがあった。
 ロシア軍から監視役として派遣された三名の兵士が、それぞれの爆弾倉から彼を見張っている。つごう四名の兵士はみな防弾(バリスティック)ヘルメットをかぶり、顔を黒く塗り、酸素マスクとタンクを装備し、ノーメックスのジャンプスーツに身を包み、七マイル近い降下時間のあいだ命を守るための高高度スカイダイビング・パラシュートを装着していた。
 爆弾倉のライトがグリーンからレッドに変わり、まずバサエフが、アメリカのB-1爆撃機によく似たハイテク試作機から真っ逆さまに飛びだした。
 バサエフは自分のGPSウォッチと高度計を見て、ジョージアの東岸までの滑空飛行の姿勢を安定させた。高度二万五千フィートに達したところでパラシュートを操作すると、パラシュートが開いて、降下速度が緩んだ。パラシュートのトグルが顔の前に降りてきたので、彼はそれを使って風をつかみ、できるだけ西寄りへと滑空した。目的地は、ハンター陸軍飛行場の南にある小さな入り江だ。
(後略)>


 小型の核爆弾を抱えて、高高度から飛び降り米国に降り立とうとするバサエフという男は、いったい何をしようとしたのだろうか?
 それは、本作の最後のほうでわかる(^^ゞ。

 舞台は現代に移る。
 “死に神(ザ・リッパ―)” というのが、米国陸軍最高のスナイパーであるヴィック・ハーウッドにつけられた異名だった。
 彼はアフガニスタンで、標的のチェチェン人傭兵であり国際的なテロリストでもあるハサン・バサエフを追っていた。
 バサエフの潜伏場所を見つけ、彼を撃とうとしていた時、近くの村で3人の女性が何者からに拉致されるのを目撃してしまう。
 ふたりの女性はブルカ(イスラム教徒の女性が着る服)を着ていたが、ひとりはブルカを着ていない長い黒髪の女性だった。
 バサエフもそれに気づくと、なぜかとても慌てた様子を見せたので、撃ち取ろうとしたがわずかの差で身を隠されてしまった。
 その直後、来るはずのない後方から飛んできた砲弾の爆発でハーウッドは負傷し、岩塊に埋もれた。
 彼は意識を失ったまま救助されたが、すぐ近くにいた相棒のスポッター(観的手)サミー・サミュエルソンは行方不明となり、愛用のスナイパー・ライフルも失って帰国した。

 3か月後、治療を終えたハーウッドは、肉体はほぼ回復したものの、記憶の欠落とPTSDを抱えていた。
 彼はフォートブラッグ陸軍基地で、新人スナイパーの訓練に当たっていたが、そこでとんでもない狙撃事件が起きた。
 撃たれたのはJFK特殊戦センター司令官のサンプソン将軍だった。

 ところが、狙撃事件はそれだけでは終わらなかった。
 ハーウッドが行く先々で、軍の要人や上院議員、警官などが次々と犠牲になった。
 しかも、その狙撃に使われた銃が、彼が失ったスナイパー・ライフルだったことが判明した。
 FBI捜査官ディーク・ブロンソンは、ハートウッドの犯行を疑い捜査を進め逮捕しようとする。
 ハートウッドは官憲から追われる身になったのである。

 はたして狙撃犯は何者なのだろうか? ひょっとして記憶に欠落のあるハートウッド自身なのだろうか?
 被害者たちはなぜ殺されなければならなかったのか? 彼らに何か繋がりがあるのだろうか?
 ハートウッドはブロンソンの追跡を必死にかわしながら真相(謎)を追っていく。
 一方で、バサエフもまた、ある思惑を抱いて米国に潜入していたのである……。
 
 ハートウッドは、はたして連続狙撃事件の謎を解くことができ、犯人を捕まえることができるのだろうか?
 その事件の裏には、軍の高官らによるとんでもない企みが隠され、アフガニスタンで起きた女性の拉致にも関係していた。
 それに、あの長い黒髪の女性の正体も……思いもかけないものだった。
 ミステリーやサスペンスの要素も満点のアクション巨編である(^^ゞ。


<今日のお薦め本>
『狙撃手リーパー ゴースト・ターゲット REAPER : GHOST TARGET』 ニコラス・アーヴィング & A・J・テイタ 著、公手成幸 訳、ハヤカワ文庫、1254円、20.03.25. 発行
 共著者二人について、カバー裏から紹介しておきます。
ニコラス・アーヴィング
 1986年、アメリカ、メリーランド州フォートミードの生まれ。作家。元スナイパー。アメリカ陸軍特殊作戦コマンド第75レンジャー連隊に所属し、スナイパー・チームのリーダーとして、イラン、アフガニスタンに従軍。その卓越した射撃により “死に神(ザ・リーパー)” の異名を持つ。除隊後に発表した自伝 The Reaper がベストセラーになり、作家として活躍するほか、スナイパーを主人公とする映画《ザ・ウォール》ではアドバイザーを務めている。
 A・J・テイタ
 1959年、アメリカ、ヴァージニア州ノーフォークの生まれ。作家。元アメリカ陸軍准将。第82および第101空挺師団、また第18空挺軍団隷下の第10山岳師団の指揮官を務める。退役後は会社を経営し、ノースカロライナ州の運輸長官を務めたほか、退役した2009年から軍事アクション小説を発表し続けている。2018年に発表されたアーヴィングとの共著である本書はテイタの9作目の作品になる。本書は発表と同時に話題となってたちまちベストセラーになり、翌2019年には続篇 Reaper : Threat Zero が刊行された。> 

狙撃手リーパー ゴースト・ターゲット (ハヤカワ文庫NV) - ニコラス アーヴィング, A J テイタ, 公手 成幸
狙撃手リーパー ゴースト・ターゲット (ハヤカワ文庫NV) - ニコラス アーヴィング, A J テイタ, 公手 成幸

<後記>主人公のスナイパー、ハーウッドは実は黒人です。彼を追うFBIの捜査官ブロンソンも黒人です。
 スナイパーが活躍する小説の主人公の多くが白人男性ですが、黒人のスナイパーが活躍する本作は、米国社会の現状も描かれ、独特の緊張感をもたらしています。
 ハーウッドの興味深い生い立ちも過去の思い出として語られ、それが彼の行動や闘う動機を生みだしていることもわかってきて興味深いです。
 事件に巻き込まれ翻弄されるハーウッドが、それに立ち向かい、任務を全うするために果敢に行動していくという面白さがあります。
 アクションは比較的抑制的に描かれていきますが、最後のクライマックスではアクションの大盤振る舞いになります(^^)/。

 彼の恋人でジャッキー・コルトという女性は、女子エアライフル競技の金メダリストで魅力的です。この物語でも大きな役割を担うことになります。
 このハーウッドを主人公としたシリーズは今年三作目が刊行されるそうですが、ふたりの関係がどうなるのかも興味があります(^^)/。
 2作目以降の邦訳が待たれます(^^ゞ。


 今日(4月1日)は朝から雨でした。
 カミさんが仕事で出かけたので、7時15分くらいに傘を差して散歩に出ました。

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 公園の斜面を上っていきました。
 
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 原っぱに出てウロウロしていきます。

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 このあたりからカメラレンズの前のガラスに雨粒がついてしまって、見にくいかもしれません(^^)/。

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 SORAの向こうにドバトがたくさん来ていました。

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 SORAが階段を下り始めたので、早めに帰ってきました(^^)/。

 日中は気温はわりと上がりました。テレビを観たり本を読んだり、居眠りをしていました(^^)/。
 夕方の散歩は4時15分くらいに出ました。
 朝と同じく公園の斜面を上っていきました。

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 原っぱに出てから、公園を回っていきます。

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 原っぱに戻ってウロウロしていきます。

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 SORAが草つき斜面を下りたがるので、仕方なくついていきました(^^ゞ。

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 明日(2日)の横浜の南の端っこの天気は、陽射しが届いて、昼間は春らしい暖かさが戻りますが、北寄りの風が強そうです。
 午後はにわか雨が降るかもしれません。

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この記事へのコメント

2020年04月02日 13:44
まるで観た映画の解説でもしているかの様です
私はスナイパ-の映画は大好きで殆どの映画は観ていると思います
アクション映画と云うと派手な格闘やCGを使った大袈裟な破壊シーンなど
どうもいけません
スナーパー物はシーンとした緊迫感で標的を追う、堪りませんね。

ベトナムでの米軍のスナイパーの事が書かれたものなんか読むと凄く過酷で
2日も3日も同じ所でジッと身動きせず大小便は垂れ流しで耐えて敵将を討つ
ベトナムの女性スナイパーと対峙した時にスコープの光に照準を定めて見事に討ち取った話など吸い込まれるように読みました
スナイパー1人の存在が敵を足止めさせて部隊を救った話なども凄いですね。

映画化は無いでしょうからAmazonに早速注文しました。


遊哉
2020年04月02日 15:16
☆ yokoさん、スナイパーものがお好きなんですね(^^ゞ。
 スナイパーのすることは殺人で嫌なことですが、スナイパーがスポッターとともに粘りに粘って、風とか気温、高低差などを緻密に計算して照準を定め敵を撃つという緊迫感が堪りません(^^)/。
 映画では「スターリングラード」がとても面白かったです。小説では、スティーヴン・ハンターの『極大射程』に始まるいわゆる“スワガー・サーガ”のシリーズが大好きです。
 この小説も面白いので、是非楽しんでみてください(^^♪。